第二項/突撃!隣の朝ごはん!!
「え、なに……これ……?」
昨日の幻想郷突入(スキマによって強制)から一夜が明けた俺は、ある意味修羅場を迎えていた。
「お、俺は…………女の子じゃない!!!……よね?」
睡蓮は朝起きたら女の子になっていた。
今の睡蓮の見た目は、太ももまで届く長くて黒い髪、紅い目、150cm程の身長を持つ美少女そのものだった。
(でもほんとにどうして……?)
思わず頭を抱えてしまう睡蓮。その手に何かが当たった。
(ん?これ……)
睡蓮が何か書いてないか確認すると、そこにはこんなことが書いてあった。
『昨日言い忘れたけど、貴方……いえ、貴女は「元気」な状態だと女の子になるようにしたわ。
そうしたほうが分かりやすいし、面白いでしょう?
――プリンセス☆マジカル☆ゆかりん』
もう一度頭を抱えた。さらにベットに倒れこんだ。
「何か夢を見ているんだ……そうに違いない……はは」
現実逃避のために、全力で二度寝をした。
………………
…………
……
「さて……今日は慧音さんに会うんだっけか……でもどうしよう、この格好」
朝ごはんの途中、今日やることを確認している睡蓮はそうこぼした。
ちなみに朝ごはんは『スキマ印の冷蔵庫』の中に入っていた食料でどうにかした。
危険な感じはするが、背に腹は変えられない。
「あーそういえば、慧音さんの家ってどこだろう……」
今更ながら、慧音の家の場所を紫に聞かなかったことを後悔していた。
慧音の家もわからないとなると今日はどうしようか。そんなことを睡蓮が考えていると、
コンコン
家のドアがノックされた。
現在朝7時、そんな時間に誰だろうと思い、冷蔵庫に食べかけの食事を入れながら、
「少々お待ちくださーい」
睡蓮はそうかえした。
「はーい、お待たせ……し……た?」
「ん?どうしたんだ?」
そこには慧音さんがいた。
「いえ、なんでもありません。今日はどうしました?」
「ああ、一夜のうちにこんな大きな家が建っていたら誰でも不思議に思うだろ?」
「え……一夜……ですか?」
「ああ、一夜だ」
衝撃の事実、一夜で作られた睡蓮ハウス。
睡蓮はなぜ紫からこの家のことを詳しく聞かなかったのか激しく後悔した。
「それで、あがっていきますか?」
「ああ、この里の決まりも説明しておかなければいけないしな。」
「……疑わないんですね。」
「ああ、お前からは妖力が感じられないからな。」
なるほど、と思うとついでに、絶対この人には敵わないな、と睡蓮は考えた。
そんな事も露知らず、慧音は話を本題に移した。
「さて、ではこの里の決まりだが一つ目は……」
こうして一日が始まった。
「―――それで、最後の決まりは、『里の者全員を大事にすること』だ。これが一番大切かもな。」
「なるほど。確かにそうかもしれませんね。」
一刻後、里の決まりの説明も終わりを迎える。
だが睡蓮は、そんなことよりも「朝ごはん食べかけじゃん」や、「そういえば女体化のこと忘れてた」などのことを考えていた。
無論、その間の慧音の言葉は聞こえてなどいなく、
「――で、この後は、って、おい?聞こえてるかー?
おい!大丈夫なのか!?」
「のわっ!?は、はい、俺は大丈夫ですが……」
「ああそうか……てっきり無視してるのかと……って、俺?」
あ、しまった。説明忘れてた。やらかした、と睡蓮は思った。
「あーごめんなさい、説明忘れてましたが、一応自分男ですので、把握お願いします。」
「…………え”」
慧音の心からの驚愕の声が、睡蓮の耳に突き刺さって、そのまま鼓膜を突き破った。
……気がした。
比喩ってなんだっけか




