ひさしぶりの俺
村長宅で褒美?を貰ったセイン達は、すぐにギルドへ報告に行った。
夕方だった為、比較的冒険者ギルドは空いていたが、商業や農業ギルドはこの時間が1番混むようだ。
「セインじゃない‼︎ 帰って来たのね」
受け付けのウーケさんが、目ざとくセインを見つけ大声で呼ぶ。
その為
「赤斧に勝ったセインってあの人なんだ」
「マウンテンワニも一人で倒したらしいぜ」
「あの細身でそんなに強いのかよ」
「ハンサムね、天は二物を与えるんだぁ〜」
とか小声で噂する人がかなりいた。
「あれが寝間着のセイン?寝間着じゃないじゃないか」
「何?あの剣、うけるぅ〜」
とかの不本意な声も混じってはいるが……。
マギーニャとラルラを連れ、ウーケさんに依頼書とワードナー村長の手紙を渡す。
「えっ⁉︎キャプテンゴブリン倒したの‼︎ ゴブリンの住処まで壊滅って、貴方どんだけなのよ‼︎」
村長の手紙を読みながら驚くウーケ。
マクガイアを調査に行かせてはいるが、村長は全面的に、セイン達の報告を信じているようだ。
「村長が個人的に褒美出したようね、ギルドの取り分が減るから、あまり良くはないんだけど……まあいいわ、清算するわね」
ウーケは村長の文句を言いながらも、セイン達に報酬を渡す。
報酬は200万コイン、ギルドの決まりでセインが100万コイン、臨時パーティーメンバーのマギーニャとラルラが50万コインの取り分だ。
2人ともセインに全額渡そうとしたが、拒絶された為、有難く受け取った。
ウーケに挨拶して、ギルドを出ようとした時、後ろから声がかかる。
「お前、幸滅のラルラじゃねぇか、またパーティー全滅させるつもりか?」
1人の冒険者の大男がラルラをからかう様に言う。
「本当だぜ、こんな奴と一緒にいたら自殺する様なもんだぜ」
大男の近くにいた太った冒険者が、セインに言う。
よっぽど幸滅のラルラの名が知れ渡っているのか、2人の冒険者の言葉を皮切りに、ラルラを罵る声が至る所から飛ぶ。
小刻みに震えながら、今にも泣き出しそうなラルラ。
「黙れ‼︎ 」
セインが大声で怒鳴る‼︎
「なんだと‼︎テメェの心配してやってるんだろうがよ‼︎」
大男の冒険者がセインに怒鳴り返す。
「心配?ふざけるな‼︎不幸を呼ぶ?全滅する?なんだそれ‼︎ビビってんじゃねえよ‼︎ 俺は死なない、ラルラとパーティー組んで、一緒にいっぱい冒険して、いっぱい笑って、いっぱい泣いて、それでも絶対死なない‼︎ 文句ある奴は出てこいよ……俺が、ブチ殺してやるよ‼︎」
怒鳴り散らすセイン。
一瞬で周りが静かになり、静寂が支配する。
「行くよ?」
優しく言い、ラルラの手を引くセイン。
「うんっ」
甘えるように頷き、それでもしっかりセインの手を握り返すラルラ。
颯爽と、2人はギルドを出て行くのであった。
「ちょっとーお‼︎なんで私を置いていくかなぁ‼︎」
怒りながら2人を追いかける、可哀想なマギーニャ………。




