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消えていく日常~終末の世界で僕らは今を生きる~  作者: 特殊警備隊
第二章~島崎市アウトレットモール編
31/55

月夜の告白

後片付け・そして自分らの置かれた状況の再調査、それがすみ優希は約束通り野外テラスに訪れる・・・そこでは新倉先輩がベンチに腰掛けていた・・・・

今回のクーデターもどきは実に後味の悪いものだった。警官二名が死亡、笹原に撃たれた民間人も亡くなった。戦力のダウンが避けられなくなり・・・さらに地下から感染者がドアを叩く音が聞こえる。ドアは、溶接し取っ手をチェーンでぐるぐる巻きにして固定したがいつまでもつか・・・・不安は絶えない


「さて・・・どうしたものか・・・」


笹原と佐田は警官の佐藤巡査長とその他人達の監視の元取り調べ?を受けている。そして自分達も実感する。今まで岡本警部らに頼っていたことを。因みに中野巡査部長の遺体は笹原が処分しちまい罪状の追加になりそうだ・・・・最も・・この先この事態が収束すればの話だが・・・。俺は井上さんに鍵を借り弾薬の確認を行っていた


「・・・ショットガンのシェルが・・・700発か・・・マズイな・・・・9mm弾がまんま・・・・45ACP弾が・・・これもまんま・・・7.62mmNATO弾もまだ大丈夫・・・・・30-06スプリングフィールド弾も大丈夫・・・38SP弾が300発前後・・・・・ボウガンの矢が変わらず300本か・・」


ここモールに来てからの弾薬の消費が激しく確認した所上記の通りの結果となり


「ショットガンの弾薬節約しないとな・・・・・」


頭を若干抱えた。武器は俺達の生命線とも言える。弾薬がなくなれば無用の長物・ただの鈍器になるだけだ・・・


「そろそろこいつの出番かな・・・」


俺はある武器を取りキャンピングカーに鍵をかけ、寝床に戻るそして岡先輩も加わっており皆と馴染み始めて来ていた。


「という訳で・・・散弾銃の弾薬を節約せざる追えない・・・このペースで使うと弾切れに成りかねないんだ現状だと」


皆を見て言うと


「・・・・ゴメン・・・私があのバカ止めてれば・・・・」


岡野先輩は言い


「先輩のせいではないでしょ、少なくとも・・・先輩はどの犯行にも加担してたわけじゃんないですし」


翼が言い


「ああ、そうだ!」


木村も言った。それに周りの連中も同意していた。


「でも、優希じゃぁどうするんだ?」


木村は聞き


「心配するな、ここにもう一人狙撃手がいる。望月は知ってるよな?」


聞くと


「・・・・・・・・・」


少し考え


「・・・・・!」


思い出したかのように手をポンと叩き俺はキャンピングカーから持ち出した武器をその人の前に行き出す


「紗希先輩、どうぞ!」


ボウガンととりあえず100本の矢を出す


「・・・・・・・」


何か思うと所があるのか受け取るのをためらっているが


「うん、秋山君が言うなら・・」


ボウガンと矢を受け取りロッカーにいれる。そしてまた夜が訪れる。しかしなんとか修理がおいつたお陰で漆黒の闇で過ごす事にはならないみたいだ。でも余り明るすぎるのもということでほとんど豆電球だけつけてる状態にのようなものだ。


夕食を取る時やはり痛感する・・・


「{さっきまで居た人がもうこの世にいない・・・・・}」


ため息が漏れるが


「{大丈夫すか、先輩・・}」


隣で翼に言われ


「ああ、ちょっとな・・・・」


俺が言うと翼は察したようで


「仕方がない事っす・・」


翼も言い俺はただ何も言わず夕食を取った・・・・その後、警備室で捕まってる馬鹿共に飯を持っていく翼と共に


「ほら、夕飯だ」


笹原は


「・・・・・・・うるせぇ・・クソ野郎・・・・」


一言言い


「置いとくぞ」


トレーを置きドアを閉め施錠、同じく佐田の所にも入り


「飯だ、おいボンボン」


トレーを置くが


「・・・・・・・・・」


反応がない。つくづくめんどくさい野郎だと思いながら


「行くぞ」


翼を伴い、ドアを閉め鍵をかける。その後は直ぐに館内の巡回を始めM9ピストルを持って見て回る。


「「異常なし・・・・」」


二人で重点的な場所がちゃんと施錠されているか、バリケードに異常はないかを確認し、最後に


「ドアの異常はないか?亀裂がいってるとか?」


溶接・鎖でぐるぐる巻のドアを見る。奥では感染者がうようよいるのだ。流石に身震いする。


翼と俺で確認し


「「異常なし・・・」」


確認し戻り佐藤巡査長に報告を入れる。


「重点箇所巡回終わりました。現時点異常ありません。」


報告を入れて


「ありがとう、お疲れ様」


佐藤巡査長は言い


「ごめんなさいね、本当は私が行わなきゃいけないのに皆に頼む結果になって・・・」


言い


「岡本警部との約束はまだ有効ですよ、それにこの広い場所を一人じゃ無理があります」


そういった。そして寝ようと思い皆の所に戻ったが


「あれ・・・誰もいない・・・・」


「{今日の夜・・・・時間もらえるかな?}」


そう言われたのを思い出し、紗希先輩がいるであろう野外テラスに趣いた。



モール野外テラス


「やっぱり」


俺が言った第一声はそうだった。紗希先輩はテラスのベンチに座り俺を待っていた。瞑想でもしているのだろうか・・目をつぶっている。しかし本当に今日の夜は満月で月明かりが綺麗だった・・


