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異世界で最強底辺な俺の気ままな武器貯蔵  作者: 津名 真代
第二章 ウェルフィナ国
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61.最後の手段

無駄な抵抗はやめなさい!

神の中にも地位が存在する。トップに立つのは【創造神】。世界そのものに干渉することも、新たに作り出すことすらできる。その下に来るのが【神王】と呼ばれる神だ。

レオたちの元の世界には二人の神王がおり、【聖天】と【邪覇】と呼ばれている。その下に【最高神】、【中級神】、【下級神】と続くのだ。


「(無駄な抵抗を・・・)」


レイは顔色を変えないまま心の中では悪態をつく。先ほどから何度も繰り返し行われた攻撃。タイミングや組み合わせは違えど代わり映えのない無意味な攻撃の数々。絶え間なく続く攻撃を払い続けること数分、この間にレイが行った攻撃回数は0。決して攻撃する暇がなかったわけではない。


「まだ、続けるのですか?」


はじめは泥神だけを使い攻撃していたスアだが今では共に攻撃魔法を繰り出している。それでも今ではレイに攻撃が当たるどころか半径2mの範囲に余波が届くことすら無くなっていた。

これが剣や格闘での戦いならば防戦一方であるレイが不利にしか見えない。だが魔法では、今のレイの力では関係は逆転する。

次第に攻撃の手数が落ちていく。それに比例するようにスアに畏怖の念が浮かび上がっていた。魔力も体力同様に限界があり、それは守護精霊だろうと神だろうと関係ない。


「(なぜ?なぜなの!? 何故あれだけの魔法を使い続けて魔力に衰えを感じないの!?)」


レイの魔法の数々は属精霊によって作られたものである。それをレイが位置等を魔力で誘導しているだけなのだから消費魔力などたたが知れている。だがそんなことスアには知るよしもない。


「なら、これで! 『混幻乱夢』」


スアの魔法が発動した瞬間、空が暗闇に包まれる。たがどういう訳か光は今まで通り届いているようで視界に問題はない。昼間の空が雲に覆われている、そんな感覚に近い。

変化したのは空だけではなかった。いつの間にかスアと泥神の姿が視界から消えていた。


「これは・・・」

「「ふふふ、あはははは」」


至るところから響かせながらスアの笑い声が聞こえる。


「「これが私の本来の力。もう貴方が私を見つけることは叶わない。だ・か・ら、とっとと死になさい」」


途中まで楽しそうな声が、最後には怒気をはらんだ声に変わる。

そんな声を無視しながらレイは右手に魔力を集める。だが失敗したのだ。


「「あははは、無駄無駄。貴方の感覚は今、私がコントロールしていると言っても過言じゃない。だから真っ先に魔力回路を狂わせたの」」


レイは気にせず魔力を集め続けた。魔力回路から始まり、少しずつ自身の体の感覚すら狂わされているのがわかる。左手を上げようとすれば右足が沈み、右足を上げようとすると左足が上がる。


「くっ」


ドサッと音ともに受け身すら取れないままレイが倒れた。


「「ふふふ、間抜けな姿ね。最後にいいものめ見れたからこれで本当に、終わりよ!」


暗闇の空に無数の巨岩が現れる。空に固定されるように設置されたそれらは自身の順番を今か今かと待つようだった。


「だから言ってるじゃないですか、私は苦手なんですよ・・・ 【精神干渉】系の魔法は」


空に浮かぶ巨岩がスアの掛け声と共に一斉に落ちてくる。そんな光景を見ながらレイが呟いたのだ。


「手加減を間違えたら取り返しがつかないですからね。まぁ今回は手加減はいらないですけど、ね!」


レイは地面に倒れたまま体中からありったけの魔力を放出する。何処か一点に集めれないなら、場所など特定しなければ今までとなんら変わりないと考えたのだ。

巨岩が迫る中、どんどん高まる魔力に空が悲鳴を上げる。ピシピシと音を発てて暗闇にヒビが入る。


「(もう少し)」


ヒビを確認するとさらに魔力を解放する。天にまで届きうる魔力と共に暗闇が砕け散る。そこには元の空が広がっていた。

すぐさま体の様子を確認する。


「戻ったみ━━━」


完全に言葉を言い終わる前に巨岩がレイに降り注いだのだ。


「レイさん!!」


エリカが悲鳴じみた声を上げる。


「あはは、まさか膨大な魔力だけで強引に私の幻術を破るとは・・・ ですが、間に合わなかったようですね」


━━それは流石に早計でしょ?━━


スアは驚き声のした方に顔を向ける。声の発信先は紛れもなく巨岩の中から、そう感じられたからだ。


━━邪魔ですね、はっ!━━━


ドンッ!と勢いよく巨岩が弾け飛び中からレイが姿を現した。レイの周りには4つの魔方陣が展開しており、それが四方を囲むんでいる。


「『四方結界』、単純な結界ですがその分展開が早いのがとりえです」

「レイさん、よかった・・・」


エリカの声に気付き、顔を向けて微笑む。声には出さないが大丈夫だと伝えるとスアに向き直す。


「あ、ありえ、ありえない」

「だから言ったはずです。こんな幼稚な魔法では私を倒すことはできませんよ、と」


スアは震えていた。レイの力は強大で今この場では勝つことができない。それが理解できた。理解できたから━━━。


「さぁもう大人しく捕まりなさい」

「ふ、ふふ、あははははははは!」


急な笑い声にレイは多少身構える。


「貴方が悪いの、私の邪魔をするあなたが! だからもういいわ。【次】でいいの。神を呼ぶ方法も、手に入れる方法もわかったのだから! じゃ、頑張ってね?」

「一体何を? ━━━!」


真っ先に【それ】に気がついたのはレイとレオだった。それから遅れてカラの分霊、クレイ、エリカが気付き、最後に族長と姫が気づく。

スアの先、後方に控えるようにいた泥神からこれまで以上の魔力の高まりを感じた。それもそのはずだ。泥神自体が自身の魔力の高まりに耐えきれず所々から体を突き破り、魔力が溢れだしていた。


「イィィィィィガアアアアアアアアイイイイイ!」


泥神自身ですら魔力を抑えようと体を丸めて必死に抵抗しているようだが、それがかえって膨張の手伝いをしているようだった。


「あははははははは! 早くしないと全員まとめて死んじゃいますよ~ さぁ早く早く」

「あ、あなたは!!」

「私のことなんて見ている時間があるんですか?ふふふ」


一瞬スアに目を離した隙に泥神はもう限界に近いまでに魔力が膨れ上がっていた。このままでは大爆発し、この場にいる人間だけでなく守護領地すら簡単に壊せるだろう。そうなればパストーゾの村も、場合によればルヒィンの町すら被害にあう可能性すらあった。

もう時間はあまり残されていなかった。

こうなったら爆弾を爆発させてやる!


こんな感じ?

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