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第16話 王城へ招待

本日1話目

 


 オルクを支配下に置いたリリィは、1枚の手紙を受け取っていた。誰から? と思ったが、名前を見て納得した。差し出し人はあの第二王子のアルディン・リクドリアだった。


 そういえば、属性魔法の書を見せて貰えないかお願いする予定だったなぁ。


「んー、そう言えば、属性魔法って何種類あったっけ?」

「あれ、教えてなかった?」

「うーん、聞いた覚えがないから教えて?」

「わかりました。属性魔法は光、闇、火、風、土、水、雷の7種類になります。ただ、光と闇は特別で資質がある人にしか使えません。二つとも、同じような属性魔法の書がありますが、読めても使える、使えないに分かれてしまいます」

「へぇ、王城にあるか聞いてみるか」

「光は広範囲の回復主体で、闇は広範囲の攻撃主体になっていますね。お嬢様の場合は光より闇を覚えられたら良いですね」

「どうして?」

「お嬢様は体力が低くて、攻撃を受けない方がいいからです。攻撃を受けて回復を考えるより、高威力で広範囲に攻撃をして先に滅ぼせば勝てるのですから」


 確かに、イーナの言う通りだと思う。自分のHPは低いの知っているんだから、攻撃は絶対に受けては駄目だ。だから、攻撃される前に攻撃をすればいい。うん、間違ってはいないな。


