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消えていく日常~終末の世界で僕らは今を生きる~  作者: 特殊警備隊
第一章~発生壊れ行く日常
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避難所脱出

やっとの思い出逃げ込んだ避難所も安心出来る所ではなかった、優希ら一行は同級生の望月葵を仲間に新たに加え警官の遺体から武器を拝借し避難所からの脱出を計画していた・・・・しかし思い通りにはいかない・・・・

「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・」


夕暮れ、辺りが薄暗くなり始め四人で配給された、コッペパンピーナッツクリーム×2と牛乳でご飯をとる。周りからは


「{もっとましなものないのかよ}

「{高い税金払ってこれかよ}」


などクレームが殺到している。そんな中おれは何も言わずにパンにかじりつく。すると


「秋山君、これだけの夕食ってどう思う?」


隣にいる葵さんが来てくる。それに対し


「なんか、不都合でもあるのか?」


おれは聞くと


「いや、特にないけど、秋山君達何も言わずに食べてるからさ・・・」


それに対し


「さっきも言ったけど、俺はオヤジやおふくろにキチガイな目にあったから出された物は基本食うよ。それに考えてみろ望月、今この状態でまともな飯を期待するほうが変だっての。備蓄食料があるだけでもマシなんだぞ、俺からすれば「嫌なら食うな、バカ野郎だ」」


望月に言い自分に支給されたパンと牛乳を飲み干しゴミをゴミ袋に捨て、時折周りを見て何時頃動くかなどを考え始めていた。それを横で見ている望月は


「{いけそう?}」


小声で聞いてきたが


「今だと少し目立つかも」


答え、


「木村、翼お前らもどうだ?」


二人に向き直り聞くと


「うーん、そろそろ頃合だと・・・」


二人が言った時、外から拳銃の銃声がし始め、外を見ると


「・・・・思ったとおりだ・・・・」


外ではさっきまで監視にあたっていた警官が突如として凶暴とかし仲間に襲いかかっていた。それを見た避難所内の人達もパニックを起こし出し我さきにと外に出ようとする


「どけッ、邪魔だ!!」

「どきなさい、あっちに行けッ!!」

「クソ野郎、ぶっ飛ばされてぇか」


ここに秩序も糞もへったくれも無かった。しかも運が悪く、その混乱に木村と高本が人の波に飲まれていくが


「いいかーーーーッ俺んちに集合だ!俺も向かう!!」


そう叫ぶと、二人も頷いたように見えた。俺は咄嗟に望月の手を離れないように固く握り


「離すなよッ、」


強めに言い、望月を引っ張り、人ごみの中俺と望月は裏口へと向かった。しかし、先程の装備品を拝借した所から例の遺体がゾンビもどきになり、避難してきた人達を襲っていた。そこでも悲鳴と怒号が飛び交うが、俺達はそれを避けつつ裏口へと向かった。


