三条神流
「それで霧降。どうするつもりかね?」
「えっ?」
「俺のところに来たって事は、連合艦隊は共にしたいと思ってんだろ?」
小岩は突然の話で驚いてしまった。いや、三奈美も驚いた。
「俺は話下手なんだ。だから、ちょっと列車の写真でも撮りながらどうだ?いきなりやって来て、記憶喪失だって言われてもどうしようもないからさ。」
三条神流は小岩剣を見て言い、目で「来い」と言った。
「そうですな。」
小岩は肯いた。
「行くの?」
広瀬が心配する。
「大丈夫さ。三条は手荒な真似はしないさ。」
と、霧降は言うが、三条神流と対決した者は皆、ボコボコにされているということは黙っていた。
三条神流は小岩剣を、自分の所有する地上空母「エメラルダス」に乗せる。
「ホンダのフィットシャトルを改造した地上空母だ。航空管制コンピューター、レーダー、自動運転装置、自立自己診断能力、会話能力が搭載された最強地上空母。普通の撮り鉄が戦艦「三笠」程度の能力。良くても戦艦「大和」。こいつはイージス艦「あたご」並のスペックだ。」
三条神流は今日の獲物をD51‐498牽引のSL「みなかみ」と言うことを伝える。
「艦載機発進!自動運転機能作動。オキュラスリフト装着。ジョイスティックスタンバイ!」
「了解です。」
車内の格納庫からエレベーターで空撮を行うラジコン飛行機が飛行甲板へ上昇。そして、カタパルトから発進する。
「ソビエト空軍Su‐27戦闘機、航空自衛隊F‐15戦闘機に匹敵するスペックで、列車を空から駆り立てる。これが連合艦隊の戦法。そして、これを統括するのが、「エンタープライズ」と「エメラルダス」そして「アンドロメダ」の3両の地上空母だ。」
小岩は撮影ポイントで「エメラルダス」を下りるが、三条は車内で空撮機を操縦する。が、
「空撮終了。空撮機、上空待機。」
と言い、彼も「エメラルダス」を降りてカメラを構える。
D51蒸気機関車が牽引するSL列車が通過。撮影した物を見せる。
「まあ、こんなもんだ。」
三条神流は空から撮影したものと地上から撮影した物を見せる。しかし、小岩は地上空母の弱点を見抜いていた。




