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姉弟

 小岩は三奈美に、見つけた落書きを見せる。

「漢字だな。ってことは、この松江ニセコって人か、三条さんの言うようにお前は何度か青森に帰っており、その時に落書きをしたが記憶がぶっ飛んでしまったと言う事だな。」

「多分後者ね。」

 と、広瀬が言ったのは、小岩の小学生の頃の筆跡に似ていたからだ。

 ゲーム終了というアナウンスが流れた。

 三条神流が防弾カバーを付けたスマホで落書きを撮影した。

 待機所に戻ると、小岩はフィールドのオーナーに落書きのあった車両がどこから来た車両か確認した。やはり、青森車両センター所属の車両で2008年の寝台特急「日本海」減便により、余剰となって長野総合車両センターに解体されるためやって来た物をスクラップとして引き取った物だという。

「予想通りだ。」

 と、小岩は言ったが、新たにもう一つ気になる物が浮かび上がってきた。

「列車の姉弟ってどういうことかな。」

 意外にも、この疑問は三条神流と南条美穂が解決した。

「お前、俺がどうして血も繋がってないのに、姉ちゃんを姉ちゃんって呼ぶか疑問に思わなかったのか?」

「―。」

「俺と姉ちゃんは、血の繋がりはない。俺が大糸線の列車を撮影してた時、カメラを人にぶつけた。ぶつけた人が、姉ちゃんだ。それがきっかけで知り合ったが困ったことに二人で行動していたら、リア充と間違えられた。当時、俺も姉ちゃんも付き合ってる人が居る。なのに、リア充となってしまえば不倫となる。窮余の策として、姉と弟ということにしてその場を凌いだ結果、血の繋がりの無い姉弟となってしまった。その後、お互い付き合ってる人と別れ、晴れて正式に付き合えるようになった後も、姉弟と言う事で通している。」

「では、自分もこの松江ニセコという人とそういう関係であったと?」

「どういう経緯でそうなったかは不明だが、そういう関係の人がいたということだろう。」

 車内放送で次のゲームが始まることが伝えられた。

「まだ実感が沸かないだろう。その理由もなんとなくだが分かった。撃ちながら、話そう。」


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