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消えていく日常~終末の世界で僕らは今を生きる~  作者: 特殊警備隊
第二章~島崎市アウトレットモール編
15/55

二人きりの夜

DQN笹原のケツ拭いを志願し夜間監視をする優希だったが今回は一人ではなく新倉先輩も一緒だった。

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「真っ暗だね・・・・・」

「ええそうですね・・・・・・」


こんなやり取りを行っている中


「優希君のその双眼鏡みえるの?」


紗希先輩は言い


「ええ、コイツ高かったすけどナイトビジョン・サーマル両方の機能がついてる双眼鏡ですから日中や夜とか関係ないですし」


説明すると


「ないとびじょん?・・・さーまる?・・・」


紗希先輩はちんぷんかんぷんといったようだったので紗希先輩に向き直り


「ナイトビジョンは簡単に言えば夜間に視野を確保するための装置で、サーマルは赤外線を利用し視野を確保するための装置です。」


説明する。紗希先輩は


「ふーん。そんなすごい機能がついてる双眼鏡なんて滅多に見ないんじゃないの?」


言うが


「いいえ、今では民製品用に市場に出回ってますし、有名な通販サイト熱帯雨林でもピンからキリまで色々あります」


説明する


「・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・」


互いに会話が続かず沈黙してしまうが


「そうだ、優希君はもし今回のこのパニックがなかったら将来はどんな進路を考えていたの?」


紗希先輩は水を飲みつつ聞き


「俺は・・・将来親父やお袋と同じ、自衛官になろうと思っています。両親の背中を見て育ちましたし銃器の手ほどき・サバイバルの知識・実路・徒手格闘術等など。防衛大学を目標に頑張ってきました。父や母と同じく幹部自衛官になりいずれは、陸自の「特殊作戦群」か、海自の「特別警備隊」入りたいと、それが最終目標です」


言うと


「私とは遠くかけ離れてしまってるわね。普通に大学に入って。卒業して会社に勤めて。でも私も女だもの幸せな家庭を持ちたいって思うよ」


紗希先輩は言った。それに


「先輩なら、良妻賢母のなれると思いますよ」


俺は言い


「家事・掃除・料理・全部そつなくこなして、気立て良し・器量よし物件そうそうないですよ?」


言うと


「秋山君には今好きな人とか居る?」


聞かれ


「いいえ、いませんね。目標に向かって一直線だったので・・」


言うと


「じゃぁ、気になってる人は?」


それに対しても


「いないですね。・・今の所は・・・・」


逆に


「先輩はどうなんですか?好きな人は」


聞き返すと


「いるわよ、その人の教室まで行って机にラブレターまで入れたけど反応なしの絶賛片思い中だけどね」


紗希先輩は、言い


「えっ?」


俺は思わず反応してしまった。だって


「{まさか・・・・あのイタズラと思ってたのって・・・・先輩が出したもの・・・・}」


思うも


「{都合よく考えすぎだ、先輩が俺を?ジョーダンキツイって先輩なら選び放題なんだし}」


でも、なぜか自分の心がもやもやとし始めて来ていた。


「{あ・・・あれ、今までこんな事あったっけ?}」


そう思いつつも、今余計な事を考えれば隙が出来てしまう。その思いからそのもやもや感を奥に無理やりしまいこんだ・・・


「さ・・紗希先輩の恋が実ると良いですね。」


俺は言いまた双眼鏡を覗いた。


紗希side


「{えっ、ここまでヒント出して・・・いや答え言ってるような物なのに気付かないの?}」


私は彼の反応を見て焦った。確かにあの時彼の教室まで行き、彼の机にちゃんと入れた。自分の気持ちを、自分の想いを全て託したレターをでも彼は弓道場に来なかった。でも今の彼を見る限りあの手紙を見たという反応はしていない・・・・彼を見つつ私は思った。


紗希side アウト


私達はその後も監視を行った。彼は将来仕事熱心なタイプの人間になるなと思いつつも、自らの好きな人を前に


「{強敵だな}」彼を見て思っていた。

次回~夜がふけて~を予定しています。

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