魔王軍会議!
私が、1人魔王城に転移した翌日。魔王様に連れられて向かったのは広い会議室だった。
「ルシエル様、そこの小娘が言っていた異世界の人間ですか?」
「そうだ。それと、この子は丁重に扱っておけよ?」
「なぜです?人間ですよ?」
「それならこれを見てもらいたいんだ。ユイナ……いやちょっと呼びにくいからユイと呼ばせてもらうけど、ステータスオープンと言ってもらってもいいかな?」
私は、魔王様に言われるままにステータスオープンと唱えた。そこに出てきたステータスの数値を見て、私はもちろんそこにいたすべての人達が驚きを見せていた。
「なんだそのパラメータは!?四天王クラスはあるじゃないか」
「しかも称号の魔王の系譜って……」
「そうなのだ。要するに俺とユイにはどこかしらで何かしらの繋がりがあるのだ。だから俺は魔王軍への加入を認めたんだ」
「なるほど…」
「……え?私魔王様と繋がりあるんですか!?」
「そうみたいだぞ?それと紹介してなかったが俺はルシエルだ。呼ぶならルシエルと呼んでくれ」
「ルシエル?わかった。それで私はなんでここに呼ばれたんですか?」
私は、昨日も結局あまり情報を教えてくれなかったのでここに今呼ばれている理由もよくわかっていなかった。
「今日はユイ、君に俺達の事を説明するために会議を開かせてもらった」
「私のために?」
「そうだ。俺の所にいてくれるのなら色々と説明しないといけないだろ?そもそもどういう理由かはわかんないけどユイのステは魔族よりになってるからな。俺としては寧ろいてくれて嬉しいよ」
「そうなの?……私、全然自分の能力をわかってないんだけどすごいの?」
「すごいよ……そのステータスはおそらく他に召喚された人間側の勇者たちの誰よりも上だと思う」
「そうなんだ」
「そうだよ。というわけで、この世界の事と俺達の事を説明させてもらおうと思う」
ルシエルさんがそう言った時だった。会議室の扉が勢いよく開かれて一人の魔族らしき人が駆け込んできた。
「ルシエル様!大変です」
「そんなに慌ててどうしたのさ」
「人間が攻めてきたんです!」
「は?もしかして勇者共をもう連れてきたのか?」
「そうなんです!辺境軍では太刀打ちできないんです!」
「……チッ。実践投入が早すぎるだろう」
「どうしましょうか!」
魔王軍の皆さんが慌てる中、ルシエルさんだけが冷静だった。
「ここはフレイ、君と……ユイに行ってもらう」
「え?」
「「ええええええ!?」」
これが、私と魔王軍四天王フレイさんとの長い付き合いの始まりになるのです。