心境の変化
「お前の勝ちだ、殺せ」
シューティングスターは、喉元に突き付けられた剣を見てセインに言う。
「見逃してくれればいい、悪いのは私達だから、本当に申し訳ありません」
そう言うと、セインはシューティングスターから離れ、猿の剣をテヘペロヘビの鞘に収めた。
「ふん、まさか俺がタイマン勝負で負けるとわな…見逃がすどころか、大手を振って行けばいいセイン、そこのエルフもな」
そう言うと、シューティングスターは飛び去っていった。
ダイアは傷付いた身体でなんとか立ち上がり、ヨロヨロとセインに走り寄る。
倒れそうになったダイアの肩を、セインがしっかり受け止める。
「ごめんなさい、私のせいで…セインごめんなさい」
ダイアはそう言うのが精一杯だった。
「いいよ、あやまらなくてダイアさんが手を出してなくても、結果は同じだったかも知れないし」
セインは優しくダイアの目を見て言う。
「でも‼︎ 私さえ死ねばシューティングスターは見逃がすって言ったじゃない‼︎」
ダイアはセインに訴える。
「嫌だよ、ダイアさんが死ぬなんて…言ったよね、ダイアさんの未来を変えたいって、ダイアさんが死んだら私の望みは叶わない、ごめんね、死なせないよ絶対」
ダイアはセインに抱き付きながら泣いた。
人前で泣けるのって何年ぶりだろう…ダイアはそう思っていた…。
「ちょっと‼︎ セインから離れなさいよダイア」
「そうです‼︎ そこは私の特等席です」
シューティングスターにやられ、意識を失っていたマギーニャとラルラが言う。
「焼き餅か?みっともないなマギーニャ、ラルラ」
ダイアが言う。
怒るマギーニャとラルラだったが、ダイアから初めて名前で呼ばれた事が嬉しい二人でもあった……。
セイン達は怪我の応急処置をして、昼食をとり再出発した。
セインの肩と、長時間抑え付けられていたダイアの傷が酷かった。
しかし、バルが大地母神アースゥの名の下に光魔法ヒーリングを支えた為、動くのに支障がない程度には治療できた。
「ダイアも無茶しないようにな」
治療しながらバルがクギを刺す。
「分かった、すまなかったなバル」
ダイアは素直に謝り、照れて少し微笑む。
バルは驚いていた、素直に謝る事もだが、ダイアの笑顔を見るのは何年ぶりだろう。
「ダイア、何か良い事が有ったのか?」
バルは喜びながらダイアに聞く。
ダイアは顔を少し赤くしながら、嬉しそうに答える。
「ああ、セインが私を一生守るそうだ」
烈火の如く怒り狂うマギーニャとラルラ‼︎
得意技、お茶を濁すのスキルが通用するか不安なセインなのであった……。




