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28.新たな目標

第一章終了!

エルティダイト鉱石とは、妖精、または精霊が管理、育成する大地において稀に発生する色とりどりの鉱石である。細かな条件は未だに解っていないが妖精や精霊の魔力と、それにより豊潤に育つ大地とが混ざり合い出来るため、鉱山などは存在しない。その代わりといっては何だが条件さえ合えばどんな場所からも発見されるため、ある意味無限の資源なのである。

エルティダイト自体の特性としてまず挙げるべきは、魔力を内包していると云う点である。そう、鉱石と云われているがきちんと分類するならば魔石なのだ。そのため、様々な恩恵もある。

まず始めに強度、これは内包する魔力の総量に比例する。だが鉱石にまで形作るほどの魔力量であるため、最低でも鉄以上ある。中にはオリハルコンを越える物もあるとか。

次に魔法の触媒としての効果である。この世界において最高級の触媒であり、銀以上に魔力の通りがよい。さらに良いものには自身の魔法を増幅させる物もある。


「と、まぁ私が知っているのはこのぐらいですね。

で、これのなにが今後について大事なんですか?」


レオはエリカの話を一言一句聞き逃さない真剣な表情を浮かべながら、うんうん頷いていた。


「次の目的地」


さも当たり前のようにさらっと返事をしたレオに、レイはやれやれと頭を軽く振っていた。

エリカは逆に驚いたような表情を浮かべながら、今度はエリカが真剣な表情でブツブツと考え出した。


「エール王国離れる・・・そう、いつまでも・・・でも・・・

するには・・・なら!・・・いや、皆に迷惑が・・・」


小さな独り言なので気にしなければ聞こえるようなものではないが、さすがに急変した様子を見かねて恐る恐るレオが話しかける。


「お、お~い。大丈夫か? 何かあったのか~?」

「――! だ、大丈夫です! あ、私、用事があったので失礼しますね。」


と、一目散に逃げるように場を離れ、残された二人は互いをみながら首をかしげた。


-----------------------------------


あれから数日、レオの周りは忙しい日々が続いていた。国王からオリハルコンの用意が出来たと連絡があり、王城に向かえば、先客がいた。ギルド長、セア・ナルーカナである。レオの登場に待ってましたと云わんばかりに国王と共に出迎える。

国王からはキチンとオリハルコン50kg受け取り、帰ろうとしたレオに待った!をかけるはギルド長である。ここぞとばかりに取り出した小さなカードのような物にはレオの名前とランクAと書かれている。

レオの疑問に嬉々として答えるナルーカナの話では、以前渡せなかったギルドカード、今回の実績と貢献度を加味してランク付けした物を持ってきたため受け取ってほしいというものである。

ちなみにランクはD~Sまであり、ランクSが最上位となる。

ランクSの条件は、各地域間においてランクAを数年保有したまま、ギルドまたは、国への貢献度によって与えられる。いわば名誉職である。なので実質、ランクAとSには大差はないが、大事の時は経験則などからSが実質のトップになりやすい。

話をさらに聞いていくと、このランクAはあくまでもエール王国のギルド長であるセア・ナルーカナが認めたというだけで他国おいては意味をなさいこともあるらしい。ただギルド間であれば、本人証明や最低限の実力の証明になる。そしてレオにとって唯一ともいえる利点は、自身の好きな依頼を好きに発注できるようだ。

本来、冒険者は既にある依頼から選ぶため、報酬も仕事内容も選ぶことは出来ても、好きに変えることは出来ない。だが報酬や仕事内容も自身で設定でき、依頼受け付け審査も要らないために、いつもとは逆に一般人が直接依頼をしに来ることになるのだ。

レオからすれば魔物倒し、魔石を手に入れるだけで食うに困らないこの世界にとって、報酬が金銭だけの依頼に興味は無い。だからこそ、自身で選べるということに魅力があった。

頭の中で今後のプランを考えながらも一通り話が終わったの確認し、最後は逃げるように王城を後にしたのだった。


その後のレオはエール王国から東に馬車で一月ほどの位置にある次なる目的地、エルフの国、ウェルフィナ国に向かう用意を着々と進めていた。先の戦いでしばらくの間、困らないだけの金銭を手にしているために、しっかりとした物を取り揃えている。まずは食料品である。

レオの『次元収納』には時間の概念がないため、劣化などの心配もないため大量の食料品を買い込んでも心配はいらない。ただしその要領には限りがあり、現在、装備類で3分の2以上を占めているため、食料もそこまで入るわけでない。だがそれでも大の大人3、4人程度でも2週間はもつであろう量である。

次に、日用品だが、こちらはそこまで大した量はない。防寒対策やテントなど生活の上で必要不可欠なものだけを取り揃える。

そして最後に必要な物は、移動のメインとなる馬車である。

荷台自体は選り好みしなければ格安の物もあるためにそこまで困りはしないが、馬に関してはそうはいかない。安い馬は、何かしらの不調があることか、老いた馬が多いため、荷馬車を引くとなれば力の強く若い馬となる。そうなればかなりの値になってしまうのも仕方のないことである。

レオも初め、荷台は最高級のものを用意し、次に馬を買いに来ていたのだが、納得のいく馬が見当たらずに悩んでいた。


「うぅ~ん・・・ 微妙だな・・・」

「若い馬はいますが筋力は並み程度ぐらいですね。」

「これじゃあ無理だな。」

「どうしますか、レオ様?」


ダメだと言いながらも馬がいないことには荷台の意味がないために妥協しようかとレオが考え、座り込んだときに、カチャンとポケットの中のものがぶつかり合う。中のものを手探りで確認したあと、「あっ」一言声を挙げると、今度はニヤニヤしながら店をあとにしたのだ。

そして、次の日、準備を全て済ませたレオとレイは新たな地へと向かうためにエール王国の東門にいた。


第一章終了?

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