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異世界で最強底辺な俺の気ままな武器貯蔵  作者: 津名 真代
第三章 ボルバック諸島国
70/125

68.これからの・・・



68、69話同時投稿のためご注意ください

ルフィンを離れてウェルフィナ国の国境付近に差し掛かる場所に一つの馬車が走っていた。かなりしっかりした荷台は、小さな小屋を丸々乗せたほどの大きさほどあり普通ならば2頭以上で引かなければ動きそうではないが、引く馬は筋肉隆々の黒馬1頭だけである。


「クレイ、今日はここまでにしよう」

「(わかりました、我が主)」


まだ日が傾き始めたばかりの時間であるがリビングでキューレと一緒にソファーでくつろいでいたレオは今日の進行を終わらせる判断をする。そんなレオにいち早く疑問を浮かべたのはキューレだった。


「まだお昼過ぎだぜ?」

「わかってるよ。ルフィンを出る前に話したやつをやろうと思ってな」


馬車が止まったのを確認してか、エリカも自室からリビングへと出てきた。


「馬車が止まったみたいですけどどうしたんですか?」

「エリカが出てきたから早速行くか」


質問を無視されら挙げ句、何処にいくのかすら教えないレオに対しエリカは疑問の表情で突っ立っていた。


「クレイ、お前も道場の方に来てくれ」

「(御意)」


クレイに一声掛けるとレオはさっさと二階に上がっていった。残されたエリカは未だに突っ立ったままである。


「おらっ! 行くぞ」


エリカはグッと背中を押されあわや倒れそうになるのを必死に抵抗しどうにか体制を立て直す。そのまま後ろを振り返り、押した張本人に抗議する。


「危ないじゃないですか、キューレさん!」

「ほぉ~始めに会った時よりも体幹が良くなってるな」


キューレからのほぼ初めてと言ってもいい素直な誉め言葉に、こかされそうになったことなど忘れエリカは笑顔が浮かべる。


「まぁあれだけ普段からボコボコにされつつ吹っ飛ばされてたら、嫌でもよくなるか」

「うぐっ、誉めて落とさないでください」


そんな会話をしていると外扉が開きクレイが人間タイプで入ってくる。


「エリカ嬢、姉御、何をなされているので?」

「あぁちょっとエリカをからかってたんだ」

「またですか。エリカ孃これでも繊細ですからやりすぎは注意だと主様が言っていましたよ」

「クレイさん、ありがとうございます。でも、例えレオさんの受け売りでも一言余計です。【これでも】とは何ですか、【これでも】とは!」


助けたようで自然と心をなじるようなクレイの発言にエリカは抗議する。


「そんなことよりクレイ、前にも聞いたが何であたし【姉御】でレイの奴が【奥方】なんだよ?」


抗議するエリカを無視しキューレがクレイに問う。その後ろでは「そんなことって・・・」と何やら悲しそうな声が聞こえているが二人とも見て見ぬふりである。


「深い意味はありません。ただ適切だと思われる敬称でお呼びしているだけです。一応主様にも確認は取りましたが〈まぁいいんじゃね?〉とにこやかに言われましたので今の状態になりました」

「(あぁ~それはもしかして・・・)」


無視され意気消沈のエリカだったがクレイの話を聞き、別の意味で顔を暗くする。その原因は一つ、質問した張本人の額に青筋が立っているからだ。


「あの野郎、絶対面白そうだから許可しやがっな!!」

「キューレさん落ち着いて、落ち着いて~」


キューレの腰にしがみつきどうにか押さえようとするエリカだが「うがぁああ」と暴れるキューレに抑えるどころか振り回されていた。


「クレイさん、手伝ってくだ、うわああああ」

「どうして【姉御】は怒られているのか・・・わからない」


クレイは目の前の惨状を前に思考モードに突入する。


「誰かどうにかしてくださぁい」


そんな悲痛な叫びが届いたのか先に二階に上がったレオが階段から顔を出す。


「おいおい、上ってくるのにいつまでもかかって・・・ 何してんだ?」


一階の惨状に呆れたように呟くレオに三人の視線が一斉に向けられる。


「レオさん!」

「レオ!!」

「主様」


ほぼ同時に名を呼ばれたレオは嫌な予感を覚え、逃げるように二階に戻ろうとするがそうは問屋が卸さなかった。


「待てゴラァ!」


いつの間にかエリカを振りほどいたキューレによってレオの頭は脇に抱えられギチギチと締め付けなれている。


「い、痛い痛い、痛いって!」

「大人しくしやがれ!」

「分かった、分かったから離してくれ」


どうにか締め付けから解放されたレオはソファーに腰を落ち着かせエリカから話の概要を聞くことができた。


「あぁ~確かにそんなこと言ったなぁ」


その一言でキューレのレオへの目付きが変わる。


「あ、いや、確かに面白そうとは思って言ってはみたがレイもキューレもいまいち反応ないから別にいいかと思って、な?」

「(レイの奴ばかり、ずりぃじゃんか・・・」

「ん?何か言ったか?」

「な、何でもねぇよ!」


レオの言葉に自身の心の声が漏れていたのに気づいたキューレは顔を軽く赤くしながら言い放つ。それと同時にレオへ向かって放たれた拳を寸でのところで避けることに成功した。


「それで主様、どうして姉御は怒られていたのでしょうか?」

「お前は別にも学ぶことが多そうだな・・・」

「はい、精進致します。それで何をするために呼ばれたのですか?」

「おっと、そうだった」


クレイの質問に対し手をポンッと叩きすぐさまレオが立ち上がる。


「エリカ、クレイ」


それぞれの名前を呼び、何かを見抜くような真剣な表情で見つめる。そんなレオの視線に二人は知らず知らずのうちに緊張感を漂わせる。


「んな警戒すんな。詳しくは上に行ってからだ。

キューレにも手伝ってもらうからな」


そういうと再び二階へと上っていく。それを今度は寄り道せず全員がついていくのだった。




さぁ修行じゃ!

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