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第3話 少女と空

 今、顔が引きつっていたような気がしたが。気のせいか...?


「それでは、街まで移動しましょうか」


(待ってました。異世界初の街!)

(どんな街なんだ!?)


「それもそうね、ここから歩いてどの位なの?」

「歩いてですと、2日ぐらいですかね?」

「2日!?ネネちゃんは歩いてきたの?一人で...?」

「...ちゃん。まぁ、いいです。違います。それでは少し離れてください」


ネネは杖を空上に掲げ唱え始めた。

『我、言霊に答え、古来より生誕せし空の者よ、我の前に顕現せよ』『グリフォン』


(まて、まて。グリフォンって伝説の生物じゃないか!?なんでそんなのが呼べるんだよ!)

(この子が特別なのか?)


 突如足元に大きな陣が展開され、それは姿を現した。

目は鋭く、腕は人の太ももぐらい発達し鋭利な爪。空から目をつけられたら逃れられない威圧感を感じる。

空の王者ならぬ風貌だ。二人は後ずさりした。


「きゃ、何これ...大きい鷹?」

「かっこいい!これに乗って移動するのか!?」

「はい、そうです。それではユイ様は背中にお乗り下さい。トモキ様は地面にうつ伏せでお待ち下さい」

「お、おう?」


 二人を乗せたグリフォンは空高く上がる為、羽を力強く羽ばたせる。

(あの体格なら3人は乗れると思うんだが。いや、もしかしたら特別な乗り方があるのかもしれない)

「トモキ様!そこから動かないで下さい!今行きます!」

(きた、きた。)


 そんなことを妄想し、期待に胸を膨らます男の裏切る行為が起こった。

両腕を前足で鷲掴みにされ、瞼が開かないぐらい加速。顔の肉が後ろに後退し、空いてた口の中が乾いていた。

気づいた時には空中で宙ぶらな状態で飛行していた。


「...あの、僕何かしましたか?」


トモキの問いかけに上からネネが顔を覗かせ、口角が少し上がり笑顔で答えた。


「いいえ?何もしておりませんよ」

「そ、そうですか」

(こいつ、何を考えてるんだ?)


「トモキー!楽しそうなとこいるねー!景色すごいよー!見て見て!」

「お前は黙ってろー!てか、何だその首に巻いてるのは?」

「あー、これはね。ネネちゃんにもらっ...」

「ユイ様、飛行宙に立つと危ないですよ」

「あっ、ごめんねー」


何だこの対応の差は?

まぁ、それは後ほど考えるとして街にはどんな理由で行くのか聞いていなかったな。


「ネネ、街にはどういう理由で行くんだ?寝泊まりの為?」

「それも目的の一つですね。ですが、まずお二人には身分証明の代わりになるものを作ってもらいます」

「身分証明?」

「はい、そちらの世界ではわからないですが、こちらの世界では身分を証明できないと色々不便なので」

(なるほど、こっちでも同じ感じか)

「ネネは持ってるのか?」

「はい、持っていますよ。今お見せします」


 そういうとネネは左腕をかざし右腕で撫で下ろした。

突如二人の顔の前に小さいメニューが出てきた。


「きゃ、びっくりした。なんか上にス、ステータス?って書いてあるけど何それ?」

「...これ、本当にネネのステータスか?」

「はい、そうですが?」

「ちょっと!無視!?」


俺が今見てるのは幻か?


===================================================

ステータス:名前  ネネ=シャルーラ


Lv. :99        体力: 7000

職業 :召喚士       魔力:30000

性別 :女         力 : 100

             記憶力: 3000

             魅力 :1200

加護

 ・魔力増強

 ・魔力眼

 ・=======

===================================================


「レベルカンストしてんじゃねぇか!」

「いえ、まだ弱小の身ですよ」

「はい?これで弱小って他の奴らどうなってるだよ...」

「ねえ!これすごいのー?」

「後で説明するからちょっと静かにしてろ!」

「もー!ひどいっ!」


 とんだ異世界に来てしまったようだ。これでまだ弱小とは恐れいったとしか思えない。

てことは、俺らもとんでもないステータスだったりするのか?


「なぁ、俺らもこうなるのか?」

「それはまだわかりません。ギルドで適正判断するまでは」


 (そんなものなのか。だが楽しみだな。)


時間はあっという間に経ち、遠くの方に街らしきものが見えてきた。


「ネネ、あれが目的地か?」

「はい、到着します。掴まってください」


 グリフォンは加速し街付近まで来ると、上空から智木を投下した。

草木にめがけて不時着しなんとか生きていた。


「し、死ぬかと思った...」

「智木生きてるー?」

「死ぬとこだったわ!安全に降りてきたお前に分かるわけないだろ!」

「あはは、怒んないのー。ネネが大丈夫だって言ってたし」


 本当、ここに来てから良いことがない。

智木は木から降りながら深いため息を漏らした。

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