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異世界で最強底辺な俺の気ままな武器貯蔵  作者: 津名 真代
第二章 ウェルフィナ国
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38.怒り収まらず

慣れって恐い

ごほんっ

レオは仕切り直しと言わんばかりに咳払いを一つした。あれからレオはもとの位置へ、エリカも隣に座るようにソファに移る。クレイだけが未だに警戒してるのか、それとも従者故の対応なのか、レオ達の側で立ち控えている。


「つまり、依頼に来たそこのお二人が実力を見たいからと武器を構えた所に、クレイさんが乱入、レオさん達が襲われていると勘違いしたクレイさんがお二人を攻撃したところを取り押さえたと」


簡単にだが、エリカは説明されたことをまとめ、口にする。


「それで間違いない」

「はぁ~、クレイさん・・・ まず根本が間違えてますよ。レオさん達を正面から襲うとか意味ありませんし、奇襲したとして笑って対処します」

「・・・あれ? エリカ、遠回しに俺らのことバカにしてないか?」

「いえ、バカにしてるわけではないですけど、それぐらい私からしたら差があるという訳で・・・」

「ならそういうことにしておくわ。

さて、騒がせたみたいでごめんな?」


レオは依頼人二人に謝罪する。


「いえ、我々の方こそ・・・」

「話を戻そうか。俺たちの実力を知りたかったんだよな?」

「いや、それはもう問題ない。先程の動きで貴殿の強さは少なからず理解できたつもりだ」

「なら俺たちにそちらの実力を見せてくれないか?」

「なに?」


挑発にも聞こえるレオの発言に短剣使いが声をあげる。自分の発言で起きた不穏な雰囲気を感じたレオは意を話す。


「いや、挑発とかじゃないんだけど・・・ あんたらあれだろ?

一週間前ぐらいにエルフの兵達に追われてた奴だろ?」

「なぜ、そう思う?」

「あんたが持ってきたその【弓】、あの時チラッと見たやつと同じやつだからだ。【黒曜石】で出来た弓なんてそう多くあるわけないし。」

「なら、わかったうえで我らの依頼を受けたのか・・・」

「そう、俺にはそこら辺は関係ないからな。で、そんな奴らの依頼で実力を聞かれるってことは相当ヤバいことやるんだろ?

例えば・・・国を相手にドンパチするぐらいの、な」

「・・・」


顔は見えず無言ではあるが、そこには固い決意を感じられた。


「そして、戦いになればあんたらとも協力して戦う場面があるはずだ。そんなときそっちの実力がわからないんじゃ連携どころか作戦も立てられない。だから見せてほしいんだ・・・

それに最初から実力を試すつもりだったんだからそれなりの手練れが来てるんだろ?」


ここにいる誰もがわかる、レオの最後の一言は明らかな挑発であることを。そして依頼者側からすれば、それを断れば自分達の実力を卑下されることを。


「・・・」


それでも無言を決め込んだ。ある理由故に・・・


「気にしてるのは時間か?」

「・・・ッ!」


ズバリな答えに多少の動揺を示す。


「どういうことですか?レオさん」


エリカの問いに答えたのはどうにか冷静さを取り戻したレイだった。


「エリカさん、考えたらわかることです。あの方達はわざわざ【人払いの結界】を使用してここに来ましたよね?」

「は、はい」

「つまり、【極力他人と会わない】よいにしている。いえ、よく具体的にいうなら【ルフィンのエルフに見られない】ようにしているということです。

そして、ここはウェルフィナ国唯一の冒険者ギルド、ここはいつでも人で溢れる場所、そんな所に長時間【人払いの結界】を使えば、逆に自分達の存在を教える行為になりかねない。それを恐れてるんです。なんせあの方達は【追われる身】ですからね」

「レイ、少し口が悪いぞ」

「言っていることに間違いはない」


何やら悔しさを含む声と共に握られた拳には怒りも見える。


「つまり、ここに長いはできない。それに実力を見るにしてもここじゃ狭すぎるし戦うには不向きだ」

「ならギルドの演習場にでも行くんですか?」

「こいつら連れてそんなとこで戦えば目立つだけだろ?

だ・か・ら、あそこ行くぞ!」


ニヤリと笑いながらレオは行き先をあえて言わないで皆を案内し出す。まぁそれも、依頼人を除く全員はすぐに理解できた。

なんせ着いた先は、レオ達が泊まる宿の荷馬車倉庫だったからだ。ここルフィンの宿には多くの旅人が集まる。そこには商人はもちろん、旅人も多く、その殆どが荷馬車を使うため宿にはそれぞれ荷馬車倉庫が設置されているのだ。

そんな倉庫内にレオ達の荷馬車があり、そこに皆を集めた。


「まさか、街の外へ出るのか?」

「街の外で暴れたって目立つのは目立つだろうが・・・」

「いや、目的地はここでいいんだよ。さぁ中に入ってくれ」


荷馬車にあるドアを開き、レオが先に中にはいる。その後をなんの抵抗もなく他三人も入っていくため、依頼人も渋々中に入っていく。


「な、なんだこれは・・・」

「ありえねぇ・・・」


中に入り見たものは、ソファや絨毯、リビング、キッチン、トイレに風呂、個室に至るまで有りとあらゆるものがそこにある空間である。しかも、入り口の横には二階に上がる階段まである。どう考えても荷台の広さと【中】の広さが合っていない。


「あぁ、あれが普通の反応なんですよねぇ

慣れてきた自分が、少し恐いです・・・」

「三人ともなにしてんだ? 目的地は二階だぞ?」

「あ、はい。今いきます」

「ハッ!我々も行くぞ」

「は、はい」


二階に上がれば今度は道場がありこちらも中々の広さである。

再び放心する二人にエリカは仲間を見つけたような眼差しを向けていた。


「ここでなら暴れても外にバレることはないから安心してくれ」

「こ、これはそこの【妖精】が作った空間なのか!?」

「いえ、私じゃありません。ここはレオ様が用意された空間です」

「な! き、貴殿が!? つまりあなたは【精霊魔法】が使えるのですか!?」

「精霊魔法? いやぁ?」

「ですが、これは精霊が身や【聖域】を守るための魔法!」

「あぁなるほど。そういう意味でいうならそうだな。

正しくは【精霊魔法】じゃなくて【時空間魔法】と【結界魔法】だけどな」


パンッと手を叩き話を進める。


「さて、ここでなら多少のダメージなら問題ないし、即死じゃないなら対処も出来るから心配はいらない。思う存分やってくれ」

「ではレオ様、先程の話のように私が行ってきます」

「あぁ頼んだ」


未だに動揺したままの二人にレイが忠告する。


「分かっているとは思いますが二人いっぺんに来てくださいね?

じゃないと意味がありませんから」


その言葉に二人の雰囲気が真剣なものに変わり、三人が道場の中央でにらみ合う。もうすぐ戦いの合図がなるだろう。

なか~ま、なか~ま!

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