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どんどん、どんどん、壊れていく

作者: 新堂

走馬灯。いや、今までの彼女との記憶がよみがえる。





なんかいい奴。

第一印象はこれだった。

笑顔で人当たりのよさそうな女子。

樋口蓮は新学年のクラスで出会った女子、松本陽菜に対してそう思った。

陽菜のグループと接するうちに、徐々に会話も増えていき、LINEを交換して話すようになった。

その時は気づかなかった。

陽菜の狂気に......



学校では言わなかった「クソが」という言葉を聞いたとき衝撃だった。

でもそういう人もいるよなと深くは考えなかった。

暇なときに話そうと言われてOKした。



そこで1つ壊れた



告られた。唐突な言葉に俺は固まる。

断る理由がない俺は二つ返事でOKした。



そこで1つ壊れた



「お~いっ、こっちこっち」

「わかったわかった、すぐ行くよ」

デートで犬山と岐阜に出かけ、1日を過ごす。

電車に乗って城下町に行き、かき氷を食べた。

長い橋を渡って岐阜に行き、あてもなく電車に乗った。

各務ヶ原に行こうとして寝過ごし、田園風景広がる場所に降りったときはさすがに呆然とした。

そこでも彼女は楽しそうに笑っていた。

はじめて帰りの電車でキスをした。



そこで1つ壊れた



最近テスト勉強が忙しく、構ってあげられない日々が続いた。

彼女は不機嫌になっていった。いや、違う。

はがれ始めていたんだ。古いメッキのように。

「今日会おうよ」

「外出の予定が...」

こんなことが何度も続いた。

彼女はいつしか笑わなくなっていった...



そこで1つ壊れた



情緒不安定な彼女の面倒を見るのに俺はもう限界だった。

泣いたり、笑ったり、表情がなくなったり...

出会った頃の彼女はいつしか幻となって消え失せた。

「俺は、何をやってるんだ」そう自問自答したこともあった。



そこで1つ壊れた



彼女から別れようと言われた。

意味が分からなかった。

「あなたといても、私は幸せになれない」

そう言われ、俺は何も言わなかった。

関係はそこで終わるはずだった。



「嘘だよ」

俺はどうすればいいかわからなかった。

別れる別れない以前に、彼女のことが分からなくなっていた。

「もう別れよ」

その言葉は、自分が思ってるよりもすんなり出た。

そこで完全に終わった。



あとから聞いた話だが、彼女は俺の女友達たちに対して脅迫まがいのことをやっていた。

そこで気づいた。付き合っているとき、話をしようとしても、あまり続かなかったことを。



彼女は壊れていった。

だがしかし、俺が気づいてなかっただけで彼女は、もしかしたら......


最初から壊れていたのかも知れない...




女性は、大小あれど等しくメンヘラの気質を持っているらしい。

これを読むあなたたちが、同じようにならないことを祈るとしよう。









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