第三の生存者
一足早く秋山の家に着いた二人だったが・・・・意外にも、先客がいた。
「撃たないでッ!!」
第一声がそれだった。物置の中に隠れて居たのはうちの制服を着た女子学生三人だった。三人共出てきて
「えっと、先輩方は?」
翼が拳銃を握ったまま言い
「私は三年の新倉紗希所属は弓道部」
「同じく三年の倉田雛子」
「三年の西条弥生」
三年の先輩方はいい
「はぁ・・・・脅かさないでください」
木村は言い
「でも、困りましたね木村先輩、秋山先輩の家鍵かかってて中に入れないし・・・」
すると三人共
「「「秋山?」」」
そこに反応し
「ええ、ここ同級生の秋山優希の家ですよ。三人共弓道部ならご存知のはずでは?」
木村は再度言うと
「なるほど、ちょっと互いに困ってるみたいだしちょっとがんばって見ますか・・・本当は犯罪なんだけど・・・・・・」
新倉先輩はおもむろに髪留めを全部外し針金をもって玄関に行き
「二人共、悪いんだけど見張っててもらえる?」
新倉先輩に言われ二人ともう一人三人で見張りを行うその間に
「{初恋の人の家をピッキングで鍵開けようとするなんて最悪}」
紗希は毒付きつつも鍵穴に髪留めを入れていき慎重にイジっていく・・・・格闘する事数分後
「ガチャン」
鍵が開錠される音が聞こえ
「あいたよ・・・・」
その一言に俺も翼も先輩方も胸をなで下ろす。木村と翼は弾薬の入ったバック、そして武器をもって家の中にはいり、直ぐに鍵をかける。
「はぁ、これで一息付ける・・・」
翼は言い
「ああ、そうだな高本でも秋山と望月は無事か?」
そう言うと
「大丈夫ですよ、先輩秋山先輩はご両親に散々しごかれてサバイバル術や射撃術など両親が俺と同じく自衛官ですから、簡単にくたばるような人間じゃぁありませんよ」
そう言っていると
「グーーー」
音がなり木村、高本も振り返ると三人共顔を赤くして俯いている。
「{あ~、なるほど・・・・・空腹か・・・・}」
二人は避難所で軽食程度ではあるが食べているものの三人は全く食べていない。
「しょうがないです、怒られるのは俺だけでいいので先輩の言っていた非常食引っ張り出しましょう。」
翼はいい奥に行くとでっかいダンボール箱を持ってきた。そして三人に
「ここに、軍用の携帯糧食がありますが先輩方に聞きます。不味くても食いたいですか?それとも一晩我慢しますか?」
この問に木村も
「おいおい、言い過ぎだろうがよ」
いうも
「木村先輩、避難所で秋山先輩が言っていたの聞いてませんでしたか?「この状況下でまともなメシを期待するほうがオカシイ・食べれるだけ有難いと思う・「嫌なら食うな、クソ野郎」これです」
言うと
「高本君だっけ、私達は食べられれば文句なんてない、むしろ彼の物を勝手に食べる罪悪感すらある。」
最初に口を開いたのは新倉先輩で
「うちは飲食店経営だから、そこら辺は小さい時から厳しく言われたんだ、食べ物を粗末にするなって」
倉田先輩も言い
「私、軍用糧食を食べるのは自分の趣味の一つだもの・・・」
西条先輩に言われ
「これは、秋山先輩と話が合いそうですね」
翼も言い、箱を開封し
「何が当たるかわ運次第、外れても文句ななし」
全員に配り、作り方を説明し台所にあるトレーを持って来て調理を始める。まぁ調理といっても水を入れて数十分待つだけだが。十分後全員トレーに糧食を出し
「これこれ、このケミカルな匂いがたまんない」
翼は言い
「お前、一回病院見てもらった方がいいんじゃないか?」
笑いつつも木村は言い
「何とも・・独特な匂いね」
新倉先輩は言い
「うーん、見てくれはまぁだけど要は食べられればいいんだし」
倉田先輩も言った。最後に驚いたのが
「うんうん、これこれこの匂いがたまらないのよねぇ」
西条先輩の一言は
「やっぱり、話が通じそう」
翼はつぶやき
「「「「「頂きます」」」」」
全員で行った後口を付ける。すると
「へー結構いける・・・・」
新倉先輩は言い
「私も、マズイなんてあまり思わないな・・・人によるかも知れないけど」
倉田先輩も言い。
「このケミカルな味が何とも言えないのよねぇ」
西条先輩に至ってはどんどん橋を進めていく。糧食を初めて食った木村先輩に至っては
「おぅ・・・現場の軍人はこれを飯として食ってるんか・・・・何とも独特な味だ・・・くせになりそう」
水を飲みつつ言っていた。まぁ基本米軍の糧食よりは自衛隊の戦闘糧食2型の方が格段にうまいのだが。それに先輩は、糧食二型もかなりの量を溜め込んでいる。今はこのゲロ不味MREでなんとかなるだろうが先輩と合流できれば、先輩に食料の事や今後どうするかも聞いたほうがいいかもしれない。とりあえず今夜は木村先輩と俺とで見張りを行う事になりそうだ。しかし今後に対する不安は消えなかった・・・・
次回~合流~を予定しています。