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高校進学


 青森から「あけぼの」で埼玉に戻ってきたその足で、高校の入学式に向かう。

 帰り際に松江という車掌が言った言葉が、耳の中に響いていた。

「また来ることがあって、何か分かったら教えて欲しい。」

「はい。あっ。自分、小岩剣と言います。何かありましたら、青森運輸区を通してご連絡いたします。」

 そう言った時に列車のドアが閉まったが、その時の松江車掌は驚いた顔をしていたのだ。

(あれは何だったのだろうか?)

「小岩。」

 と、声をかけられる。

「三奈美か。」

「どうだったね。青森へ行って。」

 三奈美つばさ。小岩の中学時代からの鉄道仲間で、記憶を探している小岩の活動を支援している。

「ダメだ。本籍地の確認に行ったようなものだ。ただ―。」

 小岩は、松江という車掌と知り合った事と、松江との会話、別れ際に気になったところがあるということを話した。

「ふーん。確かに気になるな。お前、4歳の時に関東に出てきて、以来、記憶がぶっ飛んだんだろ?」

「ああ。」

「ということは、お前の言うとおり、4歳に関東に出てきて以来、青森には帰ってないということになるか、車掌さんの言う小学4年の夏休みや冬休みはよく帰ってきていたが、列島地震とかゴタゴタがあって帰ってこなくなってしまった子がお前だったが、肝心なお前のその記憶がぶっ飛んじまっていて分らないって事も考えられるな。」

「三奈美はどっちだと思う?」

 と、小岩が聞いた時、答えたのは三奈美ではなかった。

「後者だと思うよ。」

 と、答えたのは広瀬まりも。小学生の同級生だったらしい。しかし、小岩は思い出せなかった。

「やっぱり、あのバカ先のせいで―。」

「列島地震、いじめ、迫害。その他諸々。」

 と、小岩は言う。

「あっ。いたいた!小岩君!」

 と、別の女子が言う。

 彼女は下山我孫子。我孫子という名前は自分の孫の子供だと彼女の曾祖母が付けた名前だという。

 下山は最初、笑っていたが小岩の様子を見て落胆した。

「まだ、あの先公の後遺症が残っているの。」

 三奈美は下山と広瀬が言う小岩の後遺症の原因が解らず、困ってしまった。

「三奈美君は知らないよね?」

 と、広瀬が言うと三奈美は肯いた。

「小岩君、言ってもいい?」

 広瀬が言うのに、小岩は黙ってうなずいた。


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