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学校終わったー!
疲れたー、早く帰りたいー…と、その前に図書館に行かなきゃ
本の返却があるんだった
…あ、図書委員がいない。まあ、私も図書委員だから返却に何ら問題は無いんだけど。
それにしても今日の当番はサボり?
結構サボる人いるんだよね
でも図書委員が居ないと本借りたい人は借りれないしなぁ
んー…、じゃあ私が代わりにやろう。カウンター作業も結構好きだし、誰も来ないうちは本読んでられる。
自分の本の返却作業を終えて、カウンターで本を読む。
この作者さんの話の薄汚れてる感じが好きなんだよねーこの本、やっぱり借りていこう。うん、そうしよう。
「す、すいません。お願いします」
お、貸出かな
「はい、貸出カードありますか?」
何か緊張してる?この人。わかる、お店でもレジでお会計する時とか変に緊張することあるよね
私が勝手に共感していると、
「あ、あります。…あ!」
ワタワタしてカードを落としてしまった
ドンマイ…
この人何年生だろ。同じかな?
「すいません」
手渡されたカードには1年の文字
同じだ。でも見たことないからクラス違うのかな
「大丈夫です!どうぞ」
本を手渡すが、渡した先から落としそうな、何とも頼りない手。
なんかちょっとこの人がに心配になってきた…
貸出の手続きをしただけでそう思わせるのは、もしかしたら凄い才能かもしれない
この人大丈夫かな
顔はイケメンなんだけどなぁ、もったいない
性格違ったらめっちゃモテるんじゃなかろうか
…想像してみたらホントにもったいないなあの人!
図書館を出ていく背中さえかわいそうに思えてきた
誰だあのイケメンをあんなふうにしたのは