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第18話 早まる計画

本日1話目

 


 闇魔法のことで騒ぎがあったが、後は問題なくゴブリン10体を狩り終わった。

 そして、3年間もこのようにレイラを協力者として働かせてリリィ達は実力を伸ばしてお金も貯めた。




「お嬢様も10歳になりましたね」

「時間が経つの早いわね。学園は5年後ね……行かないけど」


 学園に通う歳になる前に、事を起こす予定だ。それまでに準備を終わらせるつもりーーーーだったが、ウルガが慌てて部屋に入ってきたことで、リリィが予定していた計画と食い違うことになる。






「ヤバいぞ! 外に出ていたことにバレたぞ!!」

「もう!?」


 あー、ばれたか。もう少しは持つと思ったけど、何処から漏れたんだ?


「お嬢様、御主人様がお呼びです」


 イーナとは別のメイドがリリィを呼びに来た。間違いなく、外に出たことの話だろう。


「仕方がない……、計画を早めるわ。2人は準備をしておいて」

「わかりました」

「お嬢ちゃんの側にいなくてもいいのか?」

「大丈夫わよ。それよりも、合図はわかっているわね?」


 2人共、コクッと頷いた。それを見て、リリィはルードがいる書斎へ向かった。

 ノックをして、部屋の中に入っていく。そこには、静かに座るルードの姿があった。


「ご苦労、リリィ以外は席を外してくれ」

「「了解致しました」」


 使用人は部屋から出て行き、リリィとルードの2人っきりになった。

 しばらくお互いは黙っていたが、ルードが口を開いた。






「……聞いたぞ、外に出ていたと。もし、ミスアートの騎士が私の部隊に配属されていなかったら、気付かないままだったよ」

「そうですか」


 そうか、それは運が悪かったな。まぁいい、父親が何か言おうが、結果は変わらないがね。


「これからは外に行くの禁止だ」

「お断りですわ」

「……は?」


 リリィの反論に驚くルード。今まではルードが言えば、言う事を聞いてくれた。なのにーーーー


「わからないのか? 外は危険だ。なのに、令嬢2人、執事、メイドだけで行くのは馬鹿げている。今まで無事だったのは、運が良かっただけだ。なのに、言う事を聞いてくれないんだ?」

「答えは簡単ですわ。外に出ても、問題ないぐらいに強くなったからですよ」


 身体から雷が迸り、右手に『雷弾』を浮かべていた。リリィが魔法を使っていることに驚いていた。家には属性魔法の書はないのを知っているから、リリィがどうやって使えるようになったか気になったが……


「駄目だ……」

「それはどうしてでしょうか?」

「両親が娘を心配しては駄目なのか? リリィが魔法を使えても、万一があるから駄目だ……」

「……はぁっ、がっかりですわ。その考えは父親のエゴでしかないように聞こえます」


 リリィはルードを心の底から見下げたような眼で見下していた。その視線を受けたルードは悲しそうにしていた。


「私は力があり、仲間もいる。今まではそうして戦えたわ。なのに、父親は両親が心配だからと言うだけで、私の邪魔をするんですか? その後は護衛を付けられると覚悟していたのに、外へ出るの禁止? 父親は屋敷に私を閉じ込めたいようにしか思えませんわ」

「そんなつもりはない! リリィはまだ10歳で女の子だ。遊びたいなら、わざわざ外に出なくたっていいじゃないか。なのに、私達に黙って外に出るなんて、何も知らない私達はどうすればいい! 出たい時は私に言ってくれば都合していたのに……」

