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異世界で最強底辺な俺の気ままな武器貯蔵  作者: 津名 真代
第二章 ウェルフィナ国
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44.協力者

くっ! 万能扱いか!

レイは空想メガネをクイッとあげ、人差し指を差し棒代わりにピンと立てている。


「人種や亜人種など、周りの状況を確認する際に主に【目】を使う生き物に取って【まばたき】は重要な行為になります。まばたきには三種類あり、簡単に言えば【無意識】か、【反射】か、【意識的】かですね。そして1分間の平均回数は15~20ほどと言われてるようですが、何かに集中している際には回数が減ります。これに関しては説明は要りませんよね?」


先生モード継続中のレイが周りを見渡しながら確認する。

マユナも大丈夫そうである。


「はい、では続きいきますね。回数は減っても【しなくなるわけではない】ですから必ず視界を一旦切ることになります。とは言ってもまばたきなんて時間にして0.1秒から長くても0.3秒ほどですから普通は【隙】や【油断】になんてなりえません。

ですが、【光】の速さであればそれは十分すぎる【隙】になり得ますよね?

さらにまばたきの機能として目の保護は勿論ですが、【物体の像のボケを修正する】というものがあります。ピントを合わせて物をキチンと見るためです。

もしそこを阻害された視界は歪みますよね?」


先生モードを維持しつつ少しは悪魔的な雰囲気を漂わせながら質問する。今の発言だけでそれがどれだけ危険か理解できているものが多かった。

今はまだピントをずらす程度で済んではいたが、これを本気で行えば、ピントを永久的にずらせるということ。つまり視界を奪われると同義であり、最悪は失明すらありえる。

そんな恐怖を理解し皆が黙る中、レイはいつものような先生モードに戻る。


「まぁさすがにそこまではしていませんけどね。

ただまばたきの瞬間に私の周りの光を屈折させることで実際の位置と視認する位置をずらしただけですから」

「それに終止視界を歪めていたのはティアナだけだろ?」


質問をしたのは今まで黙っていたレオだった。


「さすがレオ様です!

その通り、基本的にはティアナさんだけです。そこの双剣使いはあの【突撃】の一瞬だけですね」

「全員に終止視界を歪め続けるのは何がなんでも難しいからな」

「はい。それだけに集中しなければなりませんし、それをするぐらいなら幻術の方が楽ですからね」

「「「(集中すればできるか)」」」

「お見事です、主様、奥方様」


そんな会話をしていると気づけば街の外壁、結界の側まで来ていた。周りにはすでに人っ子一人おらず、レオたち6人だけとなっていた。


「どうにか間に合ったか・・・」


ティアナは結界を見つつ息を吐くように呟く。


「さて、ここからダークエルフの村、我々の拠点へと向かう。

そして我々の拠点は協力者以外誰にも知られるわけにはいかない。故にもう一度問わせてもらいたい。

協力してくれるか? 出来なければここから先は・・・」

「依頼内容は聞いた、了承もした。あとなにかいるか?」


レオが代表するように依頼受理を再度口にする。他の皆もここまで来て帰るつもりなどないようで、ついていく気まんまんのようだ。


「協力感謝する。ではついてきてくれ」


そういうとティアナとマユナは迷わず結界に入っていく。本来外敵から守るはずの結界なのだがすんなりと二人を通す。二人をあとをレオを先頭に追い結界に次々と触れていった。

何事もなく結界を抜ければそこは街の外にある森の中であった。


「これも【幻惑魔法】なんですね」


結界を抜けたエリカが口にする。


「日別と時間で一時的に結界に穴を明けて貰っているのだ」

「そうじゃねぇとうちらは中には入れないからな」

「その辺の説明もしてくれるんだよな?」


ダークエルフを街で見かけなかった理由、隠れすむようにしなくてはならない理由、そしてここまでしながらも街に行かなくてはならない理由を。


「はい。だがひとまずは急ぎ村に向かいます。

我々を同族と【あなたたち以外の】協力者が待っていますから」

「ここからは【道】は無いから急いでいくぜ。遅れんなよ」


そういうとマユナはティアナと入れ替わり偵察も兼ねて先頭に立つ。


「私が殿を務める。極端に列から外れない限りは大丈夫だ」


そんな話をしているとマユナは既に森の奥へと進んでいた。ティアナの指示で最低でも10mほどの距離を保ちつつマユナのあとをついていく。

似たような地形に加え、樹木が他のそれとは違い、どれもこれも大樹であるために足場が安定しない。にも関わらず慣れた道なのだろう、空を飛ぶようにマユナは次から次へと木々へ飛び移る。

レオはレベル100の身体能力を活かし、マユナのあとを苦もなくついていく。レイは空を飛べるので問題ない。問題なのは後続二人。

エリカとクレイである。木々から木々へ飛び移る練習などしたことなどなく、力加減すらわからない。そのため更に不安定な足場を走り、追いかける。


「皆さん身軽すぎです」

「くっ! 主の後を追うような形になるとは!

【変身】の許可さえあれば・・・」

「(【へんしん】?)

大丈夫だ。十分ついていけている。前だけ見ずに足元にも注意しろ」


あれからどれ程だろうか、方向感覚すら鈍りそうな程に森を進むと一本の大樹の前でマユナが動きを止める。レオもそれに合わせ10m手前で止まる。少しして三人も追い付く。全員がいることを確認すると後ろの大樹を親指で指差しながら声は出さずマユナは全員を呼んだ。二本の大樹が絡まり一本の巨樹の根本に皆が集まる。


「ここが【拠点への入口】だ」

「とは言っても複数あるうちの一つってだけだがな」


マユナが指差し示す場所は巨樹に出来たアーチ状の根元。二本の大樹により作り出されたアーチはそれだけで2mほどの大きさになっている。


「ここ、ですか?」

「大丈夫だ、エリカ。くぐってみればわかるさ」


マユナを先頭に今度は列になりアーチをくぐる。すると、先ほどまでの大樹の森が歪み、まるで霧が晴れるように霧散したかと思えば閉ざされていた光が身を包んだ。

光に慣れ、目を開けばそこは小さな集落があり、レオたちを出迎えるように一人の女性が待っていた。この場では不釣り合いな彼女は、薄手の淡い青のドレス、金の長髪に簡素なティアラを付けたどこから見てもお姫様のようなエルフである。


「お待ちしておりました。ゆっくりしていってくださいね」


満面の笑みでのお出迎えだった。

実際なんでもあり(になりがち)な精霊・妖精

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