夢を見たその後で 5話 「伝えたいこと、ひとつ」 その3
ふと目が覚めた..........。
ここはどこだろう?
私は辺りを見渡した。
私の目に映るもの..........。
一面の白の世界.........。
なんだか体が軽い。
自分の体に違和感を感じて足元を見ると、体が宙に浮いている。
「............................」
そんなはずないよね!?
もう一度目を凝らして下を見てみたけどやっぱり宙に浮いているみたい。
どうやら私は夢を見てるみたいね。
訳もわからず変に納得した。
それにしてもどうしてこんなに真っ白なの?
本当に何もない........白い世界。
純粋で.........。
綺麗だけど........。
孤独な世界........。
あてもなく夢の世界を飛び回ってみた。
しばらく飛び回っていると白い世界の先に、更に光が見えてきた。
「.............................」
私はその光に吸い込まれるかのような感覚を覚えた。
そして.........その光に身を任せてみた。
「.........!!!!!」
「.........!!!!!」
もう少しで光に包まれる.........というところで遠くから声が聞こえた。
少し耳を澄ましてみる.......。
「美香!!!!!」
「美香!!!!!」
えっ!?
美香!?
美香は.......私.......?
誰が呼んでるの?
声のするほうに目を凝らした。
そこには、私の耳元で声を泣きながら声をかけている家族の姿があった!!
呼吸器をつけられ、鼻から管を通された私........。
「どういう事なの!?」
私はここにいる。
でも、あそこにいるのも私!?
もっと近くまで近づきたいのに近づけない!!
急に体が動かなくなったみたい。
これは夢なんでしょ!?
だったら早く覚めてよ!!!
私は声にならない声を出した。
そのとき、目の前の光は更に強く私を包み込んでいった......。
目の前の光が私を包み込んだ時、病室の扉が開いた。
「えっ.............?」
そこには祐ちゃんがいた...........。
祐ちゃんはとても辛そうだった。声を上げずに泣いているように見えた。
その姿は、見てるだけで胸が張り裂けそうだった。
祐ちゃん、お願いだからもう泣かないで。
祐ちゃん........わたしね.........
あなたに出会って分かった事があるの。
あなたに伝えたい事があるの.......。
それはね.........
これが私、田村美香が最後に覚えている記憶......。




