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第3話

2日目夕方


「シャーーーーー」

 毛長山猫だ、茂みから姿を現したそいつは、俺の行く手を阻むように声を上げ威嚇してくる。

 なんだこいつ?襲うなら奇襲すればいいじゃん。馬鹿なのか?たぶん獲物を置いてけとかいってるんだろうな。あいつも無駄に戦いたくはないのかな?つーか疲れてる時に出てくんなよな。

 

 俺は獲物を背中からおろすと、猫との中間地点にトカゲを放り投げた。毛長山猫は俺を警戒しつつトカゲに近づいてくる。

 奴がトカゲをくわえようと、俺から目を離した隙に槍を突き出した。


「楽して良い思いしようとしてんじゃね~。このチンピラ猫が。」


 しかし、俺の槍はあっさりかわされてしまった。

 まじか、こいつやるな。結構手強いかも。


 トカゲを挟んで猫と対峙する。お互い完全に戦闘モードだ。

 むこうの方が素早そうだし、戦闘経験も豊富そうだな。でも、こっちには槍があるし接近戦になっても、喉輪さえ決まれば、4足歩行の動物に負けるわけないな。

 よし勝算は大いにある。

 そう思い再度槍を突き出す。すると、毛長山猫は槍を交わし一気に距離をつめてきた。


 ヤバッ!!槍を引き戻すのも間に合わない。

 左腕に爪が食い込む、なんとか回転しいなしたが間髪いれずにまた飛び掛ってきた。

 今度は槍の柄で受け止め押し戻す。しかし毛長山猫の猛攻が止まらず防戦一方だ。何度か受け損ない指や腕、腹に爪を受けた。体には無数の傷ができ血が流れる。


 何度目かに槍の柄で押し返した時、むこうから距離をとってくれた。呼吸を整えているのだろう。

 しかし、やばいな・・・想像以上に強い。このままじゃジリ貧だ。てか槍が使いずらすぎ!!

 そう思って俺は毛長山猫からさらに距離をとると、槍を真ん中でへし折った。

 うん。やっぱりこのくらいがしっくりくるな。

 

 再度お互いに距離をつめる。4メートルくらいで俺は右手で槍の穂先のほうを投げてつけた。案の定かわされ距離をつめられる。

 「俺のスイングスピードをなめるなよ。」

 飛び掛ってきた猫に対し俺は、穂先を投げた反動を利用し前に出て、槍のもう半分を左打ちでフルスイングする。

 完璧にとらえた、左足と、左顔面を強打する。猫は一瞬浮き上がると、受身も取らず地面に落下した。

 俺は槍の柄で猫を滅多打ちにすると、一角猪の角で止めを刺す。


 「ふー」

 なんか俺じゃないみたいだ。こんな狂暴にもなれたりするんだな、俺。

 まあいい早く帰って飯を食おう、今のでなまら腹減ってきた。



拠点に到着すると、すぐに獲物の肉をはいで焼いていく。今日は兎、鳥を一匹、毛長山猫、トカゲを食べます。トカゲは丸焼きにしてみた。兎が一番おいしくて次が鳥、この2匹は生で食べてもそこそこいけた。トカゲと猫は同じくらいでどっちもそんなにおいしくなかった。

「ふ~」

 さすがに自分と同じくらいあった猫を完食すると腹がきつくなってきた。

 食いすぎたかな・・・水筒の水を飲んで一息つく。


 これからどうするべ。まずは武器を何とかしなくちゃだけど、色々道具が無さすぎるよな。毛皮もたくさん集まったけど、なめさなきゃだし。猪と猿人犬の皮なんて乾燥してかぴかぴなってきてるし。

 せめて今日取ってきた獲物くらいちゃんと処理するか。


 と、いうわけでまずナイフ作りから。手ごろな石と、猫の骨を使ってナイフを作ってみました。ひたすら削ったり、研いだりしました。一応2本ずつ作ってみたのだが。あまりできが良いとはいえない。

 早速ナイフを使って皮についている肉をそいでみる。なんかどっちのナイフもそぐというより、削ってる感じだ。まぁ仕方ないか。

 そんなこんなで一心不乱に肉をそぎ続けた。皮を傷つけないように慎重にやったのもあるけど、3匹分が終わり顔を上げるとあたりは真っ暗だった。

 体感的に5時間以上はやってたし当たり前か。


 森を眺めてるとものすごいことに気がついた。真夜中なのにメチャクチャよく見える。どれくらいかというと、昼間と同じくらいだ。昼間と違うのは、色がよくわからないということだけ。なんていうのかな。白黒の映画みたいな感じかな?なんか少し違うけど、とりあえず夜目が利くということがわかった。


 ゴブリンて夜行性だったのかな?でも記憶の中では昼間活動してたしな。でもこれから夜のアドバンテージがすごいな。狩がおおいにやりやすくなりそうだ。


 そんなことに気付いた俺は、皮を叩いた揉んだりした後に、それぞれの獣の脳みそをすり込んだ。最後に骨の穂先がついた槍を作って寝ました。






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