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異世界で最強底辺な俺の気ままな武器貯蔵  作者: 津名 真代
第二章 ウェルフィナ国
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47.神の地

大切な宝物は・・・

マリとレオ達が会議場から出たあと、エリカとクレイは未だにその場に軟禁されていた。ティアナとマユナが監視の眼を開かせている。


「ちっ!」

「クレイさん、落ち着きましょう?」

「わかっている。何より我が主の命だ、従う。 だが・・・」


エリカとクレイの二人であればこの場を強引に出ることも出来るがレオ達が待てというなら心配は要らないと二人とも理解できている。だがそれでも常に監視され、敵意を剥き出しにされて平常心で居られる人物などそうそういないだろう。

そんな張り詰めた空気の中に一人の男が入ってきた。ダークエルフで初老の男性。肉体は細目だが不思議な圧力を感じさせる。


「ティアナ、マユナ、戻ってきたなら挨拶に来ないかぁ」

「ぞ、族長・・・?」

「おうおう、お客人もこんな場所じゃ暇だろ?

一度外にでも出るかい?」

「ま、待ってくれ、親父! こいつらは!」

「落ち着けマユナ。姫さんが【緑】に向かった。

なら、そういうことだ、問題も心配もない」


族長である男の言葉にマユナはそれ以上反論せず従う。


「うちの義娘たちが失礼したな。まぁ詳しい説明は後でするとしてとりあえずはここから出るとしよう」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



マリにつれられてレオ達が向かった先はパストーゾの村の奥、石で出来た小さな鳥居がある場所であった。


「ここから先の事は他言無用でお願いします。

今からいく場所は先程レオさんが仰った通り、【聖域】の中でも特別な場所、神の地に最も近い場所【守護領地】。

これより先は人の世界ではありません。自分自身を見失わないように気を付けてください」


それだけ伝えるとマリは1mほどの鳥居に手をつきながら鳥居を押すような形で前に進む。すると手が鳥居をすり抜けると同時にマリが消えた。

レオたちも同じように鳥居に手を当てると、石の鳥居から魔力を吸われているような感覚が襲う。一瞬視界がブラックアウトしかと思えば、次には眩しいほどの光に教われ視界を取り戻す。


「うっ・・・くぅ、ここ、は・・・」


視界に飛び込んできたのは先程の鳥居ではなく花畑と洋風庭園、その奥には立派な神殿のある光景だった。


「ここが【守護領地】。神自らが作られた不可侵の場」

「凄いな、こりゃぁ・・・」

「はい、中々高位の神なのでしょうね」


レイがそう結論付けた理由はこの場にある自然そのものである。

花や木々、川に至るまでが常軌を逸脱していた。木々の緑はまるでエメラルド、花はルビーやトパーズ、川はサファイアのように濃く鮮やか色ですべてが彩られていたのだ。まるで宝石箱の中だ。


「この場では時間の概念がありません。おそらくこの景色そのものを残すためなのだと思います」

「で、なんでここに?」


質問を飛ばしながらもレオは木々や花、庭園を見て回る。


「守護精霊様が連れてきても良いと言われたからです」

「・・・もしかしてさっきから居たその妖精ですか?」

「え!? あ、はい」


レイの言葉にマリが驚きながらも手を前に出すと無から手のひらサイズの妖精がマリの手の上に現れる。


「彼女は我が国の守護精霊【カラ】様の分霊になります」


ここでの分霊は自身の分身に近い意味である。強大な力を持つ守護精霊だからこそ力を抑えた形にはなるが自分自身でありながら全く別の意識を持つ存在を生み出すことが出来るのだ。主な目的は自ら動けない時に分霊越しに様子を伺うこと。


「彼女があなたたちをここに、と。

どうやらレイさんが分霊に気づいたことが原因のようです」

「私、ですか?」

「はい、私がマリに頼み此処へとお連れしました」


幼いような、でもどこか大人びたような声で、カラの分霊たる精霊が頭を下げる。

そんな中、レオだけが奥の神殿に足を踏み入れていた。


「単刀直入に聞きます。

レイさん、貴方もどなたか高位の精霊の分霊ですよね?」

「「え?」」


声をあげたのは二人、マリとレイだ。


「私の大元となる守護精霊カラは【光の精霊】。

そして私にもその力の一部が使えます」

「・・・なるほどです」


つまりレイがやった光を使った、視界を歪める方法の常時発動型を使っていたようだ。


「貴方には私が見えていた。それも初めからですね?

それができるは私と同等以上の実力があるものだけです」

「それで私が誰かの分霊だと・・・

でもどうしてわざわざここに?」

「私の存在は例えダークエルフの方であっても知られるわけにはいかないので・・・」


時が止まったかのようなこの場では二人の小さな妖精の声もそれなりに響いていたため神殿探索中のレオにも大まかには話の流れが伝わっている。


「ここならば私たち以外に誰も来ることはありませんから」

「なら、もしここに私たち以外の誰かが居れば、それは招かざる人ってことですか?」

「・・・まさか!?」


今まで自分と目線を合わせて話をしていたレイが目配せのように視線を送る。その目線の先は庭園の奥にある小さなテラスの影。


「(これは、まさか・・・)」


そして神殿探索をしていたレオも何かを見つける。


「そこにいるのは誰ですか!」


レイは声と共に魔力を放つ。放たれた魔力は周囲に広がりあらゆるものに影響を与えた。この場にある有りとあらゆるものに。

レイの魔力に呼応したのか、宝石たちはさらに濃く、綺麗な輝きを放ち出す。ついでにレオも神殿から外へと出てきた。

凄まじい魔力に逃げ切れないと踏んだのか、隠れていた人物が姿を表す。マリとカラの分霊は知らない、がレイには見覚えのある人物。


「お? あんたは確かエール王国の第1戦士長じゃないか?」


そう、そこに居たのはエール王国第1戦士長、ツリナだった。

しまっちゃおうねぇ~

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