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もう一つの記憶

 昼食後最初のゲームは先に敵を全員倒した方の勝利というものだ。

 小岩は落書きのあった車両とは別の24系客車に飛び込む。

 17番B寝台に隠れていた敵を倒した時だった。また、落書きを見つけたのだ。今度はカッターナイフか何かで傷を付けた上に細い油性ペンで書かれていた。

(俺がやったのか知らねえが、ヒデエ事を。)

 と思い、その落書きを見る。

「ココロノツバサ。列車の姉弟を繋げ。ブルートレインと共に。」

 あったのは、本来はクッションが被せられて見えない部分だったが、クッションが外されていたため出てきたのだろう。

 いつの間にか、三条神流が横にいて、スマホで落書きを撮影していた。

「大収穫だな。」

「ええ。思わぬ収穫です。」

 後ろから南条美穂と広瀬まりもも来る。

 4人で一気に車内を駆け抜け、少し離れた所にある軽トラの荷台に三奈美つばさを見つけた。

「ケツ隠せバカ。」

 小岩剣が三奈美を撃つ。

「半日やっただけで、サバゲーにハマったな。」

 ゲーム終了。三奈美が最後の敵だったらしい。

 三奈美に見付けた落書きを見せる。

「前、広瀬が言っていた言葉だな。」

「ココロノツバサだね。」

 広瀬が言った。

「すっかり記憶が消えてしまっているが、ブルートレインの記憶がなぜ消えなかったのか、なんとなくだが分かったかもしれん。」

 小岩は言った。

「仮説だが、俺は三条さんと南条さんと同様、青森に姉と弟に匹敵する関係を持った人がいた。その人とはどんな仲だったかは解らないが、ココロノツバサという単語とブルートレインという共通点を持っていた。そして、記憶が吹き飛んだ後も、ココロノツバサとブルートレインという共通点を持つ姉弟の記憶が消えてもブルートレインは忘れないよう必死に耐えていた。結果、ブルートレインの記憶だけは残っていた。そうとなると、確かめに行かなければならないな。もしかしたら、春に青森に行ったときに会った松江って車掌さんが何か知っているかもしれない。」


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