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異世界で最強底辺な俺の気ままな武器貯蔵  作者: 津名 真代
第二章 ウェルフィナ国
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35. ウェルフィナ国

どこもかしこも活動中

馬車による優雅な?旅を続けて、早二週間あまりが経ちウェルフィナ国の国境を通過した。

妖精や精霊と共存するエルフの国だけあって今までの見てきた土地とは比べるまでもないほどに綺麗な自然で溢れかえっていた。


「もうウェルフィナ国に入りましたね」

「エール王国から普通は一月ほどはかかるはずなんですけど・・・」

「まぁ途中で立ち寄った村や小さい町じゃ、買い出しだけですぐに出てるし、それにクレイが不眠不休で馬車を漕いでたからな。

馬車を止めるのも、訓練や魔物を倒すときぐらいだけだったし。」


クレイは、【デュラハン】と【エティン】を【魔獣融合】で作り上げた【魔獣】であり、その肉体は【デュラハン】、つまりアンデッドであるため、睡眠を必要としないのである。知能や魔法適正は【エティン】から引き継いでいるため、魔法を使うことも出来る。まぁ今はまだ成長途中という訳でたいしたものはできない。


「クレちゃんもある程度は力を付けましたよね~」


魔物を狩る際はエリカとクレイに任せていたため、今ではエール王国を出る前よりも力を付けいた。その証拠にクレイは初め2~3mあった巨馬の姿から普通の馬より少しデカイ、くらいにはその姿の調整が可能になっていた。もう少しすれば自在に大きさを変えられるぐらいにはなりそうである。

しばらく走ると大きな森が目の前に広がってくる。木々の一つ一つが大樹であり、木々からのこぼれ日でキラキラと輝いている。

大地はがっちりとしていながらも栄養が行き届いていることが人目でわかるほどだ。


「あの森の中心に白い建物が見えてますよね?

あれがウェルフィナ国の都市、ルフィンの議院館です。

エルフは妖精や精霊と共存しているため、認められ、【妖精つき】、【精霊つき】になったエルフが議員に選ばれ政治を行うみたいです。王族もいるんですが、政治に参加する条件は平等で、議院館の決定を覆すだけの権利もないようです。」

「立憲君主制か。

まぁ関わるようなことも無いだろうからいいけど・・・」

「レオ様? 情報は少しでもあるにこしたことはないんですから少しは意識してくださいね?」


レイのいつものおかんっぷりが発揮される最中、馬車は次第と森へと近づいていく。すると、クレイが馬車の速度を落としていく。


「(我が主、先の森、道の外れに何やら殺気だった気配があります。)」


クレイに言われた方を、馬車の荷台の窓から見れば全身をマントで隠し、顔すら分からない3、4人の不審者とそれを追う10人程のエルフ兵士の姿があった。不審者たちは木々の根や泥土など、足場の悪さにも関わらず、凄まじい速さで森を駆ける。むしろそれを利用しながら相手を巧みに翻弄しているのを見るに森においての追いかけっこに関しては地の理があるのだろう。

兵士の方もどうにか付かず離れずで食らいついている。その要因は、兵が使う馬にあるようだ。馬と表現はしたものの、馬というには体は小さく毛は全身に生えている。グリフォンの毛並みの馬という雰囲気だ。

見た目によらず中々の機動力と俊敏性で、普通の馬なら走れないような悪道を軽々走り続けていた。

そのまま距離が縮まること無くさらに森の奥へと進む。逃げている側の殿の一人、肩に掛けている細長い袋が木にあたり中身がチラりと見える。黒い鉱石か何かで作られた綺麗なそれは、一部しか見えなかったが、レオの興味を引いた。

最後に殿が一斉に弓を放ち、それを合図に全員が散り散りに散会していった。


「うーん、あれは・・・、でも遠目だったからなぁ」

「(主? どうかされましたか?)」

「(いや、何でもない。もう大丈夫みたいだし進んでくれ。)」

「(御意)」


再び馬車は走り出し森の中へと進んでいく。


「なにやら物騒でしたね・・・

治安が悪いとは聞いたことないんでけど」

「あの手のやつらはどんな平和な国にも一定数はいるものですよ。

表だって動いているか、水面下か、それぐらいの差です。」


女性陣の話からなにやら面倒なことに巻き込まれそうだとレオが嫌な予感を募らせつつも馬車はルフィンに向かって進む。

ルフィンを囲む森の中は、木々が生い茂っているにも関わらず不思議と暗さを感じさせない。さらにルフィンへの道に沿うように淡い光の球のようなものが一定の間隔で浮かび道を示している。


光の球に従い、道を進めば、ルフィンの入り口が見えてきた。

森の中心をくり貫いたかのようにいきなり開けた場所があり、そこが丸々町になっている。

町を囲むような壁はないかわりに、薄い半透明な膜のようなものが町を囲んでいた。遠目からでは解らないようになっていたのか、森の外から見えた議院館すらキチンとその中に納めている。


「結界魔法ですね。」

「結界魔法?」

「はい、妖精や精霊が身を守るためや隠れるために使う魔法です。基本的に彼らはこれらの魔法を駆使して人間に見つからないようにしていますから」

「今回の場合は、隠れるんじゃなくて【守る】を優先にしてるみたいだな。膜のように薄く見えるが、そこいらの城壁より強固な壁になってるな。」


入国審査をすんなり済ませ、ルフィンに入る。町の中も外の森に負けず劣らずの綺麗な町並みである。木々をそのまま利用した建物や、しっかりと作られた建物など、さまざまな建物が混在はしているがどれも一様に言えるのは自然と調和されるように建てられていることだ。


「思ったよりも近代的だな。もっと自然がむき出しなイメージがあったけど・・・」

「レオ様、それは私たちの方のエルフの話ですか?

あちら側のエルフも森と生き自然を尊びますが、こちらとは違い自力で自分達のテリトリーを守るため、こちらよりも危険が多いのです。なので時折、野蛮ではありますが誰もが勇敢な戦士なのです!」

「レイさん、なんだが熱いですね・・・

私も初めてルフィンには入りましたが自然を大事にしてることが一目でわかるほどに他と比べて緑豊か町ですね」

「さて、とりあえず宿でも探してそのあとは・・・冒険者ギルドに行くか」

「少しは町も見て回りませんか?」

「最近は訓練しかなかったしな。

まぁ何にしても先にやることやってからってことで」


そんなこんなでルフィンでの行動を開始する。

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