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第4話 街とギルド

 街前に着いた途端ネネはグリフォンに近づき何か語りかけている。

耳を澄ましてみたらとんでもない会話をしていた。


「これが報酬の羊のお肉です。」

『ドウモ、ゴリヨウアリガトウゴザイマシタ。マタノ、レンタルオマチシテマス』


そう言い残し空彼方に消えていった。


すかさずネネに寄った。


「待て待て!レンタル?召喚したんじゃないのか?」

「いえ、レンタルですが?」

「従順なしもべじゃないのか...?」

「はい、違いますね」


 開いた口が塞がらない。

聞いたことがない。召喚士のくせにレンタル制で召喚しているなんて。

それで召喚士だなんて、なんて夢のない話なんだ。


「では、終わったので中に入りましょうか。

 お二人はまだ身分証明がないので奴隷という設定でお願いします」

「奴隷?そうなの?わかった」

「わかってるのか?奴隷だぞ?」

「フリでしょ?そのぐらい大したことないよ」


 あっさり了承してるが嫌悪感とかないのか?こいつには。

しかし、そんなのですんなり通してくれるのか?


三人は街の門に差し掛かった時、門兵に止められた。


「そこの三人、身分証明を」

「後ろの二人は奴隷なのでありません」

「奴隷?」


眉をひそめ、門兵は下から上にかけて舐めるように二人を見た。


「本当に奴隷なのか?一人見慣れない格好だが?」


 そういうと門兵は指を指した。指の先に居たのは智木だった。

忘れていた。確かに来たばかりで変えの服はない。だがなぜ自分だけ。

頭を回転させ打開策を模索している時、小声で話しかけてきた。ネネだ。


「トモキ様、少し合わせて下さい。打開できるかもしれません。」


 口裏を合わせろということなんだと、身構えてると急に目の前が揺らいだ。

気づくと地面に顔を押し付けていた。

何が起きたのかわからないが頭に足が乗り、ネネが叫んでいた。


「これを見て奴隷だとわからないのか!?私に媚びてみな!この豚野郎!」


こ、こいつ。合わせろってそういうことかよ。


「...嬢王様!、もっとこの豚野郎にお仕置きを!」

「よくできたな豚野郎!褒美だ!」


ネネは智木の尻を蹴り上げ、高笑いをした。

そんな惨状を見ていた門兵は頷いていた。


・・・・・。


いや、そんなのでいいのかい!基準が低すぎるだろ!警備ガバガバじゃないか。


「通ってよし!」

「ありがとうございます」


三人は門を通り、街に入ることができた。

ある程度歩いたと見計らいすかさずネネに寄り、両頬を引っ張りながら尋問した。


「ネネさん?あれはやりすぎじゃないかな?」

「だっへ、あやひまれたらたいへんでひたよ」

「だとしても心に傷ができちゃうとこだったよ!」

「すみまへんでひた」

「はぁ、これっきりにしてくれ」

「はい、気をつけます」


ネネは頷き、三人は歩を進め始めた。


 ギルドに向かってる道中辺りを見渡し、見たことのない屋台、店などを見つけて

本当に異世界にきてしまった。なんて思いにふけっていた。

だが、すぐに異変を感じた。視線を感じる。通り過ぎる人全員に見られて、笑われている気がする。

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