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夢を見たその後で 2話 「手紙」 その3  

「はるか、話したい事があるねん!」

「急にどうしたん!?」

「突然こんな事言うのもなんやけど、ちょっと聞いてくれ」

「...........」

「うん」

「俺らって付き合ってもう5年になるよな」

「うん」


「その間転勤とかあって今は離れ離れになってるし、楽しい事ばかりじゃなかったけど......」


「俺は、はるかと出会えて良かったってほんまに思ってる。はるかと付き合っていく中で勉強になった事もたくさんあるし、これからも一緒にいてほしいって心から思うねん」


「ありがとう.....そんなん私も同じに決まってるやん」


「突然こんなん言ってずるいと思うかもしれへんけど はるかにはこれからも一緒にいて欲しい」




「だから俺と結婚してほしい!」




「えっ......?」

「今、何て言った?」

「俺と結婚してくれって言うた」


「............」

「............」


「祐希の気持ちは凄く嬉しい。でも、ちょっと待って!」

「なんで?」

「祐希はすごくいい人やと思う。誰にでも優しくできるし、その中で私の事を大事に想ってくれてるのも十分に伝わってくる。祐希ほど私を理解してくれてる人も他にはおらへんと思うよ?」


「だったらなんで!?」

「私のことを大事に想ってくれてるのは伝わるけど、何となくなんやけど祐希の心の中には誰か他の人がおるような気がする。私にはその人が誰なのかはわからへんけど きっと、今の祐希に一番影響を与えた人やと思うねん」


「もちろん、祐希が浮気してるとかそんな事を言いたいんちゃうよ。ただ、私の知らへんその誰かが心のどこかにおるから.........」


「今の祐希は、誰にでも優しくて、その中で私を大事にしてくれてる気がするねん。でも、もっと強引に私を奪い去ってくれるぐらいの男らしさも時には見てみたいんよ!」


「...........」


「もちろん、祐希のそういう気持ちは嬉しいし、私も祐希のこと好きやで!でも、今の祐希とは結婚は出来んよ。お互いこんな気持ちのままじゃ.....」


「こんな気持ちのままじゃ.....」



「...........」

「...........」

「...........」




俺の気持ちはどうなんだろう?

10年前の事を、あの時の彼女のことを思い出として消化出来ているのだろうか?


はるかが言うように無意識に俺の心の中深くに存在してるのだろうか?


そんな事はない!!


そう言って、はるかを強く抱きしめるつもりだった.............。


でも、俺には出来なかった......。


あまりにも図星をつかれたから....。

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