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第17話 狩り

本日2話目

 


「私、冒険者ギルドで登録して来ました!」

「え? なんで?」


 王城のことから、3日経ったなーと思えば、いきなりイーナが冒険者になったと宣言されて、リリィは眼を丸くしていた。


「だって、魔物を倒した後は死体を放置していますよね? あの死体は金になるんですよ。それが勿体無いと思って……でも、冒険者になれば、金に変えれるようになるんですよ!」

「そういえば、イーナは金が好きだったんだね……」

「それだけではなく、これからの活動費を増やせますよ!」

「確かに、活動費は必要になるかもな。お嬢ちゃんは王族にも弓を引くつもりみたいだから、金はあるだけあった方がいい」


 いつまでも両親に頼ってはいられないから、自分で稼げる手段を一つでも持っていた方がいいと考えたようだ。新たな力を得る為に金が必要になる可能性もある。だったら、イーナが冒険者になったのはリリィにとっては助けになる。


 確かに、お金は必要よね。もしかしたら、今度の禁書は高いかもしれないし……。


「冒険者になったし、行きましょうよ!」

「気が早いな。まぁ、賛成するけどな」


 2人はこれから狩りに行く満々だ。リリィは一応、貴族だと自覚しているからあまり外に出るのを控えていた。


「あのね、私は貴族なんだけど?」

「…………今更?」

「貴族なんて、面倒だけだろ。素直になっちゃえよ」

「……はぁ、父親にどう説明するのよ? いつも外に出ていたら、怪しまれるわよ?」


 こっちは公爵の令嬢であり、一人娘でもある。冒険者みたいなことをしたくても、両親は認めないだろう。

 それに、自分の目的を今に知られる訳にはいかない。


「でしたら、もう1人の協力者が必要ですね」

「誰がいるの?」

「協力者は貴族の誰かだな? その貴族の家に遊びに行くと伝えて、その協力者と一緒に外へ出ればいい」

「正解です」

「そんなのに付き合う貴族はーーーーあ、いたわ」


 1人だけ思い浮かんだ。あの人なら、喜んで協力してくれるだろう。早速、手紙を書いて使者に届けるようにお願いする。








「私で良ければ、協力させて貰いますわ」


 協力者とは、レイラのことだった。レイラは父親と外へ出た経験があり、その父親とも話してみたら、あっさりと許可が出た。

 戦闘の経験がある大人が1人でもいれば、レイラを連れて外に出てもいいと許可を貰えたのだ。


「あっさりと許可が出るな」

「私には兄がいるから、跡継ぎは問題ありませんし、何回か外に出て実戦を経験しているので。それよりも、外に出ていることは貴女の両親には秘密でしたわね。どうしてか聞いていいかしら?」

「そうだな……、誰にも言わないなら教えるわよ」

「私は約束を守る。裏切りは騎士の恥だからね」


 もちろん、リリィは全部言うつもりはない。ただの協力者で完全に仲間ではないからだ。話すことは、2つだけ。魔法を使えて、レベルを上げたいことと、メイドが冒険者の資格を持っており、お金を貯める為と話した。


「成る程。もしかして、魔法って、強化魔法を使えるようになったの?」

「それだけじゃない。雷魔法と闇魔法を使えるわ」

「属性魔法を2つも!? しかも、闇属性の資質があったのも驚きだったわ……」


 闇魔法の使い手はそれ程に伝説の存在にされているようだ。歴史上では、光と闇を使えた人は3人だけ。驚かせてしまうのは仕方がないだろう。


「これから何を狩りに行くの?」

「はい、これを狩りに行きます」

「えっと……、ゴブリン10体を討伐。このパーティなら、これぐらいが丁度いいわね」


 イーナが冒険者のギルドから持ってきた依頼書は、初心者のパーティが出来る仕事が書かれていた。

 門前に着き、馬車から降りる。


「確認しておきますけど、私とウルガが前衛、リリアーナとイーナさんは後衛で構いませんね?」

「構わないわ。それから、私の事はリリィでいいわ。長いと戦闘中に呼ぶの大変でしょう?」

「ありがとうございます。これからリリィと呼びますわね」


 これから魔物がいる外に出るのに、雰囲気は軽かった。全員が外に出た経験があり、自分の実力に自信を持っているからだ。


「ウルガにイーナさんも私の事を呼び捨てで構いませんわ。あ、外にいる時だけでお願いね」

「わかったよ。俺は口が悪いから、それも勘弁してくれよ?」

「レイラ、これで宜しいでしょうか?」

「よし! 行きましょう」


 呼び方を決めた後に、門を潜っていく。もう少し歩けば、深い森が見えてくる。そこが、ゴブリンの住まう森になる。


「やっぱり、パーティでの冒険はワクワクするわね」

「うふふっ、そうね……」


 何だこれ? この世界の基盤が乙女ゲームであることを忘れそうだわ……。


 乙女ゲーム特有のフラグ立ちや恋愛の好感度上げのイベントが全くないし、リリィの唯一で友達である令嬢のレイラは魔物と戦うのが好きだ。

 やはり、乙女ゲームではなくロールプレイングだとしか思えなかった。


 はぁっ、ゲームでは、学園から始まったんだよね。乙女ゲームの力が働き始めるのは、学園に入ってから起こるのかな……?


 リリィは学園に入るつもりは無かった。わざわざ破滅へ自分が突っ込むことはないし、それまでに準備を終わらせる予定だからだ。




「あと8年か……」

「え?」

「いえ、何でもないわ。そろそろゴブリンが出てきそうじゃない?」

「気配はしますが、まだ向こうもこっちを見つけていないかもしれません」


 少し前に進むと、緑色の肌をした小鬼を見つけた。数は3体だけなので、リリィが1人でやりたいと。


「此処は私に任せて貰っていいかしら? 手に入れた魔法を試したいのよ」

「もしかして、闇魔法かしら?」

「はい」


 闇魔法の特性は、広範囲での攻撃。第1之魔法であっても、その特性が発揮される。




「『黒重爆』ッ!」




 敵は3体だったので、3個の『黒重爆』を展開したが、今まで使っていた魔法より魔力消費が多くて少し怠く感じたが、魔法はキチンと発動した。だが、当の本人は……




 この魔力消費、オーバーキル過ぎたわ……。




 まだ攻撃をしてないのに、オーバーキルと言う結果がわかっていた。そして、数秒後にその感覚は当たっていたのがわかる。

 黒い弾が撃ち出されて、それぞれのゴブリンに当たるとーーーー




 ドゴォォォッ!!




 黒い弾が弾けて、衝撃の爆弾となっていた。当たったゴブリンは身体がバラバラになって、あっさりと絶命した。それで済まず、周りにあった木々にもダメージを与えていた。

 よく見ると、削られたような跡が残っており、ゴブリンの身体をバラバラにしただけあって、威力は高いようだ。

 リリィはそんなことを考えられたが、他の人はそういかなかった。驚きすぎて、アホ面みたいな顔になっていた。



「えっとぉ……、やり過ぎちゃった♪ てへっ」




 笑って誤魔化すリリィ。








今日はここまでです。

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