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異世界で最強底辺な俺の気ままな武器貯蔵  作者: 津名 真代
第三章 ボルバック諸島国
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109.壁画

新たな発見

「イテテ・・・」


三度目の崩落ののちレオたちは、先ほど見た階段の前にいた。

全員目立った外傷はなく、何人か軽い打撲や擦り傷がある程度である。

だが、クレイだけがぐったりと倒れたままだった。

触手などはなくなり元の(・・)人型に戻っている。


「お疲れ、クレイ。よく守ってくれた」


眠るクレイの体を軽くポンポンと叩きながらレオが労いの言葉を送る。


「蛇龍との戦いで既にかなり疲労していたようですからね」


レイもレオに倣うようにクレイに触れて優しく擦る。


「クレイはしばらく目を覚まさないだろうし、ジンチュも絶賛気絶中のようだな」


クレイのそばから離れるように立ち上がり周りを見てそう判断したレオは最後にレイに視線を向ける。


「じゃ、レイ。二人とあの蛇龍、任せるわ」

「レオ様はどちらに?」

「そこ」


レオが指差した場所はさらに下へと続く例の階段である。


「俺とエリカで見てくる。

だからレイはここで二人の看病と護衛を頼むな」

「・・・」


レオの楽しげな声とは逆にレイからじっとりとした目線がレオを襲う。

どうして私が置いていかれるのか、と訴えているようだ。

だが実際はレイ自身はその理由について察しはついていた。

今この中で回復魔法を使えるのはレオとレイの二人のみ。

加えて、未だに赤岩人からの驚異が完全に消えた訳ではない。

ならば対策としてはどちらかが残るしかない。そうなれば知識面から見るにレオが調査員として進む方が良いのは当たり前の考えである。


「・・・はぁ、分かりました」


諦めたレイはため息一つつき了承する。


「ただし、30分以内に戻ってくださいね!」


レイはレオに迫るように急接近し、人差し指をピンっと伸ばし言いつける。


「わ、わかった。努力します」

「駄目です。絶対30分以内です。

レオ様の努力しますは信用できませんから」

「うっ・・・」


これはレオの悪い癖であるが、楽しいもの珍しいものを見つけると時間を忘れて没頭してしまうのだ。

しかも、レオ自身がその悪い癖を自覚している上に直す努力をしないのもレイがここまで言いのける原因になっている。


「わ・か・り・ま・し・た・ね?」

「はぃ・・・」

「レ、レイさん、私も気をつけておきますから」


エリカのフォローもあり、どうにかレオを許したレイは再びクレイのそばに戻る。


「じゃ、じゃあレオさん行きましょうか」

「はぃ」


珍しい弱々しい姿のレオを連れてエリカは階段を下りていく。

階段の大きさは高さ、横幅共に5mほどとかなり広い。

岩を削って作られた段は、段差が小さく作られているためスロープに近い形である。


「変な作りですね」

「何か意図があるのか? まぁ先に進めば何か分かるんじゃないか?」


進むこと20mほど、広い場所に出た。

高さ・横幅・奥行きすべてが10m、正方形のような場所である。


「これって・・・」


エリカの目に飛び込んできたのは小さな祭壇だった。

いや、祭壇というほど仰々しいものではない。

高さ2mほどの台座とその前に数台の灯りが置かれているだけのシンプルな作りである。

だが、それよりも一際目立ち、目を釘付けするものがあった。


「こんな巨大な壁画がこんな所にあるなんてな」

「圧迫されるような凄みを感じます」


レオが感心し、エリカが少し気圧されるその絵画は部屋一面、天井に至るまで大々的に描かれていたのだ。

そこにある絵は、火山、龍、ドワーフ、そして━━━━━


「この絵のやつ、さっきの岩の奴に似てないか?」

「え? そう言われてみれば・・・」


そこにあったのは部屋の一面の大部分を占める火山に、巨大な大槌を持ったドワーフ、そして火山の真上、天井全体で描かれた白龍と赤岩人によく似た何かが戦う絵であった。

先ほど見た赤岩人と比べると全体がシャープになりより人間らしい姿である。

加えて、風を引き連れるような描写まで書かれている。


「速さを示すためのエフェクト表現か?

確かに見た目よりも機動力はあったからな」


レオはまじまじと絵を見ては考える。


「エリカはどう思うよ?」

「・・・」

「エリカ?」


返事をしないエリカを不思議に思い、一度壁画から目を離してエリカを見るレオであったが、そこで見たのはエリカの驚きの表情だった。

エリカ自身はある絵を見つめ続け、まるで信じられないものをみているかのように驚いている。


「あれは、クリホワ? でも、なんで・・・」


エリカの視線の先は、レオが見ていた赤岩人と戦う白龍である。

その龍は体の一部からクリスタルのようなものを幾つか生やしている。

そう、それはまるでエリカがインチョンチアの中で出会い、自らクリホワと名付けた結晶龍そのものの姿だったのだ。

エリカは何を思う

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