5.最強底辺 レオ・スフィア
さてレオの力が今!
日は完全に昇りきり陽気な雰囲気のなか王都へと向かうレオたちが姿があった。馬車の周りには5人の騎兵がおり、辺りを偵察しながら先行するように走っている。馬車の中にも非常事態に備えて数名の兵が待機する。他の兵の多くは交代の時間が来るまで各々休憩を取っていた。
その中で1つ、食料や備品などを乗せた馬車の中に3人の人影ある。いや、正確に言えば人間2人に妖精1人。エリカ、レオ、レイである。
「どうしてこの馬車にエリカさんが?」
「そうだよな。なんでわざわざここに乗ってくるんだよ・・・」
「い、いえ、二人を王都まで連れ行く約束だったのに、馬車や馬との兼ね合いのせいとはいえ、このような場所に追いやるような形になってしまいましたので。も、申し訳ありません。」
「いや、いいから。その話は既にエリネアで済ましたし、俺らはキチンと了承したし。」
「そうです。それに戦士長であるあなたがここにいてもよいのですか?」
レイの一言にうぐっと、うねり声をあげると白状するように話を続ける。
「私は戦士長に任命されてからまだ一月足らずの新米戦士長でして、未だ部下の皆さんの名前すらキチンと覚えていないのです。そして部下の皆さんに迷惑をかけることが多く、今回の任務にしても私がもう少しまともに指揮ができれば、今以上の実力があれば、あんな悲惨な事にはならなかったんじゃないかと・・・。」
今まで戦後処理などによって後回しにしてきた後悔というなの不安の種。今だからこそ、戦士長として部下の命を背負っているのだという重みを感じている。決して覚悟がなかった訳ではない、がそれでも気が無意識に緩んでいた。自分の実力の過信、エリの森の奥から強力な魔物は出てこないという思い込み。そんな意識を持っていた自分が許せないのだ。
「でもお前はあいつら守るためにサイクロプスを引き付けたんだろ?
サイクロプスはどう見てもエリカより格上であり、 そのまま戦えば確実に全滅してたはずだ。」
「そうですね、森の中で見つけた彼らの多くは虫の息ではありましたが、どうにか生きていましたし、近くには2体とはいえオーガを倒していたのですから。」
「恐らくだが、エリカが逃げ、サイクロプスが移動したからオーガの大半は移動を開始したんだろう。 まぁそこで村を見つけて襲いかかったんだろうがな。
だがエリカ、あんたが動かなければ少なからずあの村は全滅してた。ならあんたの行動は間違いじゃなかったはずだ。」
「そうです! それに後悔ばかりするならその時間に強くなればいいのです。」
「てなわけで、この話は終わりな。」
一方な考えであり、それは結果的にそうなっただけのことである。だが、今のエリカには救いであった。その言葉に、慰めのための言葉ではあるが確かに感じる力強さに、だからこそ疑問に思ってしまう。どうしてそこまで強いのか、今まで募ってきた思いが無意識に言葉にでる。
(なぜそこまでに強いのか)と
「強いか・・・ そうだな、時間もあるし話してもいいか。
あんたにはさんざん聞かれたことだからな。
【俺が何者か】。 これから話すことを信じる信じないは自由にしてくれ。」
レオは、自分達が異世界から来たこと、自分達の世界にはレベルという概念があること、強さを極めた者が神への戦い呼ばれること、自分が神殺しを成したこと、簡単ではあるがエリカに説明する。
「そ、それではレオさんは、か、神を殺すほどの強さだということですか!?」
「それに関しては本人から聞いてくれ。レイ、頼んだ。」
「え?レイ、さん?」
「はい、私は神の地位に居たものです。今ではレオ様と共に行動する身になっていますけど。
さて、エリカさんは少しばかり勘違いをなさっているので説明しますね。神との戦い、向こうの世界では【神の暇つぶし】と呼ばれています。その言葉通りに神たちにとってあくまで遊びなんです。
そのため、全力ではなく相手と対等に近い力までに力を落とします。でなければ、神たちに勝てる訳がありませんから。
それに神側は負けて消滅してもいくらかの歳月をかけて復活もできますからね。」
「つまりだ、勝てない勝負じゃないってことなんだよ。」
「ですが、すごいことに変わりはありません。元の世界?では最強の冒険者になれたのですから!」
話を聞き少しばかりはしゃぎ出すエリカを他所にレオは深く沈んだ暗い表情をしていた。
「俺以外にも2人、神殺しを成したやつがいる。そいつらにあの世界の俺は絶対に勝てない。
それに・・・、【なれた】・・・か。違うんだ、エリカ。成るしかなかったんだ。俺の生まれ持つ異能のために、な。
生まれ持つ異能【完全魔法式保存】と呼ばれる能力。過去に例がない、この能力は簡単に説明すれば視認、または解析したすべての魔法を無意識に脳に刻み込むというものだ。」
「そんな能力聞いたことありません・・・。
ですがそれが本当ならあらゆる魔法を扱えるということですよね?
