人生の教訓と活力を得るために
俺は、もうすぐ39歳である。
幼い頃は多少、賢いとか、あらゆる事に器用だとか大人から言われてた。
小学校中学年代には普通、中、高校生時代は影の薄い存在に成り果てた…。
大学受験には失敗、就職にも4、5回失敗し、なんとか中小企業の配送部には就職出来た。
それからは真面目に働き役員も任されたが、大きな発注ミスをし、会社に多大なる損失を負わせ逃げるように退職、現在に至る。
「はぁあぁ…」溜息しか出ない。貯金も仕事も、何も無い…自殺する勇気すら無い。
冬の寒い朝、暖房を入れる金すら無いので、いつ洗ったかも忘れた布団を頭からかぶり、ひたすら現実逃避する。
「目を瞑って開けたら、何処か知らない世界にでも行けたらいいのに…」
あり得ない事を本気で考える、ふとその時、身体中に纏わりついていた布団の感触が無くなる。
「…??」
不思議な感覚、あんなに身も心も冷えきっていたのに…、布団無しでも寒くない。
寝っ転がったまま、ゆっくり目を開けてみる。
「⁉︎」
薄い青空色の空間に浮いてる、さっきまでは狭くコンビニの袋や空の缶コーヒーが散乱する部屋に布団を敷き、寒さに震えながら布団を被ってたはずだ。
何故か屋外に思える、何処までも空色しか無い空間に、いかなる負荷もかからない状態で、今や浮いてる感覚すら無く、唯、存在しているだけの自分。とてつもない不安だけが心を支配している、その時、大きな威厳のある声が聞こえた…?
「本当に何処か知らない土地に行ってしまいたいのか?」