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正八面体な俺は  作者: 爬虫類さん
第一章〈テイマー編〉
5/6

少年と話し合いましょう

たいへん長らくお待たせいたしました。

フィーーーーッ!!

「のあああああ!!」


ただ今絶賛逃走中だぜ!!

「あああああああ!!」

「だいじょうぶですか?」

「止めてくれえええ!!」

「...そうですね。そろそろいいかもしれません。」

そういって、俺は速度を弱めた。

「はあ、はあ、助かった。」

少年も無事にようだ。よかった。

「これだけ離れていれば大丈夫でしょう。」


.......あれ?少年の返事がないぞ?とおもったら、俺を握りしめたままあんぐりと口を開けていた。

「..............ここ、砂漠だよな。」

10秒ほどたって、ようやく口を開いた。

「ええ。見たところ、そのようですね。」

いつの間にか、俺たちは砂漠に来ていたようで、目の前には岩と砂だけの大地が広がっていた。

「あっちから来たんだよな。」

少年が指差すところには、ほとんど点にしか見えない林があった。

「そうです。奴らはきっといまごろ困り果てていますね。」

そういうと、少年は体を震わせて、叫んだ。


「俺は、自由だああああああああああ!!!」


そして、俺を手のひらに乗せて

「あんたのおかげだ。ありがとう。」

そういった。

「いいんですよ、これは私が壊してしまったナイフのお返しですので。」

むしろこれで済むなら軽い。


その後俺らは、岩の上に寝そべって話していた。

「さて、あなたの危機は去ったのですし、自己紹介でもしませんか?」

「っ!?すまねえ、命の恩人なのに自己紹介すらしてなかったとは。」

「まあ、あのときは危なかったのでしょうがないですよ。」

「そう言ってくれると助かるぜ。俺は、ライルってんだ。」

そう言いながら、カードのようなものを取り出してこちらに向けてきた。

「これはなんですか?」

「ああ、そういえばあんたは魔物だったな。これはステータスカードって言うんだ。種族とか強さとかが乗っている。」

よくみると、ステータスが乗っていた。

―――――ステータス―――――

name:ライル(15歳)

種族:狼人族   

状態:部位欠損

 HP: 58/120

 MP:  6/6


 攻撃:60

 防御:72

 精神:90

 速さ:132


【スキル】

・怪力Lv2


「ってあなた!怪我してるじゃないですか!」

「ああ、これは奴隷の時に切り落とされたんだ。『野蛮だ、人様にそんな汚らわしいものを見せるな』って言われて。」

奴ら、許せんな。だが、これは治せるかもしれない。

「ライルさん、もしかすると治せるかもしれません!」

「なんだって!」

「ちょっとやってみます。《パーフェクト・ヒール》」

俺は、集中しながらそれっぽい呪文を唱えてみた。

すると、ライルが淡く緑に光りだした。


数秒後、灰色のケモミミと尻尾を生やしたライルが立っていた。

「本当に、元に戻った.....すげえ、すげえよあんた。こういうのは神官長レベルじゃなきゃできないって聞いたぞ!」

「うまくいったみたいですね。」

「この安定感は久しぶりだよ。あんた、どんな魔物なんだ?」

「すみません、そういえば言ってなかったですね。あのステータスカードってまだありますか?」

「ああ。何枚かくすねてきたぜ。このカードに触れてみてくれ。」

ライルが、カードの上に俺を置いた。

しかし、俺のステータスは現れなかった。

「あれ?おっかしーなー、ステータスカードが壊れるはずはないんだけどなー。」

あ、それ心当たりあるわ。

「それって、道具とかには反応しますか?」

「ん?するわけないじゃないか。そうだったら俺のポケットに反応してるはずだぜ?」

「あー、確かにそうですね。」

「なんでそんなこと聞いたんだ?」

うーん、どうしよう。言うべきか言わざるべきか。

よし、とくにデメリットもないし正直に言っちゃおう。

「ライルさん、知能ある物体インテリジェンスアイテムって知ってますか?」

「ああ、迷宮の奥深くに眠っているといわれる、しゃべる魔道具だろ? .......あ、まさかあんたって!」

「その通りです。魔物じゃありません。」

「マジか!すごいのに助けられたんだな、俺。」

「いやいや、そんなたいそうなもんじゃないですよ」


「ヘクシッ」

「だいじょうぶですか?」

気付けば、すでに日は傾いていた。砂漠の夜は冷えるんだっけ。

「ちょっと寒みいな。」

その時、俺にいいアイディアが浮かんだ。

「少し待っててください。」

「いいけど、何するんだ?」

「家を作ってみます」

「そんなことできるのか?」

「洞窟みたいのならすぐにできると思います。」

「ならあんたに任せるぜ。」


俺に浮かんだアイディア、それは

「空間魔法 《インベントリ》! 召喚サモン純魔石!」

ずうぅぅん

俺の一つに面が変化し、そこからキラキラした物体が出てきた。

「うおお!すげえ!」

「まだまだやりますよ!」

「【称号】魔素の管理者 発動!対象:純魔石、形状変化!」

これで、固いはずの純魔石がいじれるようになったはず。

よし、あとはこれをコネコネすれば.......


「よし、こんなもんでいいですかね。」

完成したのは、イグルーのような形をしたドーム状の家だった。純魔石は異常なほど固いので防犯はばっちりだ。入口なんてついてないしね。あるのは小さい通気口ぐらいだ。

「おお!中はあったかい!」

しかも、火、氷属性にしてあるので中の温度は一定に保たれている。

「これで今日は安心して眠れますね。」

「またあんたに助けられたよ。ありがとな。」

「それじゃ、おやすみなさい。」

「おう、また明日。」


こうして俺の異世界初日の日は終わったのだった。


「........と思ったけど俺生き物じゃないから寝れねーじゃねーか!」



ちなみに主人公が持っている純魔石の量は木星の質量と同じくらいあります。

************

引き続き、かたつむり以下の更新速度で提供いたします。

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