 リリィの戦い方を考えているが、リリィに闇属性の資質があるかわからないので、使えるようになったら考えればいい。

 今は招待のことだ。


 確か、ゲームではアルは土と水を使っていたような……。見せて貰えるかわからんが、今の実力を知っておきたいわね。


 どうすれば、戦闘での実力を見れるか。王族だから、戦った事がない可能性もあるけど、リリィは慎重な性格だから調べられる物は調べておきたい。


「何か持って行った方がいいかな……?」

「あ、王族相手に物を持っていくのはやめた方がいいですよ。何回かの検問をしてから、渡されるので持っていかない方が楽ですよ」

「ん~、貴族の家に向かう時も持っていかないの?」

「王族と貴族は違いますからね。貴族だったら、珍しい物が喜ばれます。でも、お嬢様はまだ子供なんですから、そんなことはまだ考えなくてもいいんですよ」

「ふーん、手ぶらで行こうか」

「はい」


 明日に王城へ向かうことに決まった。目的は属性魔法の書を見せて貰う。表面は遊びに来たということにしているが。

 そして、翌日になりーーーー





「近くに行くと大きいなぁ」

「確かに。迷子になりそうな広さだ」

「いつも遠くから見るだけで、こんな近くまで向かったのは初めてですよね。この王城なダスティス王国の象徴でありますので、1番目立つように作られております」


 上を見上げて、将来は敵になるであろうの王城を眼に映していく。王城の外で待っていたら、中から1人の警備員がこっちに向かっていた。


「確認が取れました。中へどうぞ」


 警備員に変わって、使用人のメイドから案内されて、扉の前に着いた。


「本来なら、国王様に挨拶をして貰いたかったけど、今回は留守にしております。こちらが第二王子のアルディン・リクドリア様の部屋になります」


 メイドがノックをすると、入ってもいいと返信が返ってきた。


「入っても良いぞ」

「畏まりました。失礼しますーー」

「リリィ、良く来てくれたね。貴族から遊びに行っても良いかと聞かれたのは新鮮だった。いつも婚約者申し込みばかりだったからな」

「お久しぶりです。という程ではありませんが」


 誕生会があったのは、一週間とちょっとだけの前だから、久しぶりって感じじゃなかった。軽く挨拶を終わらせ、部屋の中へ入れて貰う。


「遊びに来てくれたのは、嬉しいけど、私の部屋には遊び道具が無くてね。リリィはここに来るの初めてですよね? 良ければ、案内してあげるよ」

「あ、はい。宜しくお願いします」


 王城の内部を知る機会なので、お願いすることに決めた。ついでに、もう1人の王子のことも聞いてみた。


「ファルニア兄様ですか? ゴメンね、ファルニア兄様も国王と一緒に出掛けていて、留守なんです」

「あら、そうなんですか」

「何処に向かったか言えませんが、大事な仕事だと聞いています」


 国王と第一王子には会えないようだが、リリィはまたいつか会うだろうと気にしなくていいと伝えておいた。


「ここは騎士団が訓練をしている場所です。リリィのお父様は騎士団の隊長でしたね。ルードにはいつも助かっているよ」


 戦争で活躍して、何度も国を守っているからそのことだろう。訓練をしている場所を見てみたかったが、今は近くの村へ遠征していて、訓練場には誰もいなかった。

 次は、宮廷魔術師がいる場所へ案内された。

 宮廷魔術師は学問が高い人が多く、戦闘だけではなく、金融機関の仕事もしている人もいる。自分達が来たことで総長になっている青年の宮廷魔術師が話しかけてきた。


「アルディン様、こんな所に来て、どうしましたか?」

「私の友達が遊びに来たので、王城の案内をしていた所だ。リリィ、この方は宮廷魔術師で1番の実力を持ち、総長となったヴェルト・ライオートだ」

「初めまして、アルディン様が紹介した通り、ヴェルトと申します。総長は最近になったばかりなので、仕事が大変ですよ。周りに手伝って貰っているので、助かっていますね」


 宮廷魔術師の部屋を見せて貰うと、誰も書類を持っていて、仕事をしていた。その姿を見て、会議室みたいな場所だなぁと思うのだった。

 ウルガとイーナも初めて見た場所に興味深く、チョロチョロとしていた。


「ヴェルト、まだ時間はあるよな? 質問があれば、聞くといい」

「答えられることなら、何でも聞いてください」

「えっと、訓練は毎日しているんですか?」

「毎日ではありませんね。訓練は2日に1回であとは自主に自分で足りない所を補いますね。誰も同じ魔法を使うわけでもないので、それぞれが自主に鍛えた方が効率は良いと判断しています」

「そうなんですか、宮廷魔術師になれる条件は何ですか?」

「おや、宮廷魔術師に興味が?」

「魔法が好きなので、聞いてみたい思いまして」


 魔法は好きだが、宮廷魔術師にはなるつもりはない。だが、宮廷魔術師になれる条件がわかれば、少しは実力が見えてくると考えの事から。


「条件は色々あり、全部言えませんが……一つだけ。1種類でもいいので、属性魔法のレベルが7以上。複数持っていれば、宮廷魔術師になる確率が上がる……と思っていて下さい」


 やっぱり、高い実力が必要で最低でもレベル7の属性魔法を持っていなければならない。つまり、宮廷魔術師はレベル7以上の属性魔法を持つ化け物がゾロゾロと滞在しているということになる。


「教えて頂きありがとうございました」

「質問はもういいかな? なら、私は仕事に戻ります」


 今度は食堂や王の間などを案内して貰い、リリィが今まで気になっていたことを質問することに決めた。


「そういえば、王族は個人で属性魔法の書を持っていると聞いたことがありますわ。アルディン様は既に属性魔法を使えるようになっていますか?」

「はい、私は既に水魔法を覚えています」

「そうなんだ、書は全種類揃っているのですか?」

「うん、ありますよ。良かったら、見てみますか?」

「本当に!?」


 あっさりと属性魔法の書がある場所へ案内してくれることになった。地下で厳重に仕舞われていると聞き、リリィはワクワクし始めていた。


「すいません、ここからは王族と王族が認めた客だけしか入れないので、お付き人様は此処で待って頂けますか?」

「わかりました」

「わかりました、私達は此処で待っていますね」


 イーナの視線から、頑張れと応援しているように感じられた。ここで一つは魔法を覚えて来いということだろう。


 厳重に仕舞われている場所で3時間もいるのは無理じゃね?

