地獄の特訓後
「ーーー」
「ーーーーーー治ってます。」
(なんか周りの様子が騒がしいな・・・)
周りに神官?と杖を持った2人そして、アランの家族がこちらを見て歓声を上げているのだ。
(いや、何この状況?)
周りが魔力酔いが治ったと言ってはいるが、何のことだ?
魔力酔い:自身の魔力を使おうとすると魔力が限界以上に溜まり、眠気と眩暈などの状態異常がおきる。
眠気と眩暈を我慢しながら、1週間修行していた間はずっと魔力酔いだったことに気が付き、周囲の状況を確認した。
アランの周囲は、安堵の表情をしていた。いや、2人は違った。
祖父のノンティクスは号泣していた。
(・・・・・・・・顔が、崩壊してる・・・・)
アランはノンティクスの表情を見てドン引きした。
(・・・あっ・・・・ばあちゃんに連れて行かれた・・・)
アランがノンティクスにドン引きしていると、それに気が付いたミカがノンティクスを部屋の外に連れ行った。ノンティクスは抵抗しているが、ミカは関係ないと言わんばかりに引き摺っていった。
出て行った後、直ぐに何か壊れる音が空気を震わせながらアランの耳に届き、しばらくすると、ミカが部屋に入ってきた。
(・・・・じいちゃんの声が聞こえなくなったんだけど・・・・・)
アランは、ノンティクスの命運を祈ったが、この日、ノンティクスは戻って来る事は無かった。
ーーーーー
安堵の表情をしていなかったもう一人は杖を持った女性だった。
「なんで、魔力酔いになったんだろ?・・・やっぱり精霊のいたずら、いや祝福か?ーーー」
アランの魔力酔いについて考察しながら、アランを興味深そうにこちらを見ていた。
(これは、実験対象を見つけた人の表情だな・・・・)
「フラートさん・・・・そろそろ研究所に帰りますよ」
杖を持ったの男性が、頭に手を当てながら、フラートに言った。
「ええーーそんなジャークリ、まだ観察したり無いのにー・・・・・」
「だめです。」
ジャークリはフラートの懇願を無視して、フラートを引き摺っていった。
「はっははは、変わった人ですね」
苦笑交じりの笑顔を神官風の男性がフラートに目を向けた。
シグが、周りが帰り始めたのをみて神官風の男に、
「フリスさんは、そろそろ帰らなくてもいいんですか?」
「あっ、そうでした!明日大切な仕事があるんでした。シグさん、私も失礼します。」
フリスは何か思い出しかの様に部屋から出て行った。
「この1週間は大変だったけど、アランが無事で良かったよ」
フリスが帰ったのを見届けるとシグは、アランの頭を撫でながら、笑顔をアランに向けた。
(・・・・・・・・なんかすみません・・・・・)
アランは心の底から土下座をしたくなった。




