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魔法はイメージ

転生2日目、午前中はギルドでガイルと待ち合わせをし、マウンテンワニの代金150万コインを受け取り、武器屋で剣を買った。


ガイルの持っていたロングソード(マウンテンワニから引き抜く事が出来なかった為、一緒に売却済み)と似たような形状だか、見たよりズッシリとくる存在感、切るというより、叩き斬ってやると思わせるような、太くて力強い刃、何処を取っても私に生涯の相棒と思わせるような剣を手に入れた。

名剣ヤエガシとでも名付けよう。


が、しかし‼︎である。

転生者といえば魔法も重要ではないだろうか?

個人戦では、名剣ヤエガシを手にした今、遅れをとるようなことは無い‼︎、たが、如何に私とヤエガシでも、大勢の敵に必勝とはいかない。

そこで魔法である、遅延魔法は個人戦特化の魔法だと思う、ならば、やはり広範囲に有効な魔法、そうライトニング‼︎も必要だろう。

そこでだ、魔法習得はどこに行けばいい?

図書館に行って魔法の本を探す?いやいやいや、私は24という中途半端な年齢で転生したのですよ、当然、赤ちゃんの頃から魔力が枯渇するまで毎日修行してた、とかの神展開は経験していないのですよ。

でも、転生物って、もう一つの神展開ありますよね、そう、魔法使いの先輩から基本魔法を教わり、転生者の膨大な魔力により基本魔法がとんでもない強力な威力で発揮される、あの展開です。

さて、私の知り合いに魔法使いは?………


実はいました、赤斧のアクスのパーティーメンバー、20代の女性、マギーニャさんです。



という事で、セインはギルドでアクスのパーティーを探す事にした。

受付のウーケさんに聞くとアクスは負傷しているらしく、メンバーは全員休みでそれぞれの家にいるそうだ。

本当はギルドメンバーのプライベートな情報は教えられないそうだが、今度デートしてくれるなら教えてあげるぅ〜とのウーケさんの誘いを快諾し、マギーニャさんの家の場所の地図を貰った。

何故かウーケさんはセインを相当気に入っている、200歳のお姉さんとしては、平凡な日常に波乱を巻き起こす存在に思えているのかもしれない。


マギーニャさんは実家暮らしで、両親と弟の四人家族だ。

平日の午後という事で休みのマギーニャさんしかいなかったが、セインが男前である為、家に入れてくれた。


アクスの負傷の原因は、セインとの勝負で脇腹の骨が折れていたそうだ、あの場では、やせ我慢で颯爽と去っていったが…。

まあ、痛恨の一撃をくらったのだから当然である。


リビングで、お茶をご馳走になりながらマギーニャさんから魔法の基本について教わる。

魔法には、火、水、土、光、闇の4つの属性があり、光と闇魔法はそれぞれの神への信仰が要求される為、神官しか使えないらしい。

因みに、使ったことは無いが、セインの得意なライトニングは光魔法である。

魔法の発動は、自分の持つ魔力を練り上げ、それを具現化すること。

魔力が、自分のイメージした物に変換されるわけだ、暴発を防ぐ為に、ファイア、とか、ウォーター、とか、自分の決めたキーワードを発動のキッカケにする。

大切なのは、魔力の総量と、イメージ力らしい。

基本的に、誰でも魔力を持っているからライターの火ぐらいは出せるが、実戦に使えるほどの魔法を発動出来るのは、200人に1人ぐらいだそうだ。

遠慮を知らないセインは、マギーニャさんに勧められるまま、ランチのサンドイッチまでご馳走になりつつ、真面目に説明を聞いた。

「じゃあ、実際にやってみよー」

マギーニャさんは裏庭に出て、お手本という事で練習用の鉄板めがけてファイアを放つ。

こぶし大の火の玉が鉄板に命中し、小爆発をおこした。

「凄い!マギーニャさんカッケー、最高です」

手放しに褒めるセイン、とんでもなく照れて海の中の昆布みたいにグニャグニャするマギーニャさん。

「セインの前だから張り切っちゃったぁ〜」

何故かマギーニャもセインに好意を持っているようだ。

厚かましいだけの男に思えるのだが……


いよいよセインが魔法を撃つ番である。

かつて筋肉質な神が、オニギリを握ったのを真似て胸の前で魔力を練り上げる。

「すっ凄い魔力‼︎ セイン、私、こんなに大きな魔力、感じたこと無い‼︎」

感嘆の声を上げるマギーニャ。


そうだろうとも‼︎、予想通りの神展開、私がファイアっと言って魔力を解放した途端、マギーニャさんの倍以上のファイアが発動するのは転生する前から決まっているのです。

「ファイアー‼︎」

叫ぶセイン、その手のひらからライターの火の様な玉がヒョロヒョロと鉄板に飛んでいく。

まっまずい…明らかに神展開では無い、無い知恵を絞るセイン、

「延‼︎」

マギーニャさんに気付かれないように遅延魔法を使う。

「ファイア‼︎ファイア‼︎ファイア‼︎ファイア‼︎ファイア‼︎ファイア‼︎ファイア‼︎ファイア‼︎ファイア‼︎ファイア‼︎えーいおまけにライトニング‼︎」

立て続けに10発のファイアと不発のライトニングを発動、鉄板に穴が開いたのを確認してから

「普」

と遅延魔法を解除する。

「凄い‼︎鉄板、穴空いてるし、火の玉というより、セインの手のひらから炎の棒が発射された様に見えた〜、それにセインの魔法ってスピード滅茶苦茶速いね、絶対避けられないよ‼︎」

マギーニャさんからは賞賛されたが……。

「遅延魔法、最強じゃん」

結局、この結論にいきつく寝間着のセインであった。





その頃ギルドでは、昨日のセインとアクスの決闘の話で沸いていた。

「あの、クラスセカンド、赤斧のアクスが一撃でやられちまったてよ!」

「相手の動きが早すぎて見えなかったって」

「その上、相当な男前だって言うじゃない」

「赤斧のアクスを倒した男って、何て名前なんだ?」




「寝間着のセインって名らしいわよ」



……………………………。



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