「先輩・・・」


近づくと、先輩は目を開け


「クスッ、来てくれたんだ?」


笑いながらそう言い、


「隣失礼します」


ベンチの片方に座る。


「・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・」


しかし会話が続かない、こういう時の、この手の経験値のなさが裏目に出る。だから自分から切り込む


「先輩に聞きたいことがあります・・・間違っていたらすいません」


先輩を見ず、前を見たまま言うと


「何かな?」


先輩は俺を見て


「先輩、この乱痴気騒ぎが起きる前に俺の机に手紙入れましたか?」


「ッッ」


紗希side


突然の事に私自身驚くが、次に言われた事はある意味で残酷だった・・・


紗希sideアウト


「もし、先輩だったら俺は謝罪しても許されない事をしたと思っています。」


言い


「・・・・確かに手紙を入れたのは私よ。・・・」


先輩は完結に答えた。


「・・・・・・・・・・・」


何も言えなかった・・・俺自身なんという事をしてしまったのだろか・・・と思い


「あの手紙の内容を私は見ていません・・・」


ここで切り


「じゃぁ、なんで・・・」


紗希先輩は言い


「・・・・・処分してしまったんです・・・・この手のイタズラが二年で流行っていて自分が標的にされたと勘違いし・・申し訳ありません・・でも言い訳はしません・・・」


次の瞬間、頬を張られた・・・要はビンタを食らった形になる・・・先輩を見るが特に怒っているようにも見えない・・


「これでチャラにしてあげる」


一言言い


「そっか・・・そんな事が起きてたんだ・・・・あの時私弓道場で待ってて結局貴方が来なかったから・・振られたものと思っていたけど違ったんだね・・・正直に言ってくれたからビンタ一発で許してあげる。」


紗希先輩は言い


「ここまで来たら口で言った方が早いわね、私は貴方が好きです、私とお付き合いしてくれませんか?」


紗希先輩の曇りない瞳が俺の顔を・・心まで見ているかのように言い


「・・・・・・」


視線をまた逸らし


「最初はただのもやもやだったんです・・・」


俺は語り始め


「いつから先輩を意識するようになったかと言うとわかりません、でもそのモヤモヤの答えを知ったのはついさっきです。地下で笹原の策略にまんまと嵌められた時です。先輩の笑顔が浮かんでは消え・・浮かんでは消え・・・その時あの時無理やりしまいこんだモヤモヤ感は先輩が想いを寄せる奴に対する嫉妬だったんだと・・・でも、それがまさか自分とは思ってませんでした・・・」


話し終えると


「それで返事は?」


隣で紗希先輩は言い


「自分は鈍い上にどうしようもない男ですよ?、それでもいいんですか?」


聞くと


「私は、この騒ぎが起こる前からだもの・・・・秋山君に惹かれたのは・・・」


言われ


「後悔しますよ?」


言うと


「平気、自分の選んだ相手だもの・・」


紗希先輩は言い


「・・・・・・・分かりました、お受けします。この手の事は経験はありませんがこちらこそよろしくお願いします。」


俺は答えると、紗希先輩の顔がパァっと明るくなり


「うんッ」


そのまま俺に飛びかかってくるように抱きついて来る。バランスを崩し、ベンチの上で紗希先輩に押し倒される形になる。


「・・・・積極的ですね・・・・・」


そう言うと


「うん、私も貴方もいつどうなるかなんて解らないもの願わくば末永くよろしくしたけど」


紗希先輩は言ったが


「先輩を死なせる予定はありません、皆で生き残るんですッ!!絶対に」


言うと


「そうね。」


先輩は言い目をつぶり顔が近づいて来る。前は何が何だかわからず逃げ出したが今は逃げ出す必要がない、互いに遠回りになったが両思いだったのだから、そして唇同士が重なる・・・


「・・・・・・・・」


何秒キスしていたかは分からないが、よくファーストキスの味は~~の味というが俺の場合なぜかイチゴミルクの味だった・・・


「美味しかった?私の唇」


その一言にカァッと熱くなる・・・おそらく自分の顔は真っ赤だろう・・・・・紗希先輩は俺を起こし


「よろしくね!優希」


始めて俺を呼び捨てにし、俺もその意味がなんとなく分かり


「こちらこそ・・・さ・・・紗希」


始めて彼女を呼び捨てにした瞬間だった。しかしこの光景を影に隠れた皆に見られた事を俺も紗希も知らない・・・・・・

次回~内部崩壊へ~

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