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異世界で最強底辺な俺の気ままな武器貯蔵  作者: 津名 真代
第三章 ボルバック諸島国
123/125

121.探し物

2話同時投稿です。

話数間違えに注意してください。

光満ちる地下空洞にジンチュとハイズーがいた。

その光は、火やマグマを連想させるようなオレンジや赤のような光色ではなく白や薄い水色のような色の光だ。

空洞には天井や壁から幾つもの結晶体が浮き出ており、大きいものでは人間大から小さなものなら小石程度まで大小さまざまな結晶体の部屋である。

それと同時に、寄り添うように淡い青光を放つキノコや苔のようなものが壁に繁殖しており、そこから生まれた光を結晶体が反射し増幅させることで一層明るい部屋を作り出していた。

そう、ここはジンチュたちが初めてレオたちと出会った場所であり、風神に奇襲された場所でもある。


「ハイズー、急ごう」

「ガウゥ!」


ジンチュがハイズーに一言かけると一人と一匹は直ぐ様行動に移る。

二手に別れて、地面や岩影を注意深く見て周り出した。


「これは・・・違う。こっちは・・・」


一つ一つ丁寧に探りながらジンチュは吟味を重ねて何かを探していた。


「グル、ウ・・・バゥ? ハァ・・・」


ハイズーもジンチュと同じく何かを探している様子である。

大岩や瓦礫など人では動かせないような物をその巨体を使い退かしていく。


「ハイズーどう?」


作業の手を止めてジンチュはハイズーへと顔を向ける。

それとほぼ同時にハイズーもジンチュへと顔を向け、そのままの勢いで首を大きく左右へ振った。


「ここにはないか。やっぱり・・・あっちかな?」


そう呟くジンチュの視線の先にあるのは風神が叩き割ってできた大穴である。

大穴を見つめるジンチュの表情は非常に複雑な顔である。

「でも行くしかないか」と心に決める。


「ハイズー、行こう」


ジンチュはハイズーの背に跨がるように乗る。

それを感じ取ったハイズーは大穴へと向かい、迷わずその身を投げた。

ドスンッと響くと音とそれに比例する衝撃を受けて、ハイズーもジンチュも軽く呻き声をあげるが構わず探し物を開始する。


「早くしないと・・・」


再び二手に別れたジンチュとハイズーは丁寧かつ素早く瓦礫の山々を見て回る。

だが、やはり先程とは違い、床の崩落時に出た瓦礫が多く、加えてレオが魔法で瓦礫や岩を吹き飛ばしているせいで思うように探索が出来ないでいた。


「違う、違う。これも・・・」

「グウッ! ・・・ハァウ」


探せど探せど一向に見つからず、初めは丁寧にやっていたジンチュも次第に集中力が切れだしイライラが見え隠れし出した。

八つ当たりするように荒々しく岩や瓦礫を退かし、そこに何もないことにさらにイライラを募らせていく。


「クソッ・・・ハァ~」


イライラしていたら見つかるものも見つからないと理解はできている。

たが流れる時間と瓦礫の山々が、焦りを生み出しジンチュに覆い被さっているため落ち着く暇すら与えてくれないのだ。


「何処にある、何処に!

一つでもいいんだ。それさえ見つかれば・・・」


岩や瓦礫を退かし続けるジンチュの手は既に擦り傷や切り傷、爪にも細かい石や土が挟まりボロボロの状態であった。

小さな痛みが絶え間なく続きながらも必死に何を探し続ける。


「バウッ!!」


そんなジンチュの所にハイズーの声が届く。

それはジンチュを呼ぶような声であり、ジンチュはその声に飯能し素早くハイズーの元へと駆け出した。


「ハイズー、あったのか?」

「ガウ!」


ジンチュの問いにハイズーは一鳴きすると視線をとある場所へと向ける。

そこには瓦礫と瓦礫の間に挟まるように細長い金属棒が突き刺さっていた。


「・・・間違いない」


ジンチュはその金属棒を引き抜く。

金属棒はポッキリと折れており、折れた先は見当たらない。

だが、そんな事など気にした様子もなく、ジンチュの顔には喜びと安堵が映し出されている。


「ハイズー!ありがとう!」


その喜びを分かち合うようにジンチュは発見者のハイズーにハグをする。

そのままピョンピョンと軽く跳び跳ねて嬉しさを表す。

ハイズーもつられて嬉しそうに喉を鳴らしている。


「おっと、まだ喜んでる場合じゃなかった」


ジンチュはズボンのポケットからある物を取り出した。

それは半透明な石である。


「レオさんから頂いたこれで・・・ 頼みます!」


祈るような気持ちでジンチュはその石を地面へと叩きつける。

すると、石は簡単に砕け散った。


「あとは、『意思なき物よ、我が声に答えよ。今こそ汝の姿を取り戻し、我が前へと姿を表せ。』」


言葉の終わりにジンチュは折れた金属棒をそのまま上に投げ上げる。


「『武具復元』」


詠唱の終わりと同時に金属棒が空中で固定される。

それと同時に金属棒から無数の光の線が飛び出し、四方八方へと無数に飛びしていく。

光は瓦礫を透過しその奥にある何かにまで届きいく。

すべての光が目的の物に届いた瞬間、今度は光に吸い寄せられるように大小様々な金属片が集まり出し、とある形を形成し出す。


「良かった、本当に良かった」


ジンチュとハイズーの目の前に現れたのは150~160cmはありそうな身の丈ほどの大槌。

そう【バイシィー】である。

修復が終わり、傷一つないバイシィーをジンチュは手に取る。


「よし! 急いで戻ろう、ハイズー」

「ガウ!」


再びハイズーに跨がったジンチュの声にハイズーも全力で答えるのであった。

さぁ彼らのもとへ急ぐんだ

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