表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/46

修学旅行へ

 9月の3連休。小岩達は修学旅行に出かける。

 東京駅から東海道新幹線「のぞみ313号」に乗る。この日、車両故障の影響で、700系の代走として先日東海道新幹線から姿を消した500系が16両フル編成でやって来たのだから、小岩と三奈美は驚いた。

 世界ではじめて時速300キロで運転を開始した500系は、TGV等海外の高速列車の礎である。

 スペースシャトルの機内のような車内に入り、列車の発車を待つ。

 列車は東京駅を出て、品川、新横浜と止まった後、最高速度を目指して高速運転する。

「700系と比べてどうだ?」

「静かだね。揺れもそれほど気になるほどじゃないし。」

「そうだな。」

「俺、帰りうるせえって言うぜ。うん。ぜってー言う。」

 と、三奈美と小岩は話す。

 車内の前の方では、清美と下山我孫子が隣り合って座り何か話している。

「梅小路運転区の滞在時間は1時間だからな。何撮るか決めたんだろな?」

「C62かな。火入って今動かしてるらしいし。」

 と、小岩が言うと、

「またシロクニ?」

 と、広瀬に言われる。

「まあね。シロクニって言うと、東海道線より函館本線で急行「ニセコ」を引っ張っているイメージが強いが―。」

「ニセコ姉ちゃん?」

「えっ?」

「気付かないの?あの落書き。」

「あっ。」

 小岩は思い出した。落書きと手紙の主と同じ名前だということに。

「ただの偶然だろ。」

 三奈美は言う。

 東海道新幹線「のぞみ313号」は東海道を駆け抜け、名古屋に止まる。

 名古屋を出ると、関ヶ原を越え米原を通過。

 米原には、500系を作るための試験車両、Win350系試験車両が保存されている。

 逢坂山トンネルを抜けると京都に止まるが、小岩達は新大阪まで行き奈良へ行くのだ。

 新大阪駅からクラスごとにバスに乗る。

「オレンジのラインと走る犬のエンブレム。帝産観光バスの三菱エアロクイーンだ。」

 と、清美が言った。

「へえ。バスにも興味あるんか。」

 三奈美が言う。

「将来の夢は、サッカー選手かバス運転手だからさ。」

「極端だな。」

「18になったらすぐにMT車の免許取って、バス運転手になれるように頑張らんと。」

 と、清美が言うのに下山我孫子が笑っている。が、小岩剣は「帝産観光バス」という社名に反応した。

(あの手紙の主が働いている会社だ。)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