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第26話

42日目


 朝、起床し軽く肉を腹につめると、外に出てさっそく弓を試してみた。

 

 手ごろな木から10mほどはなれ弓に矢をつがえる。渾身力で弦を引くと矢を放った。

 

 シュッ!!バスッ!

 矢は勢い良く木に突き刺さった。


 おお~~~いいじゃん


 その後も何本か試してみる。 

 矢の出来により精度や威力に差はあったが、おおむね良好だ。

 次はだんだん距離をとりながら矢を放っていく。

 だいたい30メートルくらい離れたところで、矢が真直ぐでは届かなくなった。ただ少し角度をつけてやるだけで、木に突き刺さるくらいの勢いを保ったまま届くようにはなったので、この距離でも充分使えそうだ。 


 次に試したのが、魔法の矢を放つことだ。やっぱり弓といえばこれかなと。

 最初は炎の矢を作り弓につがえてみる。

 ダメだ…弦が焼き切れてしまった。

 弦を付け替えて次は氷の矢だ。

 一応飛ぶけど、あまり良くないな。弓とこすれて矢が欠けてしまうし、普通の矢のほうが威力有る気がする。というわけで魔法の矢は全然ダメでした。なので今度は普通の矢を強化する方法を考える。イメージとしては、炎や氷の属性を乗せるのと、魔力で矢の速度を上げることだ。


 普通に弓を引き絞り右手から矢に向けて魔力をこめる。

 ヒュッ!!

 さっきよりもだいぶ早い速度で矢が飛んでいった。

 成功だ。矢の強度も心なしか上がっている気がするし。


 木に刺さった矢を見てみると、鏃は先よりも深く木に刺さっていた。しかし、羽の部分から10cmほどがヒビが入り所々欠けてしまっている。

 威力も速度も上がったけど、矢自体が持たないみたいだ。もっと強い材質を見つけないと勿体無くてこの技は使えないな。


 次は属性付与をやってみたが、右手から魔力をこめると、先端に伝わるまでに矢が燃えてしまったり、弦と矢が氷付けでくっついてしまった。

 なので左手で鏃にふれ魔力をこめてみる、するとうまくいくのだが精度が若干下がる上に、普段魔法を使わない左手でやったので魔力の消費効率が悪い。


 普段からの練習で両手使えるようにして行こう。


 そんなこんなで弓はいい感じになったので魔法の練習だ。


 基本は魔法の変形、操作のトレーニングと、発動をより早くするためのトレーニング、さらには一度に大量の魔力を練り上げて最大出力を出すトレーニングだ。

 魔法も筋トレとかと同じで、使えば使うほど強くなっていくのがわかるし、複雑な情報を入れたり、操作をするのも繰り返し練習することで、だいぶ早く、効率的になって来た。


 今実戦で主に使えそうなのは炎系が4種類で水氷系が3種類だ。


 炎系の魔法の一つ目は、火炎弾だ。一般的にいえばファイヤーボールか。まぁ名前決めてないけど。

 自然体で炎を出現させるとソフトボール位の火に玉が出来る。それを放つだけだ。対象物にぶつかると炎は火炎瓶の様に四散し、他に可燃物が無ければ10秒ほどで消える。


 二つ目は炎の槍だ。これも魔法っぽくいうとファイヤーランスとかか?

 これは火の玉を槍状に変形させ、さらに対象物にぶつかっても四散せず、魔力が続く限り一点に攻撃を集中させることが出来る。発射速度も速いし、こめる魔力の密度で威力も上がっていく。


 三つ目は炎爆弾。見た目は火炎弾とそう変わらないが、中身が違う。名前のとおり、対象物にぶつかると炎が爆散する。大きさにもよるが、周囲に高熱と爆風でダメージを与えられるものだ。


 最後は火炎放射で、炎を手から分離することなく常に出し続ける魔法だ。魔力効率は悪いが、炎を自由に操ることが出来る。

 上の3つは一度撃ってしまうとその後の操作が出来ないが、手から離さず炎を出すと、ある程度の距離まで自由に操れる。自分の前に壁を作ったり、敵を追跡したり、ガードかわしたり出来るのだ。

 ただ郷里が離れると精度が下がっていくし、消費魔力も増えていく。


 水氷系は自分で作り出すと効率が悪いので、基本は水筒の水を使うか、水辺の近くでしか使わない。

 一つ目は氷弾で、まぁそのまんまだ。小さい弾を作り飛ばすだけ。これの利点は、複数の弾を同時に操れるのだ。一度放つと、向きを変えられないのは炎と一緒だが、それぞれを違う向きに撃つことも出来る。水弾でも同じことが出来るのだが、殺傷能力が皆無なので実戦では使えない。


