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プロローグ

皆さん、お久しぶりです。

この作品はリハビリとして、新しい小説を書いて感覚を取り戻して行きたいと思っています。

では、この作品をお楽しみください。

 



「ひひひっ、ひはははははっーーーー!! やった!! 全コンプしたぁぁぁぁぁ!!」




 暗い部屋で怪しく笑う女性がいた。その手にはゲームを持っており、女性の眼はクマに染められていた。徹夜でゲームをしていたのが分かりやすい程だ。

 そのゲームを全コンプして、夜中なのを忘れて、大声で笑い転がっていた。


「『乙女の妾姫』……、史上最強のゲームだったよ……。まさか、隠しルートが2つもあったとはね」


 大学生のこと、小森こもりあんは『乙女の妾姫』と言う乙女ゲームを1週間も徹夜までして、全コンプまで漕ぎ着けていた。


「ふわぁぁぁ~~ッ」


 流石に1週間も徹夜はキツイわ…。

 でも、このゲームは大当たりだったのは間違いなかったわね!!


 隠しルートも含めての6人もいる攻略対象をクリアするのに、普通ルートである4人のバッドエンドまでも見なければ、隠しルートへの道が開かれないのだ。杏はバッドエンドも含めたルートも全てコンプし終わっていた。


「やばっ、満足感で意識が……」


 なんとかカーテンが閉められた窓に眼を向けてみる。薄っらと明かりが漏れていることから、もう朝になっていた。昼からバイトがあるから、今から寝るのは不味い。徹夜続きだったから、昼前に起きる自信がない。全コンプ出来た満足感から、意識がプチッと切れる音が聞こえたような気がした。


 もう、無理……。運良く起きれ、たら……いいなぁ…………。


 襲ってくる眠気に勝てず、枕の上に置いていた電源が入りっぱなしだったゲームに頭をぶつけてしまう。軽い衝撃を受けたが、意識は戻ることなく闇の中へ吸い込まれていくようだった。




 電源が入ったままのゲームが変な音を立てて、画面が歪んでいることに誰も気付く者がいなかったーーーー

















 ーーーーん? む、むにゃ、煩いな……。この騒音は周りから??


 周りが煩いと思いつつ、重い瞼を開くとーーーー


「リリィ!? あ、あぁ! 神様、ありがとうございます!!」

「リリィ! 大丈夫なのか!? さっき、心臓が止まったと言ってなかったのか!?」

「まさか……、奇跡だ……! 間違いなく、心臓は止まっていた筈だ……」




 誰?




 眼を覚ました杏が最初に思ったことはそれだった。周りは記憶にはない人が自分を囲むようにしていたことに驚愕するしかなかった。そして、周りは自分のことを……


 リリィ? リリィって、誰のこと?


「大丈夫か!? 私達のことは誰かわかるか?」


 金髪で明るいブルー色の瞳を持つイケメンに声を掛けられて、ビクッと身体を震わせて眼を細めてしまう。

 いくらイケメンでも、大学生の杏は初対面に対する警戒をする頭はあった。その様子を感じ取ったのか、イケメンは悲しそうな顔を浮かべてしまう。


「もしかして……、私のことがわからないのかな?」

「り、リリィ! わ、私のことは……?」


 今度は黒髪でルビーの色をやや薄めた眼で、少しキツめそうに見える美人が自分に聞いてきた。それでも、同様に警戒する眼を向けていた。


「リリィ……」

「まさかと思うが、記憶が……」

「わからないが、両親の顔を覚えていないなら、記憶喪失である可能性が高そうだな」

「そんな……」


 医者の言葉に嘆く両親?の2人と控えているメイド達の姿があった。

 記憶喪失ーーーーだと思われている当の本人はまだ混乱しなっぱなしだった。


 なんで、自分の部屋じゃない? しかも、自分のことをリリィと……?


 周りを見れば、いつもの部屋ではないことに気付いた。なんというか、貴族が住みそうな部屋だと思った。

 そして、自分の身体にいつもの感覚と違うと気付いた。


 あ、あれ? 手が小さい? なんで、目線が違う!?


 ベッドから起き上がるが、目線が違うことに困惑して自分の身体を見たら小さかった。いつものジャージ姿ではなくて、可愛いフリルが付いたワンピースを着ていた。


 ーーーーえ? う、嘘?


 自分が自分ではないことに恐怖が浮かんだ。




「で……」

「リリィ?」

「出て行ってよ!! 部屋から出てよぉぉぉ!!」


 そう言って、掛け布団を被った。

 急に大声を出したかと思えば、周りを拒絶するように掛け布団を被ったことに呆気を取られるのだった。


「り、リリィ……」

「待て、混乱しているみたいだ。今はリリィの言う通りにそうっとしてやろう。全員、この部屋を出るんだ」

「貴方……わかりました」

「は、はい」


 母親らしきの女性が手を伸ばすが、父親らしきの男性に止められる。話せる心情ではないとすぐ理解したのだから、ここは言う通りに部屋から出ていく事に決めた。

 少し時間を置いてから話そうと決めた。


「リリィ……、これから私達は部屋を出るが、少しだけリリィのことを書いたメモを置いておくから読んでくれ」


 そう言って、近くにあったメモ帳にリリィのことを書いて置いてから、部屋を出ていった。

 扉が閉まる音を聞き、自分はどうなったのか、混乱しながらも思案していく。


 私のことをリリィと言っていた……。身体も違っていた…。


 情報が少なすぎると思い、さっきの男性が置いていたメモ帳をすぐ懐に寄せ、読んでいく。

 メモ帳は知らない文字が書かれていたが、何故か読めていた。メモ帳には、こう書かれていた。


『混乱していると思うが、落ち着いて読んでくれ。私は君の父親、ルード・オリエントと言う。隣にいた女性が母親、クリス・オリエント。

 君の名はリリアーナ・オリエントで、いつもリリィと呼んでいる。5歳で私達が愛する公爵の娘だ。愛する娘だと言われても困ると思うが、それでも愛する娘だと言わせて貰う!! 暫くしたら、また会いに来る。それまでに落ち着いてくれると嬉しいーーーー』




 私がリリアーナ・オリエント……。なんで、身体が違うと思ったけど、別人なのね。でも、なんで?




 なんで、リリアーナ・オリエントになっているのか、全くわからなかった。杏であった頃のことを思い出してみるが、ゲームを全コンプして寝落ちした記憶しかない。

 ゲームのことを思い出して、違和感を感じた。


 ん? リリアーナ・オリエント……? 何処かでーーーーッ!!!


 リリアーナ・オリエントの名は何処かで見た事があると違和感から記憶を探ったら、思い出した。




 リリアーナ・オリエント…………、なんで……? 『乙女の妾姫』に出ているーーーー




 その名は『乙女の妾姫』に出ていたのと全く同じ名だった。しかも、よく知っている名前だった……。毎回のルートに必ず出ていたのだから。そのリリアーナ・オリエントと言う公爵の令嬢とはーーーー




 あ、悪役令嬢として出ていた、必ず破滅で終わる令嬢……ッ! な、なんで、こんな令嬢にーーーー!?




 ゲーム通りなのかはまだ確定出来ない。だが、もしも……悪い考えが当たっていて自分がリリアーナ・オリエントになっているとなればーーーー




 どのルートを選んでも、必ず破滅してしまうんじゃないーーーー!! な、なんで、私がこんなことに……ッ!!









まだ続きます。

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