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15.最強の称号

男同士の熱い戦い、開幕!

「『肉体強化Ⅲ』!!」


合図とともに先行を切ったのはジャヴァである。魔法の発動後、間髪入れずにレオに接近する。二人の距離は15m近く離れていたにも関わらずその距離を一瞬にして縮め、勢いそのままにレオに一閃を向ける。レオはこの間、一切の動きも見せていない。

それを不審に思いならがも、止まる事なく剣をふりおろす。

剣が間近に近づいてようやくレオが動く。両手を軽く握った状態ですばやく両腕を頭の真上辺りまで持ち上げる。

だが根本的な解決にはなっておらず剣は両腕の間を通るように頭を正確に狙い斬る、はずだった。

剣が両腕を過ぎる直前、ガキンッ!とジャヴァの剣は何かに当たり遮られる。

ジャヴァが驚いた表情を見せ何かを見つめている。その目線の先、レオの両手には先ほどまでなかったはずの短剣が2つ、双剣として握られており、それがジャヴァの剣を完全に押さえているのだ。


「(いったいどこから!? それにこの金属?は・・・まさか!)」

ジャヴァは直ぐ様レオの両腕に付けられた防具を確認する。たがそこには防具ない。

そして握られている双剣は、籠手と同じガラスのような半透明な金属である。先ほどと違うのは半透明のなかに数本の蒼い筋が全体に流れており、辿った先には、双剣の鍔と柄の間にある銀の魔方陣へと繋がっている。


レオはジャヴァの剣を弾くように反らすと、お返しと云わんばかりに攻撃に出る。


「『炎双十華』」


双剣に炎が纏わせる。左の横払い、右のふりおろしによる十字を描くような攻撃に魔力を乗せ炎の斬撃が飛びジャヴァを襲う。


「剣は・・・(間に合わないか、ならば!)」


剣での迎撃を瞬時に諦め、左手を鞘に伸ばし逆手持ちの状態で抜き取るとそのまま鞘での迎撃に移る。が、ただの鞘程度に防ぎきれる訳もなく一瞬受けとめるのが精一杯であり砕け散る。

だがジャヴァにとってはその一瞬で十分である。

直ぐ様、『肉体強化』により右に避けると同時に一度レオとの距離を離す。

崩れた体勢を戻しながら次手のために動き出すと、同時に一瞬光が目に入る。得体の知れない恐怖を感じ、無意識に頭を振るう。

次に目に入ってきたのはさっきまでジャヴァの顔があった場所に半透明の武器がいる光景である。

今回は先ほどとは違い、2mほどの細長い棒状で先だけが剣の形になっていた。双剣と同様に数本の蒼い筋がはいった槍の姿に変わっている。

レオによる槍の初撃を避けれたものの、さすがに武器のリーチ差に悪戦苦闘を強いられる。突きをかわせば払われ、払いを弾き距離を縮めように一瞬にして戻された穂先により突きが襲う。

たとえ突きが来なくとも弾いた反動を利用され剣先とは逆側による払いを受ける。

槍を壊そうにも見た目以上の強度があるようでジャヴァの一撃に傷一つついてはいない。


「(さっきの双剣の時点でわかってはいたが・・・異常なほどの強度だな)」

【剣道三倍段】無手が剣を持った相手と戦うのに三倍の段位が必要であるという意味の言葉である。槍対剣においても同じような事が言えるだろう。相性の良し悪しとはそれだけの差を作るのである。


「埒が明かない。(仕方ないの・・・)」


ジャヴァは襲い来る槍の払いを軽く弾くと同時にレオに向かって再び接近する。

レオはジャヴァの強引な行動に違和感を覚えたのか近寄らせまいと突きを繰り出す。ただし普通の突きではない。


「近寄らせるかよ。『雷槍-閃-』」


槍が雷を纏いバチバチと轟音が響き、敵を貫く稲妻が走る。槍を回転させることで雷と合わさり貫通力をさらに高めた一撃に成り代わる。

ジャヴァはそれでも構わず突っ込む。稲妻が腹目掛けて襲い来る中、かわす素振りすら見せない。腹を抜かれる直前、左腕を強引にねじ込み盾変わりにし無理矢理左側に軌道を換える。


「(腕一本ぐらいくれてやるわ)」


ダメージが肉体から精神に変換されているとはいえ痛みが消えるわけではない。だがここでこの選択を迷いなく切ることが出来るのが第2戦士長でありガルバ・D・ジャヴァである。

左腕を激痛を耐え抜き待ち待ったレオが目の前にいる。今までの分と云わんばかりにがら空きの懐に剣を振り抜く。

バチンッという音と共にレオの顔が僅かにニヤつく。ジャヴァはこの時初めてその姿を見る。

レオが持っていた槍の蒼い筋が強く光出すと一瞬にして姿を変える。今度は最初の籠手と同じような形状になる。違いは各指の間に山なりの突起物が出来ていた。さながらメリケンサックと籠手を混ぜ合わせたような形状が両腕に精製される。


「(武器の精製が早すぎる! 誘われたのは我の方だったか・・・)」


だがこのタイミングで剣を止めることは出来ないために吸い寄せられるようにレオの右腕の籠手にあたり弾かれる。それと同時に今度は逆にがら空きになったジャヴァの懐目掛けて左のフックが襲い来るが半歩下がりギリギリで避ける。

だがこれにより再び体勢を崩される。こんなチャンスをレオが見逃すわけがない。


「吹き飛べ『風拳爆烈』!」


右手には凄まじいほどの風が発生している。さらがら小さな竜巻が絡み付くような光景であり、それを躊躇いなく右ストレートと共に打ち放つ。


「(これほどとは・・・)出し惜しみしている場合ではないの」


ジャヴァは剣を盾に攻撃を受けとめるが武器がそれに耐えれないことを理解し、魔力を剣に纏わせることでなんとか持ちこたえようとする。だが竜巻の威力の凄まじさにそれすら危険と判断した。

手応えを感じていたレオは竜巻が消える前に追撃の体勢を取ろうとしたとき先ほどまで勢いよく攻撃していた竜巻が真っ二つに裂かれ消え去る。

驚きの表情と共にレオの目に映ったのは白い光を纏った姿のジャヴァである。まさに神聖な雰囲気を放ち神々しさすら感じるが放たれる威圧感が先ほどとは尋常じゃないほどに大きく、レオは冷や汗を流す。


「さてここからが本番。我の全力、受けてみよ!」

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