 二つ目は氷槍だ。水を圧縮し槍状にしたものを凍らせ、普通の氷よりはかなり硬い氷を作ることが出来る。他の形にもできるのだが、今のところこれが1番攻撃力が高そうだ。


 三つ目は高圧水の放射だ。これには大量の水が必要だが、水を出来るだけ圧縮し高圧に放水銃のイメージで噴出する。木の枝を折るくらいは出来るし、相手を殺したくないときに有益そうだ。


 他にも工夫しだいで色々使い道があると思うが、魔力効率と、俺の技術で使えそうなのはこんな感じだ。

 青炎もあるのだが、ために時間がかかりすぎるし、魔力もかなり消費するので今のところ実戦では使えないだろう。


 ちなみに今の俺の魔力では、大木さんもよるが火炎弾で20発ほど、炎槍、氷槍が10発、炎爆弾は5発ほど放てる。氷弾なら100発くらい撃てる気がする。試してないけど…


 ちなみに炎と水の操作は、自然にあるものを引き寄せるのは10~20mくらいまでで、自分の周囲2メートルくらいならある程度自由に操作できる。2メートル異常はなれると引き寄せる以外は出来なくなる。


 長くなったけどいっつもこんな感じの魔法を繰り返し反復練習してる。


 

 鍛錬が終わった後は鳥と山羊の餌集めだ。昨日ユニ山羊が食べていたものを中心に集め、最後に塩分を含んでいる土を持って帰り山羊小屋と鳥小屋にそれぞれ入れてやる。

 

 昨日の散歩中に芋の群生地も発見したから、大量に持ってきた。今日明日食べる分を残して、家の東側に埋めておいた。

 いつか畑とかも作ってみたいな~


 ユニ山羊と駝軍鶏をそれぞれ外に出してやる。駝軍鶏達は久しぶりの外の世界にどぎまぎしていたが、しばらくするとなれたのか、元気に歩き回り始めた。

 それを確認すると俺はそれぞれの小屋の掃除をする。鳥小屋の中を見てみると巣が増えている。寝床用に用意した藁などを組み合わせて作ったようだ。卵も最初より8個ほど増えていた。

 

 環境が変わってもきちんと卵を産んでくれるようで安心だ。俺は10個ほど昼飯用に失敬して小屋を後にする。

 次に山羊の乳搾りだ。こちらはもうなれたもので、母親山羊も終わるまでおとなしくしてくれている。それが終わると、ロンの昼飯と、俺ように卵焼きをつくって見た。冒険者から奪った鍋があるからいい感じに出来そうだ。




 「ふ~~~食った食った。」

 卵焼きをたらふく食った俺はロンと草原で昼寝中だ。腹がこなれたらロンのトレーニングをしようと思う。

 今日は生き物は使わずに俺とのトレーニングだ。とりあえず、待てと行けあとハウスくらいは覚えさせたい。

 

 ロンとボールを使って遊びながら訓練をする。ボールを投げてすぐ取に行かせず、俺の合図で手元から走らせるようにする。初めは俺の腕の中でもがいて脱出しようとしていたが、回を重ねると俺の意図がわかってきたのか、最終的には声の合図だけで言うことを聞くようになった。


 中々頭がいいし、これなら狩に連れて行っても足手まといにはなら無そうだ。後は体力だけだな。

 ボール遊びがうまく言った後は、ぼろい皮で引っ張り合いとかをしてたのだが、途中で疲れてしまったのか、誘っても見向きもしなくなった。


 調度いいので

「ロン。ハウス、ハウス。」

 と連呼しながら家に入れてやる。いつかは意味を覚えてくれるだろう。

 ロンは家に着くとゴロンと転がってしまったので、俺は狩りに行こうと思う。

 今はだいたい15時くらいなので、あまり問うでは出来ないが、何匹かは狩れるだろう。


 小川を下流のほうに歩いていく。それなりの速度で歩いていたのでもう少しで池に向かう分岐点に着きそうだ。

 

 「クゥ~~ン」

 「キュンキュン」

 不意に獣の鳴き声が聞こえたのでそちらに意識を集中してみる。すると四角鹿の群れを発見した。


 おお~~~すっかり存在を忘れてたな。鹿肉も食べてみたいな。


 気配を消して群れの後をつける。

 隙を見て襲おうかと思ったが、ボスを中心に周りをよく警戒しており今回は断念した。

 とりあえず行動ルートと群れの構成だけ把握し今日は帰宅だ。


 帰り道では山鳥とトカゲを狩って帰る。



 


 


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