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魔科学者、爆破実験を行う。

月曜更新にするか金曜更新にするか悩んでおります。

「さあ実験ですよ!」


目的の岩場に着いて、翠華がウキウキと背嚢(リュック)を漁る。


「まずは先行実験として、サラマンダーの体液で作った火炎瓶を用意しました。対比用にアルコールで作った火炎瓶もあります」


見た目はどちらも一般的なワインボトルに布を差し込んで封がしてあるだけだ。


「どちらも着火する必要があるので……デデーン!ライター!」


翠華はライターでシュボッと布に火を付けると、持っていた一本の瓶を投げた。


パリンと少し離れたところで割れて、岩場に火溜まりを作った。


「今のはアルコールで作った火炎瓶です。そしてこちらが本命、サラマンダーの体液で作った火炎瓶。……せいっ」


再びライターで火を付けた火炎瓶を放り投げる。


パリンと割れたところまでは一緒だった。


「……なんか燃え広がってる感じしねぇな」


カノンの指摘通り、投げ込んだそこで熾火のように小さな火が灯っている。


「アルコールより粘性が高いので広がり悪いんでしょうか……ちょっと思ってたのと違いますね」


「というか、性質が似てるならライターの燃料もアルコールでいいんじゃねぇのか」


翠華がまた、雷にでも打たれたように硬直した。


「カノンと居ると魔科学から魔が払われそうです」


「価格が下がれば普及するかもな、ライター」


じっとりとした視線を実益をちらつかせることで回避したカノンはどっかりとその場に腰を下ろした。


「本番はこっからだろ。さっさと始めようぜ」


「始めようぜという割に手伝ってはくれないんですね……」


「だって下手したら俺が吹き飛ぶだろ」


恨めしげにカノンを見つめながら、背嚢から先ほどの『爆弾』を取り出す。


両手に一本ずつ持ったまましばし考え、左手に持った瓶を戻して代わりにピッケルを取り出した。


そしてカノンからずっと遠くにあった岩に穴を開けるとそこに瓶を差し込んだ。


ダッシュで戻ってくる。


「《風よ》」


一言そう紡いだだけで、遠くに突風が吹き荒れる。




瞬間―――地形が変わった。






爆発の衝撃でカノンと翠華は吹き飛ばされ、森の木々にぶつかってようやく止まった。


「ぐへぇっ!?」


「ふべっ?!」


両者様々な悲鳴とも言えない呻きを上げてそれぞれ、頭と腰をさする。


そして、眼前に出来上がったクレーターを見てぞっとした。


翠華がぽいっと自身の背嚢を放って寄越した。


この中には取り扱い注意な代物がいろいろ入っている。


カノンは慌てて受け止め、しかし全力で腕を伸ばして翠華に押し付けようとする。


翠華は翠華で逃げ回るのでしばし鬼ごっこが始まったのだった。

ネタバレ、次回、お風呂回お約束もあるよ!

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