鍛錬の成果
とりあえず、四日前ぐらいからバーっと書いてみました。
五人の方が読んで下さってるみたいで、本当にありがとうございます。
続けるか悩んでるので、感想を頂けると助かります。
良いクリスマスをお過ごし下さい、あっ‼︎昨日、終わってる……。
私は憤っていた……。
転生前は何時もヘラヘラして、人の顔色ばかり伺っていた。
いつしか、怒りの感情が欠落し、ただ毎日を過ごしていた。
自分を見失ない目の前の快楽ばかり求め、夢や希望を持つ事をしなくなっていた。
憤る……。
こんな感情に成るのは、中学生以来かもしれない。
目の前で武器を構え、こちらを伺っているキャプテンゴブリンを見ると、たまらなく怖い……。
しかし、それ以上に、やり場の無い憤りの感情が、私に奴を睨み返させる。
セインは剣を持つ手に力を込める。
疲労の限界からか?相棒の名剣ヤエガシが、とてつもなく重たく感じるセイン……。
今更である、もともと練習用の剣なのだ‼︎
剛力の男でも、10回素振りすれば大汗をかくレベルの重さなのだから……。
この剣を持ち歩くだけでも大変なのに、この剣を実戦で使えているセインは、異常過ぎる存在である‼︎
先に仕掛けたのはキャプテンゴブリン、左手に持つ片手剣で、セインの首目掛けて突く。
片手剣を名剣ヤエガシで横に弾き、その勢いを利用して一回転し、キャプテンゴブリンの右腹に斬りつけるセイン。
後ろに跳び避けたキャプテンゴブリンは、直ぐ様体勢を立て直しセインに猛攻をかける。
なんとか、かわし続けるセイン、延々と続くキャプテンゴブリンの猛攻‼︎
マギーニャとラルラは冷や汗をかきながら戦いを見守る。
「セイン、かなり疲れてるんだわ、何時もの動きじゃない……」
「そうですね、あのままでは……」
二人とも顔色を失い、強く拳を握り締めている。
セインは、じりじりと後退させられる……。
不意に、ゴブリンの死体に足を引っ掛け転がるセイン‼︎
その刹那、キャプテンゴブリンの強烈な横払いで、名剣ヤエガシを弾き飛ばされ丸腰になるセイン。
迫り来るキャプテンゴブリン‼︎
絶体絶命と思われた瞬間、突然マギーニャのストーンパレットがキャプテンゴブリンを襲う。
咄嗟に避けたキャプテンゴブリンに、今度はラルラが斬りかかり、激しい剣激戦を始める。
「手を出さないでくれ‼︎」
セインは二人に叫ぶ。
「何でですか‼︎」「何でよ‼︎」
二人もセインに叫び返す。
「頼むよ……私が命をかけないとケジメがつかないんだ……」
セインは二人に、懇願するように土下座した。
「馬鹿…」
魔法を練るのを止めるマギーニャ。
「もーっ‼︎」
珍しく怒ったように剣舞を止め、下がるラルラ。
二人とも両目から涙が溢れている。
近くにあったゴブリンの死体から、錆びたシリーズの斧を奪い、ゆっくり立ち上がるセイン。
か、軽い⁉︎
セインは錆びたシリーズの斧の軽さに驚く。
斧が軽いわけでは無い、名剣ヤエガシが無駄に重すぎるのだ‼︎
「オンナニ、タスケラレタカ」
キャプテンゴブリンは吐き捨てるように言う。
「スマナカッタナ、ここからは正真正銘、一対一だ」
セインは、またも、つられてカタコトになりつつも言い放つ。
今度はセインから仕掛ける。
驚くほど軽く感じる錆びたシリーズの斧で、キャプテンゴブリンに物凄い横薙ぎをする。
さっきまでとは別人の様なセインの動きに、驚愕しながらも避けるキャプテンゴブリン。
そこからセインの猛攻が始まる。
キャプテンゴブリンは防戦一方だ。
一撃、一撃が鬼のように重いセインの攻撃は、次第にキャプテンゴブリンの体力を奪う。
キャプテンゴブリンは覚悟を決め、渾身の力で突きを放つ。
「同じ人族か、ゴブリンに生まれてたら、分かり合えたかも知れないのにな‼︎」
突きをあっさりかわしたセインは、体制の崩れたキャプテンゴブリンの首を切り落とした。
名剣ヤエガシより、よく切れるだと……?
錆びたシリーズ恐るべし‼︎
血の滴る斧を見ながら思う残念なセイン。
名剣ヤエガシは元来、切る目的で作られていないのだ‼︎
「男の意地ってやつなの?理解できないけど……無事てよかった、ありがとっ‼︎」
マギーニャは涙を拭きながらセインを迎える。
「ごめんなさい、私が木を倒さなければ、戦闘になって無かったのに……幸滅の私が居たらセインさんを危険にする……やっぱり私、セインさんとは……」
大泣きするラルラ。
セインはラルラの頬を強くビンタする。
「一緒にいたらいいよ、ラルラさんの居場所は私のパーティーでしょ?てか、一緒にいて下さい、嫌?」
笑顔でラルラに聞くセイン。
「嫌なわけないです‼︎ ……大好きセイン」
ラルラはそう言って、セインに抱きついた。
今回は仕方ないか……マギーニャは、やきもちを焼きつつ、今回だけは大目に見るのだった。
血の滴る斧を持ったヒーローも、抱きつかれる事はあるのである‼︎




