落とし物
貴之は小学生。小学校を終えて、今日もいつものように帰宅していた。貴之は勉強もスポーツもごく普通で、秀でたものはない。だが、一生懸命で思いやりがあり、みんなから慕われている。
「疲れたな・・・」
貴之は肩を落としていた。今日も疲れた。今日もいろんな事があった。明日も学校だ。頑張らなければ。早く家に帰って、しっかりと休みたい。そして、明日に備えたい。
「早く帰ろう・・・」
貴之は帰り道を歩いていた。と、貴之はあるものが落ちているのに気が付いた。
「あれっ、これは何だろう・・・」
貴之は足を止めた。それはこん棒だ。あちこちからとげが生えている。貴之は少し戸惑った。本物だろうか? この辺りに鬼がいるんだろうか? 鬼なんて、この世にいないだろう。いたら大騒ぎだろう。
「もしかして、鬼のこん棒?」
貴之は首を傾げ、辺りを見渡した。だが、鬼はどこにもいない。落とし物だろうか? もし本当に鬼のこん棒なら、鬼がやってきそうで怖いな。
「いや、そんな事ないよな・・・。鬼なんて、この世にはいないさ」
貴之はそのこん棒を持ち帰る事にした。貴之はこん棒を持ったまま、家に帰っていった。
貴之は家の前にやって来た。貴之の家は2階建ての鉄筋コンクリートだ。小学校に入学した頃に建てられたものだ。貴之はほっとした。家に帰ってきて、本当によかったな。
「ただいまー」
貴之は玄関から家に入った。すると、母がやって来た。母はエプロンを付けている。晩ごはんを作っているようだ。
「おかえりー、何これ?」
母は貴之が持っているこん棒が気になった。ひょっとして、鬼のこん棒だろうか? いや、鬼なんてこの世にいないだろう。誰かが作ったもので、落としたんだろう。
「わからない・・・。帰り道で拾ったんだ」
「ふーん・・・」
貴之は2階の自分の部屋に向かい、荷物を置いてきた。こん棒も2階に置いてきた。
「何やろ・・・」
貴之はこん棒を見ている。これは本当に鬼のこん棒なんだろうか? 貴之は首をかしげた。
「まぁいいか。持ち主が来るまで持っておこうかな?」
貴之は手を洗って、部屋に戻ってきた。疲れたので、貴之は少し昼寝をしようと思った。
「ちょっと昼寝しよう・・・」
貴之はベッドに横になり、眠った。
「あれっ、ここは?」
貴之が目を覚ますと、そこは裏山だ。貴之はその裏山を知っている。課外授業や遠足で行った事がある。どうして自分はここにいるんだろう。部屋で寝ていたのに。まさか、夢だろうか?
「裏山だ・・・」
貴之は辺りを見渡した。すると、鬼の子がいる。鬼の子は泣いている。どうしたんだろうか? 何かをなくしたんだろうか?
「あれっ、鬼がいる・・・。泣いてる・・・」
「こん棒なくしちゃったよー!」
どうやら鬼の子はこん棒をなくしたようだ。まさか、あのこん棒はこの鬼の子のものだろうか? だったら、返さないと。でも、ここにこん棒はない。夢の中のようだ。
「大丈夫?」
貴之が声をかけると、辺りは光に包まれた。まぶしくて、貴之は目を閉じた。貴之が再び目を開けると、そこは自分の部屋だ。夢から覚めたようだ。
「夢か・・・」
貴之は起き、こん棒を見た。まさか、あのこん棒は裏山にいる鬼の子のものだろうか?
「えっ!? まさか?」
貴之はカーテンから裏山を見た。あの裏山には、鬼の子がいるんだろうか? もしそうなら、返さないと。
「あの山か・・・。行ってみようかな?」
貴之は明日、学校を終えて家に戻ってきたら、裏山に行こうと思った。そして、あのこん棒を鬼の子に返さないと。
翌日の夕方、貴之は裏山にやって来た。貴之は辺りを見渡した。だが、鬼の子は見当たらない。どこに行ったんだろうか?
「ここか・・・」
貴之は首をかしげた。本当にここに鬼の子はいるんだろうか? いないんじゃないかな?
と、貴之は鬼の子を見つけた。鬼の子は体育座りで落ち込んでいる。こん棒をなくして落ち込んでいるんだろうか?
「あれっ、君は?」
その声に反応して、鬼の子はこっちを向いた。
「どうしたの?」
鬼の子は寂しそうな声だ。こん棒を返したら、元気になるんだろうか? 早く返さないと。
「このこん棒、君の?」
貴之はこん棒を見せた。すると、鬼の子は喜んだ。
「あっ、僕の! ありがとう!」
「どういたしまして!」
鬼の子はこん棒を持った。貴之は笑みを浮かべた。返してもらって、本当によかったね。
「本当にありがとうございました!」
「いえいえ」
貴之はスマホの時計を見た。そろそろ帰らないと、母が心配する。
「また会おうね!」
「うん!」
貴之は裏山を後にした。貴之は鬼の子に会えて嬉しかった。まさか、鬼の子に会えるとは。それも、家の近くにある裏山で。
貴之は前を向いた。すると、雨上がりでもないのに虹が浮かんでいる。それは、鬼の子がくれたプレゼントだろうか? 貴之は嬉しくなった。何かいい事が起こりそうだな。




