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1.異世界でのはじめての行動

ここから異世界でのお話です。

深き森の中を一心不乱に走る者の影があった。森の中は昼間だというのにあたりは薄暗く、道を知らなければ迷ってしまうほどだ。それでも迷いなく走り続けている。あたりに人は無く、森を走る人物は真紅のような赤い髪に全身真っ白な鎧を着ているがところどころにひびや傷がつき、鎧にはかなりの血を被っており戦闘があったことが読み取れる。


-あはぁ、あはぁ・・・早く!早く知らせ、ぅ、ないと・・・-


息を切らしながらも足は止めることなく深き森を走り続ける。


ー----------------------------

気づけば森の中にいた2人にはあせった様子はなく、普段どおりに落ち着いた様子である。


「はぁ~結局何もわからないままに飛ばされてしまったか・・・

で、ここは本当に異世界なのか?」

「異世界かどうかは・・・ですが見たことない場所なのは確かですね。空気に含まれる魔素の濃度が薄く感じます。」

「魔素が薄いか・・・まぁ問題はないだろう、てかそれが問題なのはレイだけだろ?それにいざとなったら力業になるんだろうしな。」

「ですから!力業をするのは私ではなくもう1人のほうであって、って話聞いてるんですか!?」


レイの話をさくっと無視してレオは空中を指でなぞるように動かし始める。はたから見たら何もない宙に指を動かし続ける変な人が出来上がっている。だがレオの目にはしっかりと自分のステータスが見えている。

名前:レオ・スフィア レベル:100 状態:異常なし

装備品:護法の鉄ナイフ3本・功魔の鉄ナイフ3本・激滅の鉄剣2本・銀のブレッド4つ・魔導補助リング6つ

現在地:???の森 特技:魔導 称号:神殺し

などの内容が表示されるのである。


「確かに異世界みたいだな・・・、現在地の情報が森しかない。」

「だからそういってるじゃないですか。疑ってたんですか?」

「自分の目で確かめただけだ。ステータスで表示される現在地はその場所の知識があればどこであろうと名前が表示されるからな。ないってことは知らないってことだし。」

「さすが世界を渡り歩いたソロリストですね!」

「おいおい、レイ・・・それはさっきの腹いせか?

いやぁ悪かっt・・・ん?」


嫌味ったらしくいうレイにたいしてどこかやれやれといった感じにレオが反応したとき、数m先より人影がみえた。森の奥からガチャガチャと音を立てて1人の女戦士と思われる人物が駆けてくる。その後を追うように森の影から2mを軽く越える1つ目の鬼のような魔物が姿を現す。頭には一本角をはやし手には大きな丸太のようなものを持っており丸太には血のりがべったりとついている。口元は気持ち悪いほどにニヤけており狩りを楽しんでいるように見える。


「(人と妖精?)!?、あなたたち早く逃げて!!」

「サイクロプスのようですね、レオ様どうされますか?

なんなら私がやりましょうか?」

「『視認分析』開始(・・・なんだこれは?)

いや、ここは俺がやるよ。あの神のせいでせっかくのやる気が行き場をなくしてたところだからな。

それに、レベル表示がぶれてる。まぁサイクロプスってのは間違いなさそうだし大丈夫だ。」


そういうとレオは一歩踏み出し目の前に迫ってくる女戦士に注意するように話しかける。


「おい、そこのやつ早くそこを離れろ。巻き込まれても知らないぞ。」

「私の話をきちんと聞いていなかったのですか!相手はサイクロプスなんですよ!騎士クラスの戦士が隊を組んでやっとなんとかなる相手なんです!」

「(ニヤッ)『土縛封印』(コネクト)『圧衝岩爆』」


レオが功魔のナイフを1本取り出し魔法名を唱える。サイクロプスの足元を魔力によって練り上げられた土魔法が絡みつき動きを止めた瞬間に左右の地面がサイクロプスを余裕で飲み込めるほどに大きく割れたと思えば、そのまま挟み込むようにせり上がり岩の中に完全に捉える。岩につぶされたはずだが、まだ生きているのを証明するように岩の中から、ドガッ、バン!という音が聞こえるが音が響くだけで岩はなんともなくその場にあり続けている。

そして2つ目の魔法が発動した瞬間、大岩はまるで全方位から押しつぶされるようにその姿を圧縮していき、大きさが半分以下になったあたりで耐え切れず爆発する。サイクロプスは跡形もなくなり削られた地面だけが残された。

それを確認し終えたとでもいうようにレオの手に持っているナイフにひびが入り、砕け散る。砕けたナイフを見ながらレオはため息をつき、女戦士はその光景に唖然とした表情を浮かべている。


「あ、耐え切れなかったか~。仕方ないか、結構使ってたし。それに魔導も問題ないな。」

「あ、あ。あなたはいったい・・・今の魔法はⅡ界式呪文?

しかも詠唱破棄であの威力ってうそでしょ・・・?」

「まぁレオ様なら簡単なことですね。それにあれくらいなら私にもできますよ?」


女戦士は目の前で起きたことを処理できていない。国が警戒しなければならないほどの魔物を相手にしながらまるで緊張した様子もなく、むしろ自分の魔法の調子を確認する物差しにする始末である。


「(この人たちであれば・・・)

わ、私はエール王国国軍第3戦士長。エリカ・A・マルベスと申します。

あなたの力を拝見させてもらった上で依頼したい!

どうか!お願いがあります!この近くにある村を守ってもらえませんか!!」


「「え???」」

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