 いや、貸してもらえるかの勝負ってことかな?


 どんなに早く読んでも、『雷神の怒り』みたいな厚さだったら、3時間は掛かる。リリィにしたら、大陸共通語と古代語の違いはないから、どの言語でも読む速さは変わらない。

 だったら、リリィに出来ることは借りられるようにお願いするしかない。

 扉の先は、7冊の属性魔法の書が並べられた台があり、アルディンの部屋と同じように綺麗な部屋だった。


「此処は属性魔法の書を保管する場所で、持ち込みは禁止になっているんだ。私が水魔法を覚えた時は3日間ここに通って、そこで読んでいましたね」


 アルディンが指を指した先には、机と椅子があった。そこで読んでいたようだ。

 持ち込みが出来ないなら、借りるのは不可能だ。今回は属性魔法を覚えるの諦めるしかないと内心で落胆するリリィだったがーーーー




 7冊の属性魔法の書が並べられている台に視線を向けると、違和感を感じていた。


「光と闇……だよね? この本は」

「うん、そうだよ」

「どうして、他のより薄いんでしょうか?」


 2冊だけ他の属性魔法の書より薄かった。リリィだったら、数分で読めそうだと思うぐらいに薄かった。


「うーん、光と闇だけは他の属性と違うのは知っていますか?」

「使用人から聞いています。読んでも資質が無かったら使えないと……」

「うん、そうだね。それは、何故かわかるかな?」

「えっ?」


 それに理由があるとは思わなかった。資質、元から才能がないから使えないのでは? それしか思い付かない。


「やっぱり、わからないよね。この本は大陸共通語で書いてあるから、誰にも読める。だけどね、資質がある人には全く別の言語に見えているみたいなんだ。だから、薄いのはそこに理由があるんだ。えっと、1冊分の文字が濃縮されて、内容が難しくなる……ゴメン、説明が難しいや。それに、光と闇の魔法を使えた人は長い歴史の中では3人だけだったらしい」

「さ、3人だけですか……。別の言語に見えるって、あり得るのですか…?」

「うん、前に光の資質があった人にはそう見えたらしいよ。読めなかったから光魔法を使えなかったけどね。その人の話によると、色々の言語が混ざったような文字だったと」

「ーーーーッ!」


 リリィには心当たりがありすぎた。自分のステータスを書いた紙をイーナに渡した時に言われたことを思い出した。『大陸共通語、古代語、知らない言語が混ざったーー』と。

 まさかと思いつつ、アルディンに聞いてみる。


「あ、あの……、読んでみてもいいでしょうか?」

「ん、いいよ。開いてみるといい」

「ありがとうございます」


 許可を貰い、まず光のを開いてみるが…………大陸共通語で書かれていた。つまり、リリィに光の資質は無かった。残念だと思いつつ、闇のを開くとーーーー




 な、これは!?




 開くと文字が動いているのが見えていた。そして、その文字が正しい位置に戻るように並べ替えられていく。それに、2つの文字が合わさって漢字になったりもしていた。

 全部のページにあった文字が1ページだけになっていた。

 リリィは読めた。むしろ、読みやすくなった。たった1ページだったから、1分も掛からなかったと思う。


 最後の文を読み終わると、黒い靄が現れてリリィを包み込んだ。


「これは……」

「どうしたんだい? 次のページを開かないまま、数分も固まっていて……」


 何が起こったかわかっていない? もしかして、黒い靄は見えてなかった?


 リリィはしばらく考えて、闇の本を閉じた。


「すいません、光と闇はどちらも大陸共通語にしか見えませんでした。資質が無かったのは残念でしたわ」


 ステータスを確認したら、闇魔法があった。だが、手に入れたことは秘密にすることに決めた。


「そうか、そうそうと使い手が見つからないものだな。もうここはいいかな?」

「はい」


 属性魔法の書がある部屋を出て、続けて他の場所を案内してくれた。やはり、ここに来て良かったと思うリリィであったーーーー








まだ続きます。

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