表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/35

第25話

41日目



 昨日の夜は作業がはかどり篭手だけじゃなく、すね当てまで作ることが出来た。あとは太ももや腰周りを守る分を作れば完成だ。

 今日は魔法の訓練をした後食料の確保ができたら、ユニ山羊の小屋を作ります。ここら辺にはいないけど、狼とか来たら嫌だし、いつまでも縄でつないどくのは可愛そうだ。


 というわけで、魔法の練習を終えた後に狩に出ます。今日も一人で出かけ、手早く兎とトカゲを捕まえるとロンを家から出し、まずはトカゲと対峙させる。狩りの練習をさせようと思ってだ。

 トカゲの大きさは50センチほどで、ロンよりは小さく、さらに俺が握って運んだため、弱っておりいつものような俊敏さはなかった。ちなみにロンは体高50センチほどで、体長は60センチくらいだ。尻尾まで入れたらもっと大きいが。



 始めおっかなビックリ前足でトカゲを叩いていたロンだが、相手の抵抗が無いとわかると、じゃれる様に飛び掛り口にくわえては放り投げるを繰り返し始めた。


 完璧に遊んでるな。まぁはじめはこんなもんかな?


 俺はトカゲに近づき止めを刺すと、腹を割きロンに肉を与えた。

 ロンも食べ物だということがすぐにわかったようで、ゆっくりとだが食べ始めた。まだ生肉になれていないようで若干戸惑っているのがわかる。


 次に兎の足を1本折り、駝軍鶏の柵の中に入れる。足を引きづり逃げようとするところを持ち上げ真ん中に異動すると、ロンを解き放った。


 トカゲの時とは違い一直線に兎に飛び掛る。しかし体格が同じくらいの兎が抵抗するとビックリして飛び下がってしまった。

「ロン負けるな~!」

 俺がはっぱをかけると不思議そうにこっちを見た後再び兎のほうへ向かう。何度か転げまわったのちロンが兎を組み伏せた。兎は足の怪我もあり体力の限界が来たようだ。

「お~ロン良くやったぞ。良い子だ!!」

 俺は兎に止めをさすと、ロンを褒めてやる。


 ご褒美に山羊のミルクと細かく砕いた兎の肉を食べさせ、ロンと森の中で転げまわりながら遊ぶ。その中でも褒めたりしかったりして、お座りを覚えさせることが出来た。次は待てだな。


 ひとしきり遊んでロンに疲れが見えてきたら、ユニ山羊とご対面してみた。ロンは自分よりさらには俺よりも大きい獣にかなりビビッていたが、俺が抱き上げ匂いを嗅がせてやると、害が無いのがわかったのか、山羊の足にまとわりついてじゃれ始めた。ユニ山羊はかなり迷惑そうだ。ちなみに子山羊はロンにびびりまくっていた。


 ロンを家に戻すとユニ山羊を散歩に連れ出す。目的は何を食べるかわからないので、その調査だ。しばらく森の中を色々な植物の前を通るようにして散歩するとある程度ユニ山羊の好みがわかってきた。

 基本的には好き嫌いは無い様で何でも食べていたが、唯一食べなかったのがイモ類だ。わざわざ掘り返してやったのだが見向きもしなかった。


 さらに一つ収穫があった。それは塩を発見したのだ。正確には塩ではないのだが、ユニ山羊が突然

ある範囲の地面をなめ始めたので、俺もなめてみると、ほんのりしょっぱかったのだ。

 どういう原理で塩が森の中にあるのかわからないが大発見だ。今まで俺は生肉を無意識に食べていたから塩分摂取を出来ていたのだろうが、牧畜を始めるのなら定期的に家畜に塩を取らせなければいけない。


 散歩が終わった後は適当なところにユニ山羊をくくりつけ、また竹で小屋と柵を作り始めた。駝軍鶏の小屋で要領はわかっていたので、かなり順調に出来た。柵も狭い範囲であるが、とりあえず外で体を動かせるだけのスペースは出来た。


日が沈むまでまだ時間が合ったので、鳥小屋周辺の柵も一段高くする。なんか結構物々しい柵になってしまった。一応圧迫感が無いように、中段の隙間は結構空けておいたのだが。

 明日は鳥達も外に出してみるかな。


 夜は鎧作りの続きと、弓つくりを始めた。鎧のほうは比較的すぐ完成した。あと足の部分だけだったので予想どうりだけど。

 全てを装備してみる。

 体全体を硬い革の鎧で覆うと、なんだかとても強くなった気分だ。色は灰色で、森の中では少し目立つかもしれないが。

 前使っていた革鎧よりは重たく、少し動きづらくなったがまぁ許容範囲だろう。防御面でいえば格段にプラスになっているはずだし。

 紐の長さなど細部を調整し鎧を脱ぐと、次は弓作りだ。

 材質の特性を理解するため昨日とってきた駝軍鶏のすねの骨を取り出すと、曲げてみたり、水につけたり、火であぶってみたりしながら形が変えられないか試してみる。


 う~~~~んやっぱ基本は骨なのか特に変わる様子が無い。高温で熱すると逆に少しもろくなってしまうほどだ。このまま加工するしかないかな?


 そう判断した俺は1番大きくしなる骨を取り出すと、両先端と握りに部分を削り弓上に削っていく。ほんとうは木や腱と組み合わせて複合弓を作りたいのだが、膠などの材料もないし作り方も良くわからないので、とりあえず丸木弓ならぬ丸骨弓を作る。


 はっきりいってすぐ出来た。試しにモコ狸の毛から作った弦を張る。弾力が強く全体重をかけてやっと張れた。

 弦を張った状態でも1mくらいはあり、俺が使うにはかなり大き気がする。弦を引いてみる。


 かなり硬い、魔力を使わない状態だと引き絞るだけでかなりの労力だ。中々いい弓が出来たかもしれない。

 次に矢を作る、なるべくまっすぐな枝を選び火であぶる、頃合を見計らってゆがんでるところを噛み真直ぐに矯正してしていく寝るまでこの単純作業を繰り返し20本くらいの矢を作成した。

 ちなみに鏃には狼の骨を、後部には山鳥の羽を取り付けてある。



 今日はもう暗いから試し撃ちは明日にしよう。







 

 

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