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第9話

11日目



 今日も鍛錬が終わると、探索兼狩猟に向かった。昨日見つけた泉を越えると細い獣道が東に向け延びていたので、そこを進むことにした。

 道すがら、襲ってくる巨大蜘蛛や猿人犬(えんじんけん)を狩りながらしばらく進むと、少し開けた場所にでた。そこで昼休憩をし、拠点へ引き合えす。


 もうここら辺で脅威になる奴はいないな。しばらくは拠点作りに専念するかな?


 長いもやネギみたいな植物を採取して戻ると、さっそく拠点の拡張を始める。

 今回は掘るのではなく、粘土質の土で壁を作る。

 まず、竹を格子状に組み、ほら穴の入り口に面するように枠組みを設置する。その後は竹格子に沿って土を盛っていくだけだ。


 水と土の配分が難しくなかなか作業が進まなかったが、水、粘土、砂の最適な配分を見つけるとみるみる壁が出来上がっていった。


 今日一日で入り口から出て右側の壁ができた。ちなみに左右の壁には窓もつける予定だ。


 夜は巨大蜘蛛と、猿人犬(えんじんけん)の肉を食べて寝る。

 蜘蛛のお腹はかに味噌のような不思議な味だった。頭部分は毒とかあったらいやなので捨ててます。



12日目



 苔豚の肉をすべて干し肉にしちゃったので新鮮な肉を求め狩りに出ます。


 いつもどうり素振りと投擲の練習をすると、鍛錬がてら昨日の見つけた広場まで駆け足で向かいました。

 途中襲ってくる獣は軽くいなし相手にはしない。


 「ふ~~~~~~!」


 体が成長しているおかげで、移動速度が格段に上がってきてるな。この広場までも1時間くらいで来ることができたし。


 呼吸を整えよく広場を観察すると、鬱蒼とした木々に囲まれる中で、一箇所だけ茂みが薄くなっているところがあった。

 また獣道が続いているのかな?一休みしたらあそこにいってみるかな?


 そう思い腰を下ろすと、茂みが大きく揺れだした。その後に姿を現したのは体長2メートルを超える一角猪だ。


 これは大物だな。

 俺は槍を構え咆哮を上げた。

 「※%Ю~~~~~~~~~~!!」


 猪も俺の存在に気付きこちらを向いてフガフガうなっている。

 俺の咆哮に全然ビビッてないな、その余裕がいつまで持つか楽しみだぜ。


 猪は足を踏み鳴らし勢いをつけると俺に向かって突進をしてくる。 

 こいつら突進しかなから楽勝だな。


 距離が詰まると頭を下げ角を水平に倒す。俺は猪の目線が切れた瞬間に横っ飛びでかわし槍を繰り出した。しかし、激しく動く猪の厚い皮に阻まれ、槍の穂先は皮膚を軽く切るに留まる。


 クソッ!なんちゅう体だよ。

 よしそれなら次は


 俺は木を背に槍を構え猪が再度突進してくるのを待つ。

 一角猪が迫ってくる。それにあわせ俺も木に向き直り三角飛びの要領で猪の背後に回った。

 俺が木を蹴った直後に猪が木に激突し、木が大きな音をたて倒れ始める。


 うわ~~~~~~~やば。太い木ではなかったけどそれはないだろ


 俺が驚き一瞬からだが止まると、ものすごい速度で石つぶてが飛んできた。

 やばいっ!両腕で顔だけはガードしたが、全身に石つぶてを受け後方に倒れこんでしまった。

 

 目を開けると猪の後ろ足の地面が30センチほどえぐれていた。

 「あれにやられたのか・・・」

 猪はすぐに反転するとまた突っ込んでくる。

 全身に力をこめすんでのところで横に飛ぶ。なんとか直撃はかわせた。

 しかし、その直後全身に物凄い衝撃があり、抵抗することもできず体が吹っ飛ぶ。


 猪がドリフトするように下半身をふりヒップアタックをしてきたのだ。


 俺は5メートルくらい転がったところで体勢を立て直す。顔を上げると一角猪の角が目前に迫っていた。

 やばいっ。しかし体が瞬時に反応してくれない。

 何とか後方にか飛べたが、猪の突進を避けれるほどではなく直撃を受けた。


 「ガハッ」

 

 広場際の木に叩きつけられる。

 吐血すると同時に肺の中からすべての空気が抜けていくような感じがした。

 後方に飛んだことで角に刺されることは無かったが、突進をもろに受けたのだ。その代償は大きく、とても戦闘を続けられる状態ではなかった。


 猪が角で地面をえぐり石つぶてを次々飛ばしてくる。


 俺は何とか力を振り絞り枝伝いに木々を移動して石つぶてを避けた。。

 一角猪も木々を搔き分けへし折り追撃してきたが、大木の上で篭城しているとあきらめ引き返していった。


 逃げている間は必死で気付かなかったが、呼吸をするたび胸に激痛が走る。肋骨が折れているのだろう。左腕と左足も明らかに折れている。それ以外の部分も打撲と擦り傷で、体中探しても怪我をしていないところなど無いかった。

 


 木の枝とつるで添え木をすると体力の回復を待って拠点へ向かう。しかし、獰猛な獣が跋扈(ばっこ)する森の中を引き返すのは辛酸を極めた。

 普段なら相手にもならいトカゲや蛇にすら怯え、激痛が走る体に鞭打って行軍を続けた。


 やっとの思い出拠点についたのは日も暮れ、あたりが真っ暗になってからだった。

 床に就くと自分を囲む岩の壁に感謝しながら。眠りについた。


13日目


 入口から日がさし朝になったのがわかる。しかしあまりの激痛に体を起こすのもつらくそのまま眠りにつく。

 寝返りを打つたびに激痛で目が覚め、痛みが引くと眠むる。1日中のそ繰り返しだった。


  

14日目


 少しだが体を動かせるようになってきた。骨折していた肋骨、左腕、左足に痛みは残るものの腫れは引いており、力も入るようになっていた。ゴブリンの回復力にはほんと驚かされる。

 ストックしていた干し肉と野菜類、水筒の水を飲む。体の回復に物凄いエネルギーが要るのだろう、すべての食料と水を飲んでも飢餓感がなくなることはなかった。

 しかし、狩をできるほどは体を動かせないので、小川で水を飲み、近くに生えている植物や小さな虫を食べ空腹を紛らわせた。

 

 ある程度腹が満ち足りると、何もできることが無いので先日のことについてじっくり思いをめぐらせ低たが、気がつくと眠りに落ちていた。



15日目



 物凄い空腹感で目が覚めた。ただ昨日よりさらに体調が良くなっていたので、リハビリがてら狩に出ることにした。

 まだまだ体の節々が痛むし、体力も万全じゃ無いので拠点からは離れないようにする。

 

 すぐに苔豚や巨大蛇を見つけたが激しい戦闘は不安だったのでパス。

 兎や鶏を中心に、追い回すのではなく待ち伏せし、一撃で仕留めていく。

 時間はかかったが当座の食料を得たので、拠点に戻り食事をした後で、土壁作りにはいる。


 「はう~~~~」


 痛みは我慢できる程度なのだが、体力が無さすぎた。休み休みでしか作業ができず1日かけて2面目の3割ほどしか作れなった。


 まだリハビリ中だしこんなもんか・・・


 

 

 

  

 

 




 



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