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相棒を信じて

森の探検を初めてから2時間、マギーニャさんとは儀式のおかげか、かなり気兼ねなく話せるようになった。

儀式の直後は少し気まずくはあったが…。


道中で出くわす魔物は、グリーンスライムが多い。

ランクデシ、もっと言うなら大人であれば、農民でも倒せるザコッティーである。

されども‼︎ あのスライムの名を持ちし者ですよ、どんなRPGにでも必ずと言っていいほど出てきますよね?

「武器は持っているだけではダメだ、装備しろ」

って、何人かのモブキャラに、似た様な事言われるなか、下手すると丸腰でも勝てちゃう、愛すべき最弱モンスター。

弱いくせに、初めてプレイする人達の為に最初の町の近くで、わざわざヤられる為だけに生息する。

ある意味、小銭しかくれない王様より感謝すべきモンスター。

それがスライムっ‼︎、テンション上がりますよね?

セインが初めて遭遇したのは3匹、1匹はマギーニャさんが焼き殺してたけど、残り2匹はセインの獲物だ。

念のため遅延魔法を使い、切れない剣で叩き潰す。

あまりのセインの速く見える動きに、マギーニャさんはあいかわらず驚愕しているが…。

最弱の魔物にでも全力を尽くす、それが魔物への礼儀、そしてありがとう。

その後のセインも、嬉々としてスライムを狩りまくる。

もう、二百匹は倒しただろうか?

遅延魔法は無敵である、行き掛けの駄賃にウサギも二匹狩った。

すべて秒殺、そして秒殺…驚嘆しデレまくる、強い男に憧れた、恋するマギーニャ。


とりあえずお腹がすいたので、お昼ご飯にしよう。

マギーニャさんと、メアリーさんが用意してくれたお弁当を半分こして、ウサギを焼いて食べた。

内臓がグロいのと、毛をむしるのが面倒なので足だけ食べたが、久々の肉なのでマギーニャさんも喜んでくれたようだ。

マギーニャさんの話では、魚は獲れるけど、ソルの森以外では食べられる動物が少ないらしく、キャプテンゴブリンは1日でも早く討伐すべきだと再認識する。


今日の目的地は、ソルの森の真ん中あたりにある冒険者小屋だ。

その小屋には、緑魔力結晶というのがあり、魔力をこめると、半径1キロの範囲の魔物を感知し、音で冒険者に知らせてくれるそうだ。

緑魔力結晶はかなり重いらしく、持ち運びは出来ないがその為、多くの魔力をこめられるのて、一晩くらいなら魔物を感知してくれ、安心して眠れるらしい。

魔力結晶は、古代文字を刻んで様々な効果を持たせる魔法具で、便利だが古代文字自体が、書くのに膨大な魔力を費やす為かなり貴重なものだ。

古代文字しか書けないセインは、規格外の魔力を持っているといえるだろう。


昼ご飯を食べ終わり、二人は冒険者小屋目指して再出発した。

午前中と同じく、グリーンスライムを狩りまくりながら進んでいると

「きゃーっ、助けてー」

と悲鳴が聞こえてくる。

顔を見合わせるセインとマギーニャ、どちらからともなく声のするほうに走る。

細道から逸れた木々の生い茂る場所、大きな木の前で、全長3メートルはありそうな熊に、襲われそうになっている若い戦士風の女性を見つける。

「延‼︎」

遅延魔法を発動し、戦士風の女性と熊の間に入り込むセイン。

思いっきり熊のノド目掛けて剣を突き刺す‼︎


がっ、当然刺さらない、安定の練習用の名剣ヤエガシである…。

「硬い〜、ヤエガシが弾かれるとは⁉︎」

どこまでも、名剣ヤエガシを過信しているセイン。

「ならば、ファイア‼︎」

カッコ良くライターの火くらいの火の玉を発射するセイン。

ポフンッと悲しき音をたてて熊に命中した途端、消滅する火の玉…。

その時、突然、遅延魔法が解消解除され、怒り狂った熊の右手が、セインに振り下ろされる。

咄嗟に剣で受け止めるが、冷や汗をかくセイン。

「魔力切れか?…」

そうです、スライム狩りに遅延魔法を使いまくった為、セインの規格外な魔力とはいえ、枯渇してしまったのだ。

どうする?どうする?どうする?

動揺するセインだが、身体能力だけで熊の猛攻をかわし続ける。

張り切りすぎてマギーニャさん、ぶっちぎっちゃったから、マギーニャさんの魔法の援護射撃は期待できないし……。

考え事をしながら、熊の猛攻をいなし続ける、客観的にみると余裕なセイン。

魔力が少し回復してる気がする…、もう一回、遅延魔法で勝負に出るか?

しかし、ヤエガシですら斬れない熊だぞ!

ひたすらヤエガシを名剣だと、信じて疑わないセイン‼︎

マウンテンワニを倒した時は、口から刺したよな?熊のほうが口の中柔らかそうだし…。

えーい、やってみるさ‼︎

「延‼︎」

意を決して遅延魔法を発動し、動きの緩慢になった熊の首目掛けて跳躍する。

しっかり熊の首を左手で掴み、一気にセインの身体ごと熊の頭まで引き上げる。

右手で剣を、いや‼︎ ヤエガシを逆手に持ち、熊の口の中に全力で突き刺す‼︎

その瞬間、二度目の魔力切れで遅延魔法が解除される。

ノドから大量の血を噴き出しながら暴れる熊に弾き飛ばされ、枯葉の上に転がり落ちるセイン。


衝撃でセインは意識を失ってしまった………。


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