それこそまさに最強の力のように思うのですが?」
「こんな力にデメリットがないと・・・思うのか?
視認することでも強制的に脳に刻み込まれる、確かに聞く限りは強いだろうが・・・。人間の脳に記憶できる量に際限がないと思うか?
無いわけがない。それでも増え続ける魔法式は、当然本人を蝕み続ける。まだ4、5歳の時、俺は高熱を出した、それは1ヶ月にも及び死ぬ一歩手前まで行き途端に止んだ。それから俺は魔法が使えなくなった。簡単な魔法すら、だ。理由は簡単、脳への記録が出来なくなり始めたことで能力が暴走、魔法式を分解し記憶の隙間に詰め込むように記録した。そんなことしたら当然、脳への負担が大きくなり、なおかつ刻み込まれた魔法式がバラバラのせいで魔法の発動自体を阻害する。」
レオの言葉にエリカは自分の発言が軽率であったことに気がつき口を閉ざす。だがそれでも沈黙に耐えれず、そして話の続きをしりたいがために声を出す。
「ですが、レオさんは今、魔法を使えていますよね?」
「あぁ、先にも話したがあの世界ではレベルがすべての基準になる。だからこそ、一般人でも最低限のレベルを上げるんだ。初めてレベルが上がったときに気がついた。レベルを上げることで脳への負担が軽減されることにな。
だけどな、レベルアップで肉体が強固になればなるほどに能力は、新たな魔法を脳に刻み込む。そしてレベル10なったとき、また高熱が出た。それは1週間と今回は短く、それが収まれば魔法が使えるようにはなってたよ。
ただし、威力に準ずるものが一切存在しない魔法がな。
この能力は魔法を発動させるために威力に関係する魔法式をすべて消すことで余白を開け式をキチンと組み直したんだ。
俺が魔法を使うときに武器持っていたのを覚えているか?。あれは、本来威力が全く存在しない魔法に『性質変換』の式を組み込むことで金属の強度を威力に変換してるからだ。
つまり、それがなければ俺の魔法は一切なんの役にも立たないってわけだな。そんな奴と共に冒険をする奴も居なかったし。
だけど今ではこの能力に感謝してるよ。レベル50を越えた辺りだったか?。また高熱が出てなさすがに肉体も常人より強くなったからか、熱自体には問題はなかったが期間がまた1ヶ月と長かった。それが終わったあと、俺は初めてこの能力に感謝したよ。
起きたことは、すべての魔法の完全簡略化だ。つまりすべての魔法を無詠唱にて発動が可能であり、それ以降は簡略化されて記憶されたからだ。
まぁそれでもいつ能力が暴走するか分からないから俺は俺の行ける所まで上った。で、気づけばこんなところに居るわけだかな。」
「凄まじい人生だったんですね・・・あれ?。
でもそのわりには見た目はかなり若そうですが・・・。」
「あ、あぁこれもレベルという概念のおかげさ。」
「確かにそういえなくもないですが、正しくないですよね?
より正確にいえばレベルにより肉体を強固にする概念に時空間魔法を合わせてある一定の年齢に調整している、です。」
「そ、そのようなことまで出来るのか!。世の女性が喉から手が出るほどにほしい魔法じゃないですか。」
「これが出来るのはレオ様だけですけどね。脳に刻まれた魔法だからこそ、自然に体内循環する魔力から必要最低限だけを取り、その他に支障がない段階になっているのです。羨ましいですよね~。」
さっきまでのレオの話は何処へやら、二人の女性がわいわいと楽しそう?にレオの若さの秘密に関して討論していた。
その最中に一瞬、敵意を感じたレオであった。
レオの年齢に関して書いたことあったかな?(低脳
まぁいいか!(投げやり
第1章?が終わったあとのストーリー進行をアンケートで決めたいと思っています。
活動報告にてアンケ枠作ります。良ければどうぞ!
ちなみに選択肢は
1、エルフ国へ 2、ドワーフ国へ
です!
まぁまだまだ第1章続きますがね・・・ww