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あすぴりか2

「いやでも本当にありがとうございました、まさか部屋まで用意してかくまってくれるだなんて。」


「…。」


「ここの所ろくな食事も取ってなくて屋根がある部屋で休むのもほんと久しぶりなんですよ!おおお!シャワーもありますねこの部屋!」


「どうしよう…どうしよう…。もう終わりだ…。」



ここはコーポシャトレーゼ201号室、僕の借りている小さなアパートである

この部屋の中には本来、僕一人しか入ったことがない訳で、訪れる人と言えば密林商店で遠隔ショッピングをした際に訪れる配達員さんぐらいのものである。

そう、本来僕一人しかいないはずのこの部屋の中にもう一人が存在している。

それもただならぬ事情をかかえた存在が、何度確認しても僕の目の前に存在しているのだ。



「何か食べます?でもまあ私のじゃないので何か作りましょうか?というのが正し言い方なのでしょうけど、なんなら語尾にお主人様ーとか付けて見ましょうか!」


「順番が前後して申し訳ないんですけど、すいませんどちら様ですか?」


「ああ、私ですか?魔女です。」



ますます訳がわからない。というか話が進まない、進む気がしない。

それでも何とか状況を把握しようと最善を尽くしてみる。


「えーっと…。魔女ってのは、生まれつき…なのかな?それとも修行とかそういうのでなったのかな?」


「私の育った村は代々魔女の家系が多くて、私の家も魔女の家系でした。」

「でも、今では残ってる魔女は私ぐらいのもので他に魔女はもう…。」


軽く地雷を踏んだ、思いの外シリアスな話題だった、軽くフォローを入れよう。


「そっか…。大変だったね…。迫害とか魔女狩りとか、辛かっただろう…」


「ああ、いやあ魔女って儲からないんで皆商社とか公務員とかしてるんですよね~。」

「私はほぼニートみたいなもんで魔女ぐらいしか職がなかったんで魔女やってるんですよ~。」


思いの外軽い話だった、もうどうにでもしてくれ。


「ところでさ、なんであの時僕を掴んで飛んだんだ!?一番わからないのはそこだ!なんで僕がこんな面倒に巻き込まれてるんだ!」


「簡単です、あなたがツイてないからです。」


「はぁ!?」


「魔法ってのは案外あれなもんで厄介事に巻き込むにはツイてない人を選ぶのが鉄則なのですよ」

「1%の幸運で魔法が跳ね返されることもあったりしますからね。」


「ちなみに僕はどのぐらいの確率で魔法がかかりそうだったんだ?」


「ああ、もう完璧です!ここまで貧相でツイてなくて人なんて滅多にいませんからね!100%の自信がありました」



ああ、そうですか。本当にありがとうございます。

しかし、僕のここ最近の不ヅキもここまで来てしまったかというのが正直な感想だ。

なんせ「奈落落ち」と関わってしまったのだから…。


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