「まだ気付きませんか? 私が何故、両親に伝えなかったのか。よーく考えてみて下さいね?」

「私達に伝えなかった理由……?」


 少し考えれば、わかるものなのに、父親はまだ考えていた。もしかしたら、頭はそれ程に良くはないかもしれない。数十秒は掛かったが、ようやく答えに辿り着いた。


「私達に秘密したかったことが?」

「正解。秘密があったから、両親に伝えるにはいかなくてね」

「……なんだ、その秘密は」


 まさか、娘が何かに手を染めているのでは? と心配してしまうルード。その考えがわかったのか、リリィはケラケラと笑っていた。


「アハハッ! 父親は考えが甘いわよ!」

「何を笑っている……」

「秘密にしていたのは、ただ両親のことを信用、信頼をしていなかったからですよ。悪いことに手を染めているわけでもありませんよ」

「リリィ……」


 悪いことはこれからであって、今はまだやってないのは間違いはない。


 …あ、禁書は悪いことだっけ? まぁいいか、言わなければわからないし。


「さて、もう2人共は準備を終わらせている頃かな?」

「準備だと?」

「えぇ、私はこれからーー」


 リリィはそう言いながら、1つの魔法を発動する。




 雷魔法の第5之魔法、『雷猫』。




 猫の形に象る雷が現れる。その魔法は本物の猫と変わらない大きさで、抱えられるぐらいに小さかった。

 だが、その力は莫大である。

 ルードは殺気を感じ取ったのか、書斎の机に隠されていた短槍を取り出して、『雷猫』を貫こうと投げていた。

 危機を感じ取るのが早かったお陰で、『雷猫』は全開で突撃が出来ずに周りへ雷を迸るしか出来なかった。


「ぐぅっ!? り、リリィ!!」


 ルードは雷猫の近くにいたリリィが巻き込まれていないかと心配していた。そこは、やはり父親だった。

 しかし、砂煙りが舞い上がる中から声が聞こえたことで安堵するが、すぐ表情が変わる。




「おいで、『氷獄魔召喚』!」




 砂煙りは召喚された氷の翼を持った鳥の悪魔によって、振り払われた。その魔物は全長4メートルぐらいあり、天井ぎりぎりだった。


「なっ……、魔物だと!?」

「さっきは危なかったわよ。でも、咄嗟に逸らしたから無傷だけどね」

『ご命令を』

「今は分が悪いから撤退の1択ね。クレオス、やりなさい!」

『了解しました』


 リリィはクレオスの背中に乗り、ここから立ち去るつもりだ。

 ルードは驚き過ぎて、固まっていた。何故、娘が魔物を召喚出来るのか? しかも、アレは喋ったことから知能が高いのは理解出来るが、ネームモンスターである魔物を従えているリリィのことがよくわからなくなっていた。


「父親ーーいえ、これからはルードと呼びましょう。では、またいつかルードとクリスを殺しに舞い戻りましょう。またね」

「なっ……、待て!」


 クレオスと呼ばれた鳥の悪魔は屋根を破壊して、空へ飛び出す。そのまま、立ち去って終わりかと思えばーーーー






「待ちなさい! 私の娘を返しなさい!! 『豪風乱気』!!」

『む!? う、動けん!』


 空にいるクレオスの動きを止めたのは、元宮廷魔術師であった『嵐舞の魔術師』、クリスである。クリスは巨大な魔力を感じ取り、書斎へ向かっていたのだ。着いた時は既に飛び上がっていたが、風を使った拘束の魔法で捕まえた。


「リリィを返しなさいよ!!」

「く、クリス……」


 クリスはアレがリリィの召喚で現れたことを知らない。リリィを捕まえて何処かに行こうとしているように見えていた。

 拘束したまま、引き寄せようとするクリスだがーーーー




「さっさと離しなさい。『魔反支配』」

「ーーーーえっ?」


 クリスが発動した魔法の主導権を奪われ、クレオスを拘束していた風の魔法がそのまま、クリスを拘束した。


「な、なんで……、リリィが?」

「くっ!」


 ルードも諦めずに短槍を拾って、クレオスを貫こうとしたが、氷の息吹で凍らされて粉々に砕かれた。

 クレオスは粉々になったのを見届けて、高く空へ飛び出していくのだった。

 両親は半壊した屋敷にて、そのまま見届けるしか出来なかったーーーー





まだ続きます。

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