7.冒険者ギルドと妖精
早く戦闘を書きたい!
なのに気づけば長々とべつの物を書いている!
でも楽しんだよなぁ~(/´△`\)
活動報告にてアンケート実施中!
よかったらどうぞ!!
レオたちがエール王国の王都に着いたのは、エリネアを出てから4日後のことだった。
エリカは、王都に着き次第、王城に向かう必要があるためレオたちとは正門で、別れるかたちになった。その際、おすすめの宿を記したメモをレオに渡す。
王都と言うだけはあり、道は軽く馬車が2~3台ほど通れるほどの幅があり、門前からさまざまな人たち各々の目的の場所へ歩みを進めていた。それにより道は、見た目よりも狭く感じてしまうほどに人が多い。
町並みは、中世ヨーロッパに似ており、生活基準も近しいところがありそうだが、魔法というものがあるおかげか道も家々もかなり近代のものに近い雰囲気を感じられる。
レオは近くで誘導指示をする衛兵に冒険者ギルドの場所を聞き、その場所に歩き始めていた。
「とりあえずは、こっちでも冒険者になったほうが動きやすいだろうからな。それに、魔石を換金してもらわないとな。」
歩き始め、いくらか道を間違いながら30分ほどかけてギルドに到着した。西部劇の酒場を思い出せるような雰囲気の建物には大きく冒険者ギルドと書かれており、その隣には冒険者ギルドの半分ほどの大きさの小屋のような建物もあり、そこには換金所と書かれている。
二人は先に冒険者登録のために冒険者ギルドへと入っていった。
真正面には受付があり、すぐ右側には半螺旋を描くように2階へ階段がある。左側にも別のカウンターがあるが、そちらは軽食用のコーナーらしく数名の冒険者と思われる人物たちが食事をしていたが、レオに気付き物珍しそうに見たと思えば次の瞬間には驚いたような顔をした者やニタニタ笑う者がいた。
レオはチラッとその姿を確認していたが、そんなやつらは眼中にないと受付へと迷わず進む。
受け付けには受付用の席が3つあったが日が高い時間のせいか、受付嬢は1人だけしかいない。
「冒険者登録をしたいんだけど、」
「はい、ではこちらに必要事項を記入してください。それと登録には銀貨1枚、必要になります。」
そういいながら記入用紙を1枚取りだしカウンターの上に置いた。
「あ、登録は、こいつのもしたいんだけど・・・」
「え?もう1人ですか?」
話のあとレオの後ろに隠れるように居たレイが前に出てくる。
レイの姿を確認した途端に「・・・よ、妖精!?」と驚いたあと直ぐ様、受付嬢は受付の奥へと走っていった。
「わ、私何かしましたか?」
「さぁ?」
すぐに受付嬢が戻ってくる。かなり真剣な顔だが少しばかり慌てているような様子が見える。そして受付嬢と共に1人の男が受付に現れた。身長は2mを越えるかのような大男であり、纏う雰囲気からはかなりの手練れに感じられる。
「も、もう訳ありませんが2階の応接室に来ていただけますか?。
ギルド長がおよびです。」
そういったあと二人は応接室に連れていかれた。
ドアを叩き入室の許可を得てから応接室に入る。
中にはすでに二人の人物がいた。1人はドアの側に立ち出入口を守るようにしている。見た目は先ほどの男よりは小さいがそれでも180cmは最低でもあるほどの身長である。肉体自体はシャープだが雰囲気はさきほどの男よりも強く感じる。
もう1人は応接室に用意されたソファーに座りいくらかの書類を見ながらコーヒーを啜っている。こちらの中年男性からは、ゆったりとした雰囲気しか感じかれず書類整理をしている様子からおそらくこちらがギルド長なのだと予測できる。
レオたちが全員入室したのを確認してから中年男性は声をかけた。
「やぁ、すまないね、こんなところに連行するような形をとってしまって。だがいくらか話を聞かないとならない事態だったから了承してほしい。あっと忘れていた。
私はここ、エール王国のギルド長をしている、セア・ナルーカナという者だ。」
「俺はレオ・スフィア。
呼ばれたこと事態は気にしてないんだが、これはいったい?」
「やはり、私が原因ですか?」
レイの姿を見て驚いた表情を表すが直ぐ様柔らかな微笑みにかわる。
「なるほど、君が彼女の話にあった、妖精だね。まぁそんなに警戒しないでも大丈夫だよ。すぐに終わるから。」
セアは宥めるように話しかけたあと応接室の奥からあるアイテムを持ってきた。天秤のような形をし、魔力をおびている。それを見た目瞬間にレオは『視認解析』の魔法を使う。表示された文字には【対象の肉体的拘束、および強制指示による魔力を調べる】と表示されている。つまり、隷属化されてないかを調べるアイテムのようだ。
セアはアイテムをレイのほうにかざして『我に示せ』と始動キーとなる呪文を唱えた。
アイテムが淡い青色の光を放ち、天秤の皿が左右に揺れる。揺れているうちに片側には光が灯り、もう片側には暗い影のような塊ができている。そして天秤が今度はピタッと止まったかと思えばガタンっと音が聞こえそうな勢いで光が灯る皿が落ちた。
「ふむ、問題なさそうですね。正直な所をいえば私自身は彼女を見て限りなく可能性は0に近いと思っていましたしね。」
「それで私とレオ様の関係を確認したんですね?。」
「ほぅ、さすがにわかりますか。えぇそうです。
【妖精】は、重要な保護対象ですから。」
「あぁ~、質問なんだが・・・
妖精を連れていることが罪になるのか?」
その質問にセアは目をパチクリさせて、受付嬢も驚いた表情を示す。最後には二人で目を合わせて再び目をパチクリさせてからセアはレオに問う。
「君はエルフ族と人間族との条約について知らないのかい?
妖精に関しても?」
「俺たちは【ここじゃない遠い場所】から来たんだよ。ここに着いたのも今日だし。だからそういうところは疎いんだよ。」
「い、いや、だが・・・」
「ギルド長、ですが知らなかったのであれば彼らの言動にも納得できます。」
「た、確かに。まぁいいでしょう。
レオくんの質問に答えると、連れているだけなら罪にはなりませんよ。」
「その言い方の理由が先ほどの検証なんですよね?
つまり、妖精に【強制的な仕事をさせてはならない】と。」
「えぇ、あなたのいう通り、えぇと・・・」
「すみません、レイ・キューレと申します。レイとお呼びください。」
「ありがとう、レイさん。
妖精にはそれぞれに合った性質と場所で仕事を行います。その力は強大で枯れた土地を緑溢れる森に変えた、なんていう話もあるほどです。まぁですが大概、その手の大きなものは妖精ではなく格上にあたる【精霊】の力によるものですが。
ですが人を越えた力を持っていることに変わりはありません。そんな力を己のためだけに使わせようとする悪いやつらは何処にでもいるもので、妖精が多く住むエルフの国から密猟する者が現れ対処に困ったエルフ側が【精霊魔法】による支援を行う代わりに妖精に対する法を作ってほしいと持ちかけたのです。
断る理由がありませんでしたから交渉成立したのち妖精保護法をが生まれたのです。」
「で、妖精を強制的な命令で仕事をさせてはならないと。」
「えぇ、その通りです。ですがたまにですが、妖精自ら特定の人物に尽くそうとする者もいるためこうして確認をしているのです。」
「これで疑いは晴れたってことだよな?
なら、すぐに登録してもらってもいいか?
あと、今手持ちがないから一緒にこの魔石を換金してほしい。
『次元収納』」
魔法を発動し、しまってあった魔石を取り出す。
「オーガの魔石8つ分、銀貨2枚にはなるよな?」と普通に話を振ったはずなのに返事が返ってこなかったことを不思議に思い周りを見るとさっきまで微動だにしなかった手練れ二人すらその表情を変え驚愕していた。
「く、【空間魔法】?」
受付嬢が囁くように呟く。それが引き金になり一気に爆発する。
「あ、ありえない!【空間魔法】を詠唱破棄など聞いたこともない!
そもそも人ができるうる次元ではない!」
「初めて見ましたよ、空間魔法自体をね。それに加え詠唱破棄とは・・・」
「あわわわわわ・・・」
「へぇ~、こいつは・・・」
始めに声を挙げたのは2mほどの大男で、見た目通りの重低音が響き、それを追うようにギルド長の声が続く、受付嬢に至ってはすでに言葉になっていない。最後は出入り口に立つ男から興味を持ったような言葉に加え、笑みが浮かぶ。
そんな皆の姿にレオとレイは(あぁこの世界では毎回こういう反応を受けないといけないのか)と嘆いていたのであった。