家宝
セインは今、赤斧のアクスと宿屋の食堂で昼食をたべている。
メニューは、塩味の程よいパンと、噛むとガリガリとした食感のウサギ肉のステーキ、見た目が悪いサラダ、プラッチックの香りがするスープと炭酸の抜けたコーラ味の飲み物だ。
セインがむさ苦しい男と二人で食事している理由は、マギーニャの事だ。
ウォーウルフ討伐のあと、ダイアはマギーニャに条件を出した。
私と戦って、力を示せと。
勝負は2日後の朝、ソルの町の南門で行う。
そう、セインとアクスが戦った場所だ。
マギーニャは、セインやラルラの様な前衛がいれば、問題無く戦力になる。
しかし他のメンバーに比べ、力不足なのは間違いない。
マギーニャは今も自宅で魔法の鍛錬をしている。
だが、勝負は2日後なのだ、大して強くなれる訳が無い。
まして、相手はランクファースト、弓神の二つ名まで持っている。
セインは焦っていた、少しでもマギーニャを強くする方法が知りたい。
すがるような思いで、マギーニャとパーティーを組んでいたアクスに相談しているのだった。
「そうかぁ、確かにマギーニャは魔法の才能はあるが、まだ成長途中ってトコだろうな」
「そうなんだマギーニャさんって、魔力の魔法への具現化効率が悪いような気がするんだ、爆炎の杖で少し良くなったけど、もっと具現化し易い道具でも有ればいいんだけど…」
膨大な魔力を持ちながら、ショボイ魔法しか撃てないセインが、小難しい事を言う。
「無い事も無いが……」
「あるの⁉︎」
勿体つけるアクスの言葉に飛びつく。
「ああ、召喚魔法って聞いた事ないか?魔力で魔法ではなくて、魔獣を具現化しちまう魔法なんだが……」
「ソレだよアクスさん‼︎ マギーニャさんに持って来いじゃない‼︎どうすればいいの⁉︎」
「落ち着けセイン、召喚魔法なんて伝説級の魔法なんだ、使うには神獣の力を身体に宿す必要がある。まずは神獣の祠に行って神獣を魔力結晶に封印する、そしてその魔力結晶を飲み込めは神獣の力が身体に宿る」
とアクスが言う。
「神獣の祠って何処にあるの?」
「祠自体は、1番近い所ではソルの丘にある。だか、神獣は神器とか言う武具を持った者にしか姿を現さない、神器なんて本当に存在するかどうかもわからない代物だ…」
「じゃあ、結局無理なのか……」
肩を落とすセイン……。
「拙者は神器で御座る‼︎」
「うおーー‼︎ 剣がシャベッター⁉︎」
手に持っていた炭酸の抜けたコーラ味の飲み物をこぼすアクス。
溢れた炭酸の抜けたコーラ味の飲み物を拭きに来る、宿屋の一人娘ミーナ。
そうです‼︎ ここは宿屋の一人娘ミーナの宿屋だったのでです‼︎
「えっ?サルの剣って神器なの……」
疑いの目で、サルの剣featuringテヘペロヘビを見るセインなのであった……。