「人を見捨てるのって・・・」


望月が何かを言いかけたが


「話は後だ!!」


俺は急いで裏口に向かい、内鍵を開け外に出る、そして内ポケからM360Jを取り出し、シリンダーを確認し閉じて構えつつ


「いいか、弾丸の数も限られてる、それに素人が撃ったってほとんど綺麗には当たらない、だから撃つ時はもしも時だけにしとけ。」


そう言い拳銃片手に俺は望月を連れて自らの自宅へのルートを頭で浮かべつつ


「よし、こっちに行こう」


そう言って、自宅への道を急ぐ。





避難所脱出から数十分後


「クソッ、どこもかしこも事故・事故・事故で通れない」


思っていたよりも事態は深刻で道路のほとんどは事故車により塞がれており、さらにゾンビとでもいうような存在の数が多すぎてこの中を突破は出来そうにも無かった。


「・・・せめてショットガンでもあれば・・・・」


途中、呟くと


「そういえば、私の家のルートになるけど銃砲店あるけど・・・行ってみる?」


望月に持ちかけられるが


「こんな状態で店の中に入ったらどうなる、おばかさん」


言うと


「なによー、人がせっかく教えてあげてるのに」


頬をリスのように膨らませて怒る望月に


「スマン、でも実際どうなるかわからない、俺一人が死ぬならいいが俺は今お前に対しての責任を持ってるつもりだ、だから迂闊な行動はできない」


そういうが


「でも今後に武器は必要なんでしょ、なら行こうよ!!」


望月に押し切られる形で俺は望月の案内の元銃砲店へと向かった。




そこから行くこと20分、予定よりもそれてしまったが銃砲店が見えてくる。


「あれか・・・・・・・・」


隣の望月に聞き


「うん、そうだけど・・・・・・」


望月も言った。


「じゃぁ行ってみるか・・・・・」


二人で店の前まで行き


「「こ、こんにちは~~」」


努めて普通に中に入る、すると


「動くな、!!」


店の奥から、ショットガンを構えた店主?とおもしき人に言われ素直に手をあげて


「撃たないでくれ、人間だ!!」


声を張り上げてる


「・・・・・・・・・・」


銃口をこちらに向け続けるが


「ふぅ」


銃口を下げ


「すまんな、いきなり化物が入り込んできたのかとおもったぞ」


こちらに来て、望月を見て


「おろ、望月のお嬢ちゃんじゃないか無事だったのか・・」


葵に話しかけ


「ハイ、なんとか避難所に逃げ込めたのですが・・・」


そこまで話すと


「なるほどな、おおよそは検討がつく。」


おじさんは言い


「あっと、自己紹介がまだだったな、俺はこの武田銃砲店の店主、武田峰二だ。横のおまえさんは?」


聞かれ


「望月さんの同級生の秋山優希と言います。」


自己紹介をし


「お前さんがた丸腰でここまできたのか?」


聞かれるが


「いえ、死んだ警官の死体から拳銃と警棒・手錠を拝借しました。」


答える。そこで


「ぶしつけで申し訳ないのですが、武器を分けて頂くことはできないでしょうか?」


ここまでくればダメもとでと頼み込むと


「おまえさん、銃器の心得があるのか?」


聞かれ


「両親が自衛官なもんで、ハワイで散々実弾射撃で銃器の扱い方、メンテナンスのやり方、果ては野外でのサバイバル術や徒手格闘などなど・・・」


答えると、笑いながら


「お前さん、将来は自衛隊で特殊作戦群の隊員にでもなる気か?」


言われる。


苦笑しつつも


「分かった、この状態じゃ商売どころじゃないしな。でどんな武器がいい?といっても数えるくらいしかないがな」


そう言っていくつかの銃器を出してくれる


「へーーー」


俺は思わず声を出してしまった。


「マズ、ショットガンはお前さんなら扱えるだろう、アメリカレミントン製M1100セミオート。半自動式いわいるセミオートだからマニュアルでの操作を必要としない。国内規制前だから装弾数は7発+1発」


そしてもう一丁取り出し


「これも同じくレミントン製のM870こいつはさっきのM1100と違い、マニュアル操作を必要とするが信頼性は高い、セミオートと違いマニュアルだがあまりジャムを心配しなくてもいい。装弾数は同じだ」


そして


「こいつはアメリカのモスバーグ社が製造したM590ショットガンだ操作法はM870と同じで装弾数も変わらない」。


最後はこいつだ


「二連発式のショットガンだ、え~と製造は確か日本だが忘れちまったが、聞いてある通りに装弾数は二発だ」


説明を受けて


「秋山君、どれを貰い受ける?」


横から望月が言い


「お前もショットガン持って行く気か?」


驚きつつも聞くと


「うん、いけない?」


しれっと言われ


「あのな、散弾銃は反動が結構強いんだぞ、それもろくに扱ったことがない奴が撃てば最悪怪我することだってあるんだぞ」


説明すると


「予備という事で私が持ってても?」


そう言われると、何も言えなくなる。俺は考えた末に


「じゃぁ、セミオートのM1100とマニュアルのM870後、弾薬いいですか?」


聞き


「ああ、弾なら腐るほどある。もってけ、もっけて。あっそれと警官のパトから38SP弾も結構な数を拝借したな、それももってけ」


結果、ショットガンの弾薬を二丁合わせて500発・拳銃弾を400発と結構気前よくくれた。


「こんなに頂いて、いいんですか?」


心配になってきて言うと


「なに、死ぬ前にいい事をしたくてな。俺も年だ戦って死ぬか、弾切れで死ぬかただそれだけの違いさ」


そう言い


「では、俺達もう行きます。」


そう言うと


「おいおい、夜の中強行軍は危険だ今夜一晩ここにいなさい」


武田さんは言ってくれたが


「しかし、武器に弾まで頂いてその上、今夜の寝床までまでなんて・・・・」


俺も望月も遠慮気味になっていたが


「こんな人食いの化物がうようよしてる所にほおり出せるわけないだろう一晩、泊まっていきなさい。」


武田さんに言われ、俺も望月も顔を見合わせ


「分かりました、今晩一晩お世話になります。ですがタダでなんて言えませんので今晩の見張りは俺がやります」


そう言うと


「分かった、あんた方の好きにしてくれ、すまんが少し、眠らせてくれ」


そう言うと武田さんはショットガンを手に奥に引っ込んでしまった。そして俺はM1100に弾を込めつつ


「無理に付き合う必要はないんだぞ?」


望月に言い


「話相手は必要でしょ?」


クスクスと笑われながら


「はぁ、お好きにどうぞ。明日きつくなっても俺はおぶってやんないからな。」


夜の町並みを見ながら望月に言ったのだった・・・

次回~逃げるのも一苦